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『草紙洗小町(そうしあらいこまち』 [いろんなブンガク]

能楽です。
作者は不明。

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観阿弥か世阿弥かとも言われていますが・・・。

ある歌合戦で、大友黒主は小野小町と対することになりました。
自信がなかった彼は、前日に小町の邸に忍び込み、明日のための歌を彼女が歌うのを
盗み聞きします。

そして歌合戦の当日、彼女が詠んだあとに、「その歌は古歌で盗作だ」と言います。
そして『万葉集』に自分で書き込んでおいた、盗み聞きした歌をみんなに見せるのです。


窮地に立たされる小町。
でも彼女はその歌だけが筆跡が新しいことを見抜き、許可をもらって草紙を洗うのです。
すると新しい筆のあとだけがさらりと消えて、黒主の姦計が発覚するのです。

恥をかいた黒主は自殺しようとしますが、小町はそれを止めてめでたしめでたし・・・と、
そんなお話ですが、まったくのフィクションですw

大友黒主は有名な歌人です。おそらくは、小町と並ぶ才能の持ち主としてこの曲の作者に悪役に
抜擢されたのでしょうw お気の毒です^^;;

草紙を洗ったら、新しく書き足した文字だけが消えるという発想も、なんだか・・・(o´Å`)


SHIZUKA [いろんなブンガク]

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しづやしづ しづのをだまきくりかえし 昔を今に なすよしもがな


吉野山 みねのしらゆき踏み分けて 入りにし人のあとぞ恋しき


: 静や、静やと、オダマキのツルのごとく何度も何度も呼ばれていたあのころに
   時を戻すことはできないものかしら?
  
   吉野山の雪の道に消えていったあのひとが、たまらなく恋しいのです



静御前は白拍子。
源義経の愛妾です。

兄の頼朝と不和になった義経が逃亡する際に、途中はぐれて、とらわれてしまいました。
頼朝の前で義経を慕ううたを詠んで舞を舞い、その怒りを買いました。

でも頼朝の妻政子は、もし自分が静香の立場だったとしても、同じようにすると言ってかばいます。

静香は子供を身ごもっていて、女の子ならば助けようと言われますが、生まれたのは男の子でした。
子を奪われまいとした決死の抵抗もむなしく、子は殺されて由比ヶ浜に流されました。

かなしい白拍子は解放されました。
政子が同情してたくさんの財宝をつかわしましたが
その後消息は不明のままでした。


百鬼夜行 [いろんなブンガク]

まだ安倍清明が幼い子供のころのお話です。

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彼は安倍童子(あべのどうじ)と呼ばれていました。
物心ついたときからすでに見鬼(けんき)の才能がありました。
見鬼とは、今でいえば目に見えない霊や物の怪が見える霊能力のようなものです。

だから彼は陰陽師である賀茂忠行(かものただゆき)に弟子入りしました。

・・・ある夜のことです。

忠行は出張に清明をお供に連れて、出かけていました。
帰途はすっかり暮れてしまい、闇の大路に牛車の車輪のきしむ音だけが響いています。

”力”をたくさん使ったためか、忠行はうつらうつらと居眠りを始めてしまいました。
だから彼は、異様な空気を察することができなかったのです。

幼い清明は、気の流れが変わったことにいち早く気づきました。
闇の中、闇より黒い妖気が前方に沸き立って、異様な者たちの集団が、騒ぎながら牛車のほうへ
向かってくるのが、清明にははっきりと見えたのです。

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「お師匠様、お師匠様、起きてください、大変です。百鬼夜行に出くわしてしまいました」

うたた寝から目覚めた忠行が、そんな幼いものに鬼たちが見えるわけはないと半信半疑で前方とみると、
ほんとうに異形の者たちの行列が向かってくるのが見えました。

忠行は急いで、印を結び呪(しゅ)を唱えました。
牛車ごと自分たち一行の姿を、隠形の術で物の怪たちに気づかれないように隠したのです。
隠さないでそのまま当たると、食い殺されてしまうのです。もちろん、その場で本当に食い殺されるというよりも、
数日後に病に倒れて衰弱して死ぬのです。

