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恋の思い出 [Livre de fleurs]

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チョコレートコスモスは、ほかのコスモスと同じくメキシコ原産なのですって。

淡いピンクや白、濃いピンクのコスモスも素敵だけれど、この色により惹かれます。
日本では秋桜、と書くのですね。花弁が桜に似ているから、だそうで。

秋の風になよやかに揺らめく姿は、誘惑をうけるあやうい少女のようです。

コスモスとはもとはギリシア語で「調和」「秩序」「美しさ」を意味し、
カオス(混沌)の反意語です。


大航海時代まではヨーロッパにはない花だったので、ギリシア神話はなし、ですね。
ヒマワリと同様。


チョコレートのにおいがするんですって。
嗅いでみたけど、ちょっとよくわからなかったです(笑)


花言葉は、 「恋の思い出」 とか 「恋の終わり」。



恋の終わりは、はかなく甘く、ほろ苦く?











************************






今週前半はなんか時間が取れないので、あすかあさってあたりにお会いしましょう~

太陽の化身~ひまわり~ [Livre de fleurs]

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ゴッホはたった10年間の画家生活で、数多くの絵を描いたのにもかかわらず、
生前に売れた絵はたった1枚でした。

精神を病んでしまうほどに純粋だった彼が、光を求めて向かった地が、アルルでした。
ここで彼はゴーギャンと共同生活を試みます。
ゴーギャンが到着する日まで、彼の部屋を光で満たそうと、たくさんのひまわりを描きました。
そのうちの1枚が、安田火災海上保険が買い取ったもの。
バブルな頃とはいえ、58億円でしたか?すごい額です。

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下世話な話はさておき・・・・

ゴッホはひまわりをアルルで7枚、パリで5枚は描いたようです。

アルルで描いたひまわりは、友人に対する友情と敬意の証だったんですね・・・。

ゴーギャンのひまわりは、暗い色調です。
彼はよく自画像を描きましたが、これも自画像ですね。
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静物を描いても人物が一緒に描かれるようですね。

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モネのひまわりはきれいです。
こちら。
http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-07-13-1

生活に窮乏していた時期に描いたものであっても、明るく生命力に満ちた色彩です。
この下の絵はあまり明るくないですが^^;;
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クリムトのひまわりは主役ではなくて・・・
どちらかと言えば、ほかの花たちとの調和を楽しんでいるようです。

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ひまわりは北アメリカ原産で、ネイティヴアメリカンの食用作物だったのですって。
食用だけでなく、染料にしたり、傷口に塗ったり、髪にオイルをつけたりと・・・万能です!

古代あすてかでは、赤いひまわりがあって、太陽の化身と言われたそうです。
赤いひまわりは現在はメキシコあたりでみられるそうですよ。

ヨーロッパではスペインで初めて栽培されたのです。
そう言えばあのアンダルシアのひまわり畑・・・元祖だったのですね^^

大きな花に見えますが、小さな花がたくさん集まっているのです。
大きな花として虫をおびき寄せるのです。

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太陽の動きに合わせて回るのは、花が咲くまでだそうです。
花が咲くとずっと東を向いているとか。

アンデスでは、太陽信仰と結びついて太陽の化身とみなされました。
だから太陽神殿の巫女たちは、ひまわりの冠をかぶっていたのですって。

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花言葉は、「あこがれ、崇拝、光輝」。

太陽を見つめることから、「私はあなただけを見つめています」。

夏にぴったりの、見ているだけで元気が出そうな花です。

Lotus + Water lily [Livre de fleurs]

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花に詳しい方でなければ、蓮と睡蓮の区別はちょっと難しいです。

一般的に水面より上に咲くのが蓮、水面に咲くのが睡蓮だそうですが、100%の区別法ではないらしいです。

まずは睡蓮。
モネが愛した花ですよね。
夜は花を閉じ、昼に咲くために「眠れる蓮」と言う意味の名前が付けられました。
でも、蓮も夜閉じて昼咲きますよね・・・。う~ん。

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モネの家の庭。


仏教で言う蓮とは、睡蓮のことだそうです。
あ、そうだ!葉っぱがあったんですよ!

