秋心 [いろんなブンガク]
きみがために衣装に薫(たきもの)すれども、
(あなたのために衣装にかぐわしい香をたきこめても)
きみ蘭麝(らんじゃ)を聞(か)ぎながら馨香(けいきょう)ならずとおもへり。
(あなたはそれももはや、別に良い香りだとも思わなくなってしまった)
きみがために容色を事とすれども、
(あなたのために念入りに化粧を施すけれども)
きみ金翠(きんすい)を見ながら顔色なしとおもへり。
(金や翡翠の髪飾りを見てももはや美しいと思わなくなってしまった)
『白氏文集』より。
「秋心」とはすなわち、心変わりのことです。
秋になりましたね。
by sig (2011-09-07 08:25)