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この件から、忠行はただならぬ幼い清明の能力に目をかけて、よく修行をさせたと言われます。

百鬼夜行とは、鬼や下等霊たちのなす行列をいいます。
時には、年月を長く経た道具たちに霊が乗り移って、この行列に加わることもありました。
生身の人間がこれを見てしまうと、病気になって死ぬとか、鬼たちに食い殺されるとか言われました。

平安時代は夜といえば真っ暗闇だったので、闇に対する恐怖が物の怪を生み出し、流行病に対する
免疫も抵抗力もなかったために病気にかかったら死ぬしかなかったことも多かったために、物の怪に
襲われて命を落とす、という考えも生まれたのでしょうが・・・・

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現代人よりも昔の人たちのほうが、第6感が優れていた、ということも否めません。

ちなみに、百鬼夜行に合わないための真言(呪文)が、陰陽道にはありますよ♪

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「東海の神、名は阿明(あめい)、西海の神、名は祝良(しゅくりょう)、南海の神、名は巨乗(きょじょう)、
北海の神、名は愚強(ぐきょう)、四海の大伸、百鬼を退け、凶災をはらう。急々如律令」
と、唱えるのですって。

いや~な感じの時とか、急に(寒さではなく)悪寒がするときとかに唱えるとあらゆる災いを
避けられるそうです( ´艸`)

『長恨歌』  (抜粋) [いろんなブンガク]

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夕殿螢飛思悄然、孤燈挑盡未成眠
(夕暮れの屋敷を蛍が飛ぶのを見ても、亡きひとの面影がちらついて心が消えてしまいそう。
 秋の夜長にともしびが消えかけるたびに消さぬようにして、悲しみで眠れないのです)

遲遲鐘鼓初長夜、耿耿星河欲曙天
(夜の時間を告げる鐘の音も間遠くなって秋の夜もようやく長くなってきた頃、
しだいに明けゆく夜空に天の川がさえ輝いています)

在天願作比翼鳥、在地願爲連理枝
(天にあっては 願わくば、比翼の鳥となり、地にあっては願わくば連理の枝となり)

天長地久有時盡、此恨綿綿無絕期
(天は永遠であっても、いつかは尽きるときがくる。でもこの悲しみは決して耐えることがないでしょう)



『長恨歌』の一部抜粋です。秋の夜に関するところを。
最後の一行前は、死ぬ前の玄宗皇帝と楊貴妃が交わした約束なのですって。
比翼の鳥も連理の枝も、二つで一対。

平安のシンデレラ~L(´▽`L )♪ [いろんなブンガク]

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昔々、ある中納言の娘の一人に、母親が皇族だった姫君がおりました。
母は姫君が幼いころに亡くなってしまい、姫君は継母によって床がほかよりも低い一間を与えられて、
そこで日々、縫い物や雑用をさせられてこき使われて暮らしておりました。


低い床の粗末な部屋に住まわされていたので、落窪(おちくぼ)の君と呼ばれておりました。

ひどいでしょう?(=´;ω;`=)

姫君にはあこぎという忠実な侍女がおりました。
このあこぎの夫が帯刀(たちわき)といいまして、いいうちの若様の乳兄弟なのです。

この若様、道頼(みちより)くんといいますが、十代ですでに少将です。
落窪の君の話を聞いて興味を持ち、こっそりと見学に行きます。
するとどうでしょう、粗末な部屋に輝くばかりの美少女がいて、意地悪そうな継母にこき使われています。

少将は姫君の前に現れますが、姫君は姿を隠してしまいます。
恥ずかしがらないででてきたらいいという少将に対して、姫君は自分のみすぼらしい格好を
見られたくない一心で拒否するのです。男心は姫君本人しか見ていないので格好は気にしないようですが、
姫君はやはり女子、よれよれのみすぼらしい格好をかっこいい貴公子に見られるなんて、拷問と同じですw