葉っぱに切れ目が入っているほうが睡蓮だそうです。
蓮の葉には、切れ目がない。

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心の純潔を保ち、純情、信頼を意味する花だそうです。

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エジプトでは「ナイルの花嫁」と呼ばれていて、国花なんですって。
他にも、インド、タイ、バングラディッシュが国花にしています。


そして、蓮。

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中国では、「ハスは泥より出て泥に染まらず」と古くから言われています。
泥の中からすっと水面上に出てきて、清らかな花を咲かす、その姿が仏教の教えによく合っていたそうです。
たしかに、俗世に汚れても清廉であり続けるというようなイメージはありますね。

『白氏文集』にも、

   はちすの露はまろなりといへども、あにこれ珠ならんや
(蓮の葉の上の露は真ん丸なのだが、どうして、これは真珠ではないね)

と詠まれています。

波乱万丈の半生を歩んできてなお、しゃんと背筋を伸ばして生きている美女のようですw

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上村松篁 『蓮』


それに葉っぱは、「ロータス効果」と呼ばれる撥水性があります。
・・・サトイモ効果じゃないんですね( ´艸`)
水玉がコロコロ転がります。汚れないのです。

大学のころ、蓮の花を見るためだけに早起きして、平安神宮の夏の庭に何度か行きました。
朝の透き通った空気の中で咲き誇る蓮は、見ていてすがすがしい気持ちになりました。

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お香にも、「荷葉」という香りがあります。蓮の葉をイメージした香りです。

食用としても用いられます。
茎はサラダ、芽はお茶に、種は食用で生薬にも。
葉っぱは、ちまきにしたり、直接刻んで混ぜご飯にしたりもします。

レンコン、大好き~~

[ハート]


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宝石にも名前が付けられています。
不思議な色をしたサファイア。
パパラチア。
スリランカ語で「ハスのつぼみ」を意味するのです。
↓       ↓       ↓       ↓
http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-04-10-25

「蓮の葉女」→はすっぱで、お転婆、生意気、浮気性などを意味するそうです。

ちなみに古代インドでは・・・・

バドミニ=蓮女、といって、最高の女性を意味したそうです。
なにせ吉祥天女の象徴です。

『カーマ・スートラ』という性教育の手ほどき本のようなものに載っているそうで(興味のある方はググってみてください;;)、女性を64種類にも分類している、その最高位なんだそうです。

ちなみに最低の女性はハチスニ=象女だそうです。なんかイメージできる・・・・かも?^^;;;;

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国花にしている国は、インド、スリランカ、ヴェトナムです。
インドは、そう、睡蓮も蓮も国花なのです。

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7月の誕生花で、花言葉は「雄弁」。
清らかさの象徴です。



バラの秘密・・・ [Livre de fleurs]

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エジプトでは7000年前にすでにバラが栽培されていたそうです。
バビロニアでは紀元前3000年くらい前。宮殿で観賞用、香料用に栽培されていました。

エジプトのプトレマイオス朝では、あの有名なクレオパトラが無類のバラ好きで、シーザーやアントニウスを
誘惑するために、バラの花びらを部屋中に敷き詰めて迎えたそうです。

ギリシアでも愛されて、サッフォーやホメロスの詩の中でその美しさをたたえられています。

ローマでも同様に愛されました。以外にも有名な愛好家はあの暴君ネロです。
彼は宮殿中にバラの花びらを敷き詰め、バラのお風呂に入り、バラで香りづけされたワインを飲み、なんでも
バラ尽くしにしたそうです。

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ちょっと変わった処刑法も。@_@
部屋の中に処刑したい人を通します。そして、ひもを引くと天井が落ちて、そこからバラの花びらが
落ちてくるのです。バラの香気に埋もれて、窒息死するという・・・。⊂´⌒∠;゚Д゚)ゝ。。。
ヘリオガバルスが行いました。

