『長恨歌』 (抜粋) [いろんなブンガク]
夕殿螢飛思悄然、孤燈挑盡未成眠
(夕暮れの屋敷を蛍が飛ぶのを見ても、亡きひとの面影がちらついて心が消えてしまいそう。
秋の夜長にともしびが消えかけるたびに消さぬようにして、悲しみで眠れないのです)
遲遲鐘鼓初長夜、耿耿星河欲曙天
(夜の時間を告げる鐘の音も間遠くなって秋の夜もようやく長くなってきた頃、
しだいに明けゆく夜空に天の川がさえ輝いています)
在天願作比翼鳥、在地願爲連理枝
(天にあっては 願わくば、比翼の鳥となり、地にあっては願わくば連理の枝となり)
天長地久有時盡、此恨綿綿無絕期
(天は永遠であっても、いつかは尽きるときがくる。でもこの悲しみは決して耐えることがないでしょう)
『長恨歌』の一部抜粋です。秋の夜に関するところを。
最後の一行前は、死ぬ前の玄宗皇帝と楊貴妃が交わした約束なのですって。
比翼の鳥も連理の枝も、二つで一対。
昔の人は心が雄大です。
恋の歌にも「志」が見えますね!
by 詩人の血 (2011-10-31 15:54)