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でもまあ、二人は結ばれるのです。しめしめ、と思うのは継母の日ごろのひどい仕打ちを見ている
あこぎ。これは彼女の作戦がまんまと成功したということなのでしょうね。

貴公子が通ってきているらしいと勘付いた継母は、姫君を身分の低いおじいさんと結婚させようとします。
でもこの作戦は失敗します。
このおじいさんが冬の寒さで下痢ぴーになってしまうシーンはなんかリアルっぽくて笑えます(≧∇≦)ノ

これを知った少将は、姫君を屋敷から盗み出しました。
まあ、継母としてはどこの誰かわからない貴族の若者が姫君をさらっていったところで、
厄介払いができた、くらいにしか思っていなかったのですよ。

それで少将は姫君を自分の妻にして大切にします。ここからは西洋のサンドリヨンもシンデレラも顔負けの
展開ですよ。

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少将は継母へ姫君に変わって復讐を始めます。
継母の娘をあほな男と結婚させたり、石山詣でをじゃましたり。
中納言の新築の屋敷を横取りしたり。

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なんであの方はうちを目の敵にしはるんやろう??と中納言夫婦が首をかしげても理由はわかりませんw
でもひととおりの復讐を済ました後は、ネタばらしをして今までの意地悪を詫び、妻の親として
中納言を大切にするのでしたww

継母が意地悪すぎて、少将にやり込められると「ざまみー!!」と気分が晴れやかになりますよ(笑)
それにしても、王子サマが復讐してくれるなんて、姫君の女子力はすごいです( ´艸`)

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夢の中で・・・ [いろんなブンガク]

うたたねに 恋しき人を見てしより 夢ちょうものは たのみそめてき



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小野小町です。

うたた寝の中で恋しいあの人に逢うことができたから、

それ以来、あの人に逢う手段として

夢というものを、頼りにしはじめました・・・


という内容です。

平安時代は、女性はめったに人前に姿を現さないどころか、家から出かけることもまれでした。
だから出会いのチャンスはごく限られていました。
そんな中で出会って好きになった人にも、好きな時に好きなだけ会えるわけでもなかったために、
あまりの恋しさに、その人が夢の中に現れたのでしょう。

あ、そうか、夢を見れば、また夢の中であの人のお姿を見ることができるんじゃないの?
そんなことを考えて眠る女心のかわいさがでている歌です。

The Sleeping Beauty・・・・どうやって目覚めるの? [いろんなブンガク]

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『眠れる森の美女』、『眠り姫』あるいは『いばら姫』。いろいろな呼び名がありますが、
小さなころに母が寝る前に読んでくれて、何度もせがんだ物語の一つでした。

民間伝承なので、いろいろなパターンがありますね。
たぶん、『グリム童話』のお話が一番一般的に良く知られていて、キリスト教の影響を受けて
残酷なことを極力オブラートに包んで、子供が読んでも泣かないように(笑)アレンジしていますよ。

ペローのほうはやはり「らしい」というか、結構残酷さが残っていますから。

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まず、こんなお話です。

昔、子供のいない王様に、姫君がやっと授けられました。
王はこの姫君の祝福のために国中の魔女を宴に招きました。

でも、一人招待するのを忘れてしまったのですww

12人の魔女たちは、次々に姫君に一つずつ、祝福を授けていきました。
あるものは賢さを、あるものは美を、あるものは徳を・・・というように。

11人目が祝福を終えた時、招かれなかった13人目の魔女が宴に乱入してきて、呪いをかけるのです。
「この姫君が15になった時、糸巻の錘(つむ)に刺されて死ぬだろう!!」と。
王も王妃も嘆き悲しみます。
そこでまだ祝福を与えていなかった12人目の魔女が、こう言いました。

「姫君は錘に刺されるが死ぬことはなく、永い眠りに陥るでしょう」

呪いは取り消すことはできないのです。
でもそれにしても、不思議な修正の仕方ですこと(笑)

