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The Sleeping Beauty・・・・どうやって目覚めるの? [いろんなブンガク]

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『眠れる森の美女』、『眠り姫』あるいは『いばら姫』。いろいろな呼び名がありますが、
小さなころに母が寝る前に読んでくれて、何度もせがんだ物語の一つでした。

民間伝承なので、いろいろなパターンがありますね。
たぶん、『グリム童話』のお話が一番一般的に良く知られていて、キリスト教の影響を受けて
残酷なことを極力オブラートに包んで、子供が読んでも泣かないように(笑)アレンジしていますよ。

ペローのほうはやはり「らしい」というか、結構残酷さが残っていますから。

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まず、こんなお話です。

昔、子供のいない王様に、姫君がやっと授けられました。
王はこの姫君の祝福のために国中の魔女を宴に招きました。

でも、一人招待するのを忘れてしまったのですww

12人の魔女たちは、次々に姫君に一つずつ、祝福を授けていきました。
あるものは賢さを、あるものは美を、あるものは徳を・・・というように。

11人目が祝福を終えた時、招かれなかった13人目の魔女が宴に乱入してきて、呪いをかけるのです。
「この姫君が15になった時、糸巻の錘(つむ)に刺されて死ぬだろう!!」と。
王も王妃も嘆き悲しみます。
そこでまだ祝福を与えていなかった12人目の魔女が、こう言いました。

「姫君は錘に刺されるが死ぬことはなく、永い眠りに陥るでしょう」

呪いは取り消すことはできないのです。
でもそれにしても、不思議な修正の仕方ですこと(笑)

王は国中の錘を破棄させました。
姫君はその後何事もなく健やかに美しい少女に育ちました。

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彼女が15歳になったある日、森の中を散歩していると、高い塔を見つけます。
好奇心から上がっていくと、老婆が糸を紡いでいるのです。
見たこともないものに(当然です、父王が破棄してしまったのですから)姫君は興味津々です。
老婆が差し出す錘に触れると、指先を刺されて・・・・深い眠りに落ちたのです。

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姫君がね塗りに落ちると、周りの者たちも一人残らず眠りに落ちました。
やがて城は深く厚く、いばらのとげが張り巡らされ、誰も近づくことができなくなりました。
この国のうわさを聞いた者たちが城への侵入を試みましたが、だれ一人はいることができないばかりか、
中には命を落としたものもいたのです。

さて・・・

100年たちました。

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ある国の王子が偶然この国を通りかかり、うわさを聞いて城を見に行きました。
するとどうでしょう!
厚いいばらのとげのカーテンがするすると開き、王子を招き入れたのです。

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眠り続ける人々の間をおそるおそる王子が進むと、やがて城の奥深く、姫君の部屋にたどり着きました。
そこに横たわる姫君の、なんという美しさ。

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王子はバラ色の頬にそっと口づけしました。
姫君は目覚めて、王子にやさしい微笑みを向けました・・・・。


グリムではたぶん、キリスト教では13が不吉な数だから、魔女が13人なのでしょう。
ペローでは7人で、8人目が呪いをかけます。
面白いのは、ペローの姫君は自分で目覚めます。
しかも結婚後に二人の間には子供も生まれるけど王子の母が実は人食いで、姫君と子供たちを食べようとして
それを王子が助けるけれど、姫君はショックで死んでしまう、という後日談つきです。

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これは少女に対する警告だと言われていますね。
そうすると「錘」は、男性をあらわします。
15歳は思春期。恋愛にあこがれはじめるころ。
魔女の呪いは年配者のアドヴァイス。ごく若いうちに好奇心から恋愛に走ると、痛い目に遭うよ、と。
老婆(魔女)は、好奇心への誘惑の擬人化でしょう。

ある時期(恋愛というか、十分に出産できる年齢?)が来れば、自然に自分にピッタリの結婚相手が
現れるんだからね、のような?  ( ´艸`)

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ペローのほうは100年たったら自分で目覚めるので、こちらのほうが現代の女性の考え方に近いでしょうか。
待っているだけでなく、時期が来たら自ら行動する、と。
そして結婚して姑が人食いで、食われそうになるというところが、永遠の嫁姑の確執を表すのかも
しれませんねwwww

でも幼いおじょうさん方には、グリムのほうを話してあげてくださいねw

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このお話には、イギリスの画家エドワード・バーン=ジョーンズが、素敵な絵をたくさん残しています。





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フヂ

赤ずきんちゃんもペロー版は違ってましたよね。
やっぱりラストは死んじゃうっていう…^^;
by フヂ (2011-10-14 00:35) 

orange

う〜ん。興味深い内容が毎回…週末にゆっくりと拝見させて頂きます。
頂きたいです^^。よい週末を!!
by orange (2011-10-14 01:20) 

elzawild

エドワード・バーン=ジョーンズの絵画、本当に素敵!
by elzawild (2011-10-14 07:08) 

旅爺さん

充分出産できる年齢になったnikiさんは結婚されるのでしょうね。
それとも…奥様?
by 旅爺さん (2011-10-14 10:14) 

nana_hyr

12人目の魔女の祝福が、祝福というより予言w
不思議なお話ですが、原作を知るとより深みがまして楽しくなります。
by nana_hyr (2011-10-14 14:42) 

sig

この物語については、ディズニー映画はほぼ忠実なようですね。
by sig (2011-10-15 00:32) 

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