ローマ帝国分裂後は、イスラム社会で愛されました。
そして十字軍によってヨーロッパにもたらされたそうです。
ヨーロッパでは宗教と結び付けられ、一般人の栽培を禁止されたそうです。
バラは教会や修道院で、薬草として栽培されました。

ルネッサンス期になると、再びバラは庶民のものに。

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ボッティチェリの『プリマヴェーラ』では、春の女神プリマヴェーラ(右から3番目)が、バラの花を
まき散らしています。

現代のバラの発達のキーパーソンはフランスにいます。ナポレオンの皇妃ジョゼフィーヌです。
ちなみに彼女のミドルネームはローズなのですw

彼女はパリ郊外のマルメゾン宮殿の庭に300種類ものバラを集めます。
そして宮廷画家だったルドゥーテに、それらの絵を描かせて、『バラ図鑑』を完成させたのです。
ナポレオンが戦争に出かけている間にも、せっせとバラ集め。女性はいつの時代も同じですねw

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中国でも古くから観賞用としいて愛されました。
『白氏文集』のなかで、春に仕込んだ酒が熟すころに、薔薇(そうび)が階段の下で開き始めるね、という、
初夏の名句として読まれています。

日本には奈良時代ごろから文献に見られます。
茨(むばら、うばら)と呼ばれていました。
もちろん、現代のようなバラではなくて、野ばらでした。

そして唐文化の影響を受け、「薔薇(さうび)」と呼ばれるようになり、
寝殿造りのお邸の階段の下に植えられたようです。
『枕草子』や『源氏物語』にもそんな記述がみられます。

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・・・・ところで、古代ローマに話を戻しますよ。

バラは愛と喜びと美と純潔の象徴でした。
でも「ひみつ」の意味もあるのです。

キューピッドがいたずらで放った愛の矢が、母親であるヴィーナスに当たってしまいます。そしてヴィーナスは、そのせいで恋に落ちて、恋人と密会するのです。

ヴィーナスは愛の女神ですから、愛の花=バラを天井から一輪吊るしたその下で話すことは、「秘密にしてね」
という暗黙の了解が生まれたそうです。

だから天井にバラの絵を描いたり壁に彫刻を施した部屋で宴会をしたんですって。
当時の宴会は、それはもうひどい(笑)ものでしたから・・・・。
無礼講も秘密で。

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"under the rose"という言葉があります。これも「秘密」という意味があるのです。
なぜかというと、古代ギリシアの軍隊が、戦略をバラ園で密かに立てて、ペルシア軍に勝ったことに
由来するのですって。ラテン語では"sub rose"。

バラの慣用句は、こんなものもあります。

the rose of the party・・・パーティで一番の美女。
a path strewn with roses・・・安楽な人生
an English rose・・・イギリス美女。
the blue rose・・・不可能なこと。
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「ローズライン」も忘れてはいけません。
北極と南極を結ぶ架空の線のことです(いわば経線)。

今はグリニッジが本初子午線に定められていますが、19世紀末には実は11本も本初子午線があったの
ですって。でもパリの子午線が元祖なのですよ。

パリには135個の青銅のメタルがはめ込んであり、それらを結ぶと一本の線が出来上がります。

roseline.jpgそれがパリ子午線です。

どうして「ローズ」ラインなのかというと・・・・

昔、大航海時代に欠かせなかったものは羅針盤ですね。羅針盤は「風のバラ」と呼ばれ、32の風向きを
表していたのです。

バラは人を正しい方向に導いてくれるものの象徴でもあったらしいので、そうなったようです。
そういえば教会のバラ窓も、そこから日の光が差し込んで祭壇に当たるように設計されているんでしたね。

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フランスでは王家のシンボルはユリの花ですが、イギリスではバラです。
ばら戦争。やたら優雅なイメージを起こさせる戦争ですw

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そういえば、薔薇十字団(ローゼンクロイツ)という秘密結社もありますね。←知れ渡っている辺りは
「秘密結社」なのか? 疑問ですが・・・教義が秘密ってことかなww

錬金術や魔術を使って、人知れず人類の危機を救ってくれるのだそうです( ´艸`)