王は国中の錘を破棄させました。
姫君はその後何事もなく健やかに美しい少女に育ちました。

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彼女が15歳になったある日、森の中を散歩していると、高い塔を見つけます。
好奇心から上がっていくと、老婆が糸を紡いでいるのです。
見たこともないものに(当然です、父王が破棄してしまったのですから)姫君は興味津々です。
老婆が差し出す錘に触れると、指先を刺されて・・・・深い眠りに落ちたのです。

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姫君がね塗りに落ちると、周りの者たちも一人残らず眠りに落ちました。
やがて城は深く厚く、いばらのとげが張り巡らされ、誰も近づくことができなくなりました。
この国のうわさを聞いた者たちが城への侵入を試みましたが、だれ一人はいることができないばかりか、
中には命を落としたものもいたのです。

さて・・・

100年たちました。

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ある国の王子が偶然この国を通りかかり、うわさを聞いて城を見に行きました。
するとどうでしょう!
厚いいばらのとげのカーテンがするすると開き、王子を招き入れたのです。

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眠り続ける人々の間をおそるおそる王子が進むと、やがて城の奥深く、姫君の部屋にたどり着きました。
そこに横たわる姫君の、なんという美しさ。

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王子はバラ色の頬にそっと口づけしました。
姫君は目覚めて、王子にやさしい微笑みを向けました・・・・。


グリムではたぶん、キリスト教では13が不吉な数だから、魔女が13人なのでしょう。
ペローでは7人で、8人目が呪いをかけます。
面白いのは、ペローの姫君は自分で目覚めます。
しかも結婚後に二人の間には子供も生まれるけど王子の母が実は人食いで、姫君と子供たちを食べようとして
それを王子が助けるけれど、姫君はショックで死んでしまう、という後日談つきです。

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これは少女に対する警告だと言われていますね。
そうすると「錘」は、男性をあらわします。
15歳は思春期。恋愛にあこがれはじめるころ。
魔女の呪いは年配者のアドヴァイス。ごく若いうちに好奇心から恋愛に走ると、痛い目に遭うよ、と。
老婆(魔女)は、好奇心への誘惑の擬人化でしょう。

ある時期(恋愛というか、十分に出産できる年齢?)が来れば、自然に自分にピッタリの結婚相手が
現れるんだからね、のような?  ( ´艸`)

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ペローのほうは100年たったら自分で目覚めるので、こちらのほうが現代の女性の考え方に近いでしょうか。
待っているだけでなく、時期が来たら自ら行動する、と。
そして結婚して姑が人食いで、食われそうになるというところが、永遠の嫁姑の確執を表すのかも
しれませんねwwww

でも幼いおじょうさん方には、グリムのほうを話してあげてくださいねw

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このお話には、イギリスの画家エドワード・バーン=ジョーンズが、素敵な絵をたくさん残しています。





『高野聖』 泉鏡花 [いろんなブンガク]

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若い修行僧の宗朝は、茶屋で出会った薬売りと二股の道で分かれます。
一緒に旅をしようと言われたのを、からかわれて嫌な思いをしたために断ったのです。

でも途中、人づてに、薬売りの行った道は行方不明者もでている危険な道であると聞かされました。
仏に仕える彼は、見捨てることができずに薬売りを追いかけました。

蛇やヒルの大群に襲われながら、宗朝は、やっとの思いで一軒の家を見つけます。
呆けた男が一人いますが、話が通じません。
すると中から、世にもたぐいまれな美女が出てきました。
厩でよいからと宿を懇願する宗朝に、初めは断った女も折れて、泊めることにします。

そこに明日売りに出す馬を引き取りに一人の男がやってきて、女はこの男に留守を頼み宗朝を
行水に案内します。
女に勧められるがままに淵に汗を流しに行くと、女は裸身で宗朝に寄り添ってきました。
慌てて淵を飛び出る宗朝。

淵への行きかえり、カエルや蝙蝠などが女に纏いついてきますが、女はそれらを邪険にあしらいます。
戻った宗朝を見て、少し驚く馬を連れに来た男。

その夜、女は宗朝をもてなしてくれました。呆けた男は彼女の夫で、何もできないが歌だけはうまいと
歌を歌わせます。感涙する宗朝。
でもその夜は家の周りにおびただしいけものの気配がしました。気味の悪い夜でした。

