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「お父さんが死んだのは、私のせいね」 [l'histoires de femmes]

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まずは彼女の旦那様のことから。
誰もが認めるロシアの偉大な作家、レフ・ニコラヴィチ・トルストイ。

「トルストイ」という作家って、3人くらいいるのですね・・・

でも一番有名なのは、彼でしょう?

『戦争と平和』は読んだことありますが、彼は実際に戦争に征って、非暴力主義になったと言われます。
ガンディーと文通もしていたそうですよ。

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20代のころのトルストイ


文学作品でなくとも、『イワンのばか』ならば、子供のころに読んだことがある方も多いのでは?

日本で言えば、宮沢賢治がちょっと思い出されます。
農奴解放に尽力して、農民の生活向上、教育に熱心に取り組んだところなど。

彼は苦労した貧乏人ではなく、伯爵家に生まれた貴族でした。
でも幼くして両親を亡くして親戚に育てられます。

成績不振で大学は中退したのち、農地経営の乗り出しますが、農民の理解を得られずに対立します。
そして放蕩を始め、飽きたのかコーカサス戦争に行きます。

24歳で作家デビュー、のちにクリミア戦争にも征き、これがのちの大作のヒントになります。

34歳の時、隣の家(と言っても、豪邸だし距離はあったと思いますが)の宮廷医師の娘で
18歳のソフィアに惚れ込みます。

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そして二人は結婚するのです。

そう、今回はソフィアのお話。

結婚前夜、トルストイはソフィアに自分の日記を渡します。
それには農奴の女性とのカンケイがつづられていたそうですが・・・・どうしてわざわざそんな?!

結婚当初は幸せを絵にかいたような毎日。
若い妻は13人もの子を産みました。

結婚を機に、トルストイも土地を相続して地主となりました。

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ところが『アンナ・カレーニナ』を書き上げて、子供を亡くした50歳ころから、トルストイは厭世感を
強めます。人生が嫌になり、自殺を思いつめるようになりました。

土地を農奴に与えて無一文になり、彼らのように暮らそうかと考えた彼に、ソフィアは猛反対。
あたりまえですよねぇ。13人も子供がいたし・・・

無償で原稿を提供してしまった時も激怒。
それに気を悪くしたトルストイが、秘書を通して印税管理をするようになると、妻はますます激怒。
裸同然で真冬に家出したこともあるそうです。

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ソフィアが夫を厳しく監視するようになったのはそのためでした。
宗教にもはまりだして、家族と対立するトルストイ、見張られても仕方ないですよねぇ?
彼は心の平安を見出せばそれでいいのかもしれないけれど、家族には生活がありますから。

ソフィアの監視に耐えられなくなったトルストイは、たびたび家出をするようになります。
そして辺鄙な駅で病気で倒れるのです。

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「ソフィアを私に近づけるな」と、彼は臨終の床で言ったそうです。
惚れ込んで結婚した恋女房が、死に際には悪魔に見えたのでしょうか。

「お父さんが死んだのは、わたしのせいね」と言ったソフィアに、子供たちは誰も「そんなことないよ」
とは言わなかったそうです。まぁ、相当な嫌がらせだったのかもしれませんが;;;

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映画もありますね。相当美化されているようですww

彼女は世界三大悪妻の一人と言われますが、ダリの妻のガラのほうがほっぽどワルだと思いますw
夫を家出させてしまう点は、感心しませんが・・・それで駅などで死なせてしまったから、悪妻と
されるのでしょうか。

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むしろ、家計を考えずに秘書にお金を管理させ、自分だけの理想世界に耽溺する夫に
現実の不満をぶつけたかっただけ、妻としては家族の生活を第一に考えた、普通だと思いますが・・・


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