宝石のカット法にもあります。ローズカット。

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これはアフリカン・ヴァイオレット・トルマリン。品種改良されたバラ、マリア・カラス(オペラ歌手の名前を
つけられています)に似ていますね。

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しかし、なんといってもバラはローズ・オットー。
ローズウォーターや香水、香料の原料となります。

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薫り高きバラの最高峰です。

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バリやタイのエステでは、薔薇風呂があるらしいですね。いってみたい(●≧艸≦)゛


6月の誕生花。

花言葉は「秘密、愛、幸福、無邪気」

いろごとの意味は、

白・・・無邪気、清純、私はあなたにふさわしい
ピンク・・・上品、気品
赤・・・情熱、あなたを愛します



牡丹 [Livre de fleurs]

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「立てば芍薬、座れば牡丹」というように、昔から美人の代名詞のように言われている花。

唐の時代には「花の王」とされていました。漢方薬の材料としても用いられます。

なよやかな美女のようで、半面、刺青のデザインとしても人気です。
たぶん、相反するイメージはこんな感じ?
   ↓           ↓

牡丹=男気  or  牡丹=美人

私は後者のイメージが強いですw

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白居易が、美人を牡丹にたとえています。

「怪しぶことなかれ 紅巾の面をさしかくいて 咲(わら)ふことを

春の風は吹きほころぼす 牡丹の花」


→ 妓女が紅色の薄絹で顔を隠して 微笑んでいます。
 その姿が、まるで春風にほころぶ牡丹の花のようだからといって、
 彼女を 牡丹とまちがって、あやしんではいけませんよ。


この妓女は、赤い牡丹か、あるいは濃いピンクか、薄いピンクか。

華やかな美人なのでしょうね。

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高校生の時に、日本三大怪談の一つとして読みました。
『牡丹燈籠』を読んでこのイメージが定着したみたいです。

お露は、新三郎に片思いをして焦がれ死にます。
お露の後を追って死んだ下女とともに、よなよな牡丹燈籠のほのかな明かりを頼りにして、
新三郎を訪れます。

新三郎は美しいお露にほれ込み、二人は恋に落ちるのです。
でもある日、新三郎の下男が、骸骨と愛を語り合う新三郎を目撃します。
お露がこの世の女ではないとわかった新三郎はお札を貼るのですが、
下男の裏切りでお露を中に入れてしまいます。

夜が明けるころ、新三郎はお露についていきます。
そしてお露の墓の中で、彼はお露の遺骨を抱きしめて死んでいるのが発見されるのです。

このお露は、なんか、白牡丹のイメージです。
美しいけれど、派手さはなくて、どこか怪しげな。

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なんとも怪しいお話です。落語の小話として作られたそうですが、もともとは中国の怪談話集、
『聊斎志異』からの引用です。

元の時代、妻を亡くした男のもとに、ある宵にふらりとやってきた美女。
それから二人はあいびきを重ねます。
でも男は日に日に生気を失ってやせ細っていくのです・・・。

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そこからは日本と同じ、というか日本が真似ているのですけれどw

恋した男を自分の棲む陰の世界に引きずり込んでしまう、なんとも恐ろしい美女ですが、
陰(いん)の世界の住人なだけに、陽の世界の住人にはますます神秘的に映ってしまうのでしょうか。

それにしても、幽霊にほれ込まれるなんて、迷惑な話ですね;;;
男が美人に弱いというところもツボかも?

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花言葉は「富貴」。まさに百花の王にふさわしい華言葉ですね。
「王者の風格」というのも。



Lilium (ユリ) [Livre de fleurs]

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ユリの花は初夏の花。トランペット状のちょっとうつむいた大輪の花を咲かせる姿は、清楚で
控えめなうつくしいひとを思い起こさせます。

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5~6世紀ごろから、ヨーロッパでは王権のシンボルとして用いられていました。
このシンボルは「フルール・ド・リ」と呼ばれます.
「リ」(lis)がフランス語でユリという意味です。ラテン語ではlilium。これがユリの学術名。
(「リス」だけど「ス」は小さいので「リ」みたいに聞こえます。)

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もっとも、このシンボルはユリではなくアイリスだとする説もありますが。
これを定着させたのはシャルルマールだと言われています。

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シャルルマール


ちなみに、フランス王家のユリは青い盾に金のフルール・ド・リ。
紋章だけではなく、マントやドレスとしてのモチーフにもなっています。

Isabeau.charlesVI.jpgシャルル6世。


これが、8~15世紀にかけて起こった、イスラム教徒からキリスト教の国土を奪回しようとする
レコンキスタとあいまって、王権だけでなくキリスト教的な意味合いも強くなってきます。
その影響により、13世紀ごろは騎士道精神のシンボルでした。

フルール・ド・リは花びらが3つに分かれて描かれますが、そのひとつひとつが知恵、信頼、騎士道精神を
象徴しているそうです。
14世紀ごろまではキリストのシンボルだったのが、次第に聖母マリアのシンボルに代わってきました。

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白百合はマドンナリリーと呼ばれ、聖母マリアをあらわします。
だから受胎告知の場面で、キリストの懐妊を報告に来る大天使ガブリエルが手にしていることがあります。

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またそのことから、ガブリエル自体のシンボルにもなっているようです。

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14世紀になるとキリスト教的意味合いに置いて、三位一体のイメージが定着します。
「3」という数字は、世界の様々な時代や文か、思想に置いて重要な意味合いを持つ数字ですね。

聖母マリアのシンボルとなってからは、純潔、清楚、貞淑といったイメージが強くなりました。
だからフランス王家の紋章として以外にも、貴婦人たちに好んで使われるモチーフとなりました。

a.anne.Marie de Medicis.jpgマリー・ド・メディシス

アジアを中心に1000種類以上もあるそうですが、その中でも日本で食用にできるのは3種類ほどで、
球根部分を食します。

昔、高校生の頃? 見よう見まねでユリ根を茹でたら、ゆですぎて溶けてしまい、鍋の中に何もなくなった
のを見て驚愕したというにがい思い出があります( ´艸`)

漢方薬としても用いられるようですね。
あ、山に咲くクロユリはめちゃ臭いにおいを放ちますが、なぜかというと、草の中で目立たないから、匂いで
目立ってハエをおびき寄せて受粉するためだそうです。

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ときどき、頭が痛くなるくらい強い香りのユリがありますね。
ゆりは優雅ですが、私は香りが苦手です>_<

パリでお墓めぐりに行ったとき、有名人ではない、一般の方のお墓に、カサブランカの花束があげられて
いました。なんていうか・・・墓碑にカサブランカ、とてもよく似合っていました。

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ちなみに、lily of the valley(谷間のユリ)とは、すずらんのことですね。

花言葉はいろいろあって、国によっても多少違うようです。

日本では「あなたは私を欺けない」だそうです。
そして白いユリは「純潔」「貞淑」「無垢」「無邪気」など。

フランスの国家ですって。



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花恋い。 [Livre de fleurs]

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桜児(さくらご)の伝説をご存知ですか?

昔、桜児という名の美しい娘がいました。
この娘、その名のごとくに可憐でだれもがそばに置いて愛でたいと思わずにはいられない美しさ。

この娘に二人の熱烈な求婚者が現れます。
彼女はどちらも選べません。

ひとりを選べば、もう一方は死ぬというのです。
だからと言って二人とも夫にするわけにはいきません。

彼女は林の中に入り、さくらの木で首をくくって死んでしまいました。

悲しいお話です。

さくらの花は、散るからこそ人々の心をかき乱し、深く愛されるのです。
たとえば北野恒富の描く舞妓のような、みずみずしいなまめかしさを感じる花です。

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与謝野晶子は桜という文字を法名に持っています。

清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵逢うひと みな美しき


さすが浪漫派、うつくしい歌です。
ただ単に夜桜の幻想的な美しさに感動しただけではなくて、心が浮き立っているような、恋している
ような、そんな軽やかで幸せそうな印象を持ちます。

さくらのはんなりと色づくうす紅色は、夜の闇にまるでぼんやりと発光しているかのように蒼白くさえ
見えることがあります。

ライトアップされている様子もきれいだけれど・・・・・

やはりなんといっても、月の光に照らし出されたさくらの美しさと言ったら、表現のしようもないくらい
美しいです。

古今、どれだけ多くの文化人たちの心をかき乱し、すばらしい作品を生んできたことでしょう。

私の最高の桜は、学生時代の京都で。
バイトでかなり遅くなった月夜の晩に、マウンテンバイクで帰宅途中。

普段ならば危険な裏路地に、つい入ってしまいました。
どうしてか?
昼間は安全な道ですが、そこにはさくらの老木が数本、狭い道の両脇に植えられていて、ちょっとした
短いさくらのトンネルができていたのです。

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でも昼間ならばひとがいるでしょう?
真夜中は、独り占めでした。

街灯1本もない真っ暗闇。
月も出ていないので、本当に道の先に道があるのかもわからない暗さ。
その真っ暗闇に、ちらり、ちらり、花びらが舞い降ります。

上を見上げれば・・・・発光したみたいな、蒼ざめた満開のさくらです。
闇とさくらと自分しか存在しない空間にいるようでした。

これをフランス人の友達に話したら、「スバラシイィィー」と大絶賛されましたが、さくらは何も日本人だけを
感動させるわけではないようです。

アメリカにお嫁に行った友達は、テキサスのど田舎なのでさくらが見られないと残念がっていました。
さくらのかわりに、アーモンドの花が咲くとさくらを思い出すのだそうです。

ヤマトナデシコとは両極端にいるような彼女でさえも、春になればさくらが恋しいと言います。

日本の自生種は15種類ほど。でも交配・改良された里桜となると、200種類ほど。
ソメイヨシノは大島桜とエドヒガンの偶然の交配によって生まれた品種。


花戦(はないくさ:花軍とも)は、芸妓どうしの美しさを競うこと。

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「桜の木の下には死体が埋まってゐる!!」と書いたのは、梶井基次郎。

「のどかな春の日差しの中、散るさくらを眺めていると、なぜにこうも心が乱れるのだろう・・・・」と
詠んだのは紀貫之。

平安の上級貴族が好んで着る、海老染めと二藍の衣を重ねたコーディネイトは、「桜がさね」と呼ばれます。

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能楽の大成者である世阿弥は、『風姿花伝』の中で、「秘すれば、華」と言っています。
これは現代の役者たちも愛読者がいるという、演技の参考になる本です。
華やかさというのは、表現しようと派手にふるまえばできるというものではない。
内に秘めて演じてこそ、そこはかとない華が表現できるのだ・・・・というような意味。

西行は大阪の南河内のお寺に住んでいても、桜前線とともにさくらを追って
北上の旅をしてしまいますw

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坂口安吾の『桜の森の満開の下』も忘れがたい作品です。

鈴鹿峠にさらわれてきた姫君は鬼の化身。
盗賊をたぶらかして、人を喰らう・・・・

ただの幻想文学ではなくて、戦争という脅威に対する抗議の感情から書かれたのです。
妖しく残酷なものの象徴。

時代によって人々の愛で方は違えども、満開の状態をどうにかしてとどめたい、独り占めしたいと
おもう気持ち・・・・花恋いの気持ちは変わらないのでしょうね。
DNAに組み込まれているのかも? ww

現代ならばさしずめ写真ですね。
みなさんのブログでも、美しいさくらがたくさん見られて、桜前線がまだ上がってこない地域に住む
私でも、さくらの美しさを堪能できています( ´艸`)

みなさんは、どんな花恋い、なさっているのですか?




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椿 [Livre de fleurs]

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アレクサンドrノ・デュマの『椿姫』は、何度でも読み返してしまう愛読書の一つです。
自分が年を取っていくたびに、初めて読んだ10代のころとは違う印象を受け、気付かなかったことにふと
気付くことがあります。

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享楽的できらびやかな毎日を送っていた高級娼婦。
彼女は月の25日は胸に白い椿の花を、5日は赤い椿をつけています。
白い椿は「よろしくてよ」、赤い椿は「休業中ですの」というサインです。

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宝石もドレスもぜいたくな暮らしも、望めば何でも手に入る彼女は、そんな生活に飽き飽きしていました。
でもある日、純真な青年と出会ってはじめて、本気の恋に落ちるのです。

彼のまっすぐな愛情は、彼女の胸に深く響きました。
でも、二人の仲を知った彼の父親は、どうか息子のために別れてほしいと彼女に言うのです。
彼女は納得します。でも彼は納得せず激昂します。

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ヴェルディのオペラでは、主人公は「すみれ」という名前でしたね。

彼女は若く美しいのに、胸の病に侵されていて、自分の死期が近いことを悟り、彼のために身を引く
決心をするのです。

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小説の最後のほうは、日記形式になっていて、病に侵されながら弱ってゆく主人公の姿が描かれています。
本当は別れたくないのに相手のためを思って別れた彼女が、病気のために気弱になって、会いたいおもいを
つのらせます。このあたりで、心に響かない人はいないのではないでしょうか?

椿の花は、どこかそんな不幸な翳りをもっているように思えます。

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実は『椿姫』は、デュマの実体験をもとに書かれたものです。
父親は有名な作家、その私生児として生まれた彼は、父親の金で遊びまわる放蕩息子。
そして20歳の時、運命の出会いをします。

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マリー・デュプレシという、気品と優美をあわせもった同い年の高級娼婦と恋に落ちたのです。
でも彼女は、23歳の若さで結核で亡くなってしまいます。

デュマは24歳の時に、彼女の思い出をもとに『椿姫』を書き上げました。
放蕩息子もやはり父親の才能を受け継いでいたのでしょう。

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恋愛は芸術とは切り離せない要素だと思います。
甘やかな感情も切なさも昂揚感も、苦しみも悲しみもすべてがすぐれた作品を生み出すのです。

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椿の花は、バラほどの華やかさはないし、ユリほどの香りもありません。
でもどことなく品格があって、おもわず目を留めずにはいられない妖しい魅力があります。

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似たような花としてサザンカがありますが、サザンカがひらひらと花びらを散らすのに対して、椿はひとつの
花ごと、ぽとりと落ちます。

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風もない日の午後、ぽとりと花が落ちる姿を見ると、はっと胸が締め付けられるようです。
どことなく、はかなさを感じさせずにはいられない花。

東アジアから東南アジアにかけて自生します。
ヨーロッパには18世紀ごろにもたらされたそうです。

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花を愛でられるばかりでなく、その油は昔は明かりのために使われたり、あるいは現代でも髪のために
使われたりします。つややかな黒髪の手入れには、欠かせないものです。

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椿の木で作られたクシも使ううちに油がにじみ出て、髪をつやつやに整えてくれます。

この記事を書くにあたって、補足のために花言葉を調べてみたのですが、たくさんありすぎて驚きました。
やはり国や文化、見る人の印象によって、イメージが違ってくるのでしょうね。

白・・・・冷ややかな美しさ、完全なる愛らしさ
赤・・・控えめな愛、気取りのない愛らしさ

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色に関係なく、椿自体としては、「理想の愛」。

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デュマが亡き恋人に椿の花のイメージを重ねたことが、わかるような気がします。
彼によって彼女は、永遠に文学の中に行き続け、時を超えて世界中の人々にその存在を知らしめ
続けています。

椿の花は冬から5月くらいまでは見ることができますね。



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むめ。 [Livre de fleurs]

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『古今和歌集』までは、「花」といえば梅を意味していました。
でもね、平安時代中期ごろになると、いつしか貴族が庭に山桜を植えることを好み始めたのですよ。
また、さくらのことはのちに詳しく書こうとは思うのですが、今回は梅なので、さらりと表面だけ。

平安貴族はさくらに熱狂して、いつしか「花