次の朝、女は宗朝を送り出してくれました。
けれど途中、彼は女への立ちがたい妄執にかられ、道を引き返そうとします。
そこに昨日の馬を売りにつれて行った男が戻ってくるのです。

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男は、あの女の素性を話してくれました。
女は不思議な魔力があって、あの美貌に寄ってきた男たちをもてあそんでは、その魔力でムシやケモノに
変えてしまうのだと。昨日売りに出した馬は、実は宗朝の探していた薬売りの男だったと。

道筋で纏わりついてきたムシたちは、彼女に姿を変えられた、哀れな男たちだったのです。

宗朝もあやうく煩悩に負けて、ムシにされるところだったのです。

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危なかったぁ~~~・・・・・・・・。


女が人里離れたところで魔力を使い、男たちを人間ではない者に変化(へんげ)させてしまう・・・
というのは、ギリシア神話のキルケに似ています。→  http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17-7

でも能楽家の家系に生まれた鏡花は、登場人物を能楽と同じようにその役割を明確に振り分けることによって、
より幻想的で、ゾクゾクするほど妖艶にしています。

人間は弱いものです。
ムシやケモノに姿を変えられてもなお、女を忘れられずに家の周りに棲む男たち。
妄執によって身を滅ぼす・・・・恐ろしや~~~~>_<;;;







Tristan + Isolde [いろんなブンガク]

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トリスタンは幼くして両親と死別して、叔父のコーンウォール王マルクに育てられて騎士となりました。


ある日叔父の王が部下に結婚をすすめられ、「この金の髪の持ち主と結婚しよう」と、
小鳥が運んできた髪を見て言いました。

持ち主はアイルランドの王の娘イゾルデ。
アイルランドの王はその頃ちょうど「竜を退治したものに、姫を与える」と宣言していました。
トリスタンは竜を退治して、王にコーンウォールとの平和協定に、イゾルデと叔父マルクの
結婚を申し出て承諾をもらいます。

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コーンウォールへ向かう船の中。

トリスタンとイゾルデは、誤って媚薬を飲んでしまいました。
お互いへの激しい恋慕の情に陥るふたり。

恋に落ちた若者たちは、イゾルデが王妃となっても秘密の関係を続けていました。。
しかしやがて二人の関係は王の知るところとなります。

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トリスタンは火刑、イゾルデは病人の家に閉じ込められるという罰を言い渡されましたが、
トリスタンは脱出し、イゾルデを連れて森へ逃げます。
でもつかまってしまうのです。

イゾルデを返して自分はコーンウォールを去る・・・・という条件をのみ、彼は故郷を去りました。
そしてフランスへ渡り、ブルターニュへ流れ着きます。
そこで恋人と同じ名の、ブルターニュ王の姫君イゾルデと出会い、結婚します。

『ロミオトジュリエット』の元になったと言われる、もとはケルトの伝承です。
中世にフランスで物語にされました。

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それにしても、キューピッドの矢もまっさおの威力ですね、媚薬ってww
私も欲しいです( *´艸`)





秋心 [いろんなブンガク]

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きみがために衣装に薫(たきもの)すれども、
(あなたのために衣装にかぐわしい香をたきこめても)

きみ蘭麝(らんじゃ)を聞(か)ぎながら馨香(けいきょう)ならずとおもへり。
(あなたはそれももはや、別に良い香りだとも思わなくなってしまった)


きみがために容色を事とすれども、
(あなたのために念入りに化粧を施すけれども)

きみ金翠(きんすい)を見ながら顔色なしとおもへり。
(金や翡翠の髪飾りを見てももはや美しいと思わなくなってしまった)




『白氏文集』より。

「秋心」とはすなわち、心変わりのことです。




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a.HesiodListening to the Inspiration of the Muse.Edmond Aman-Jean.small.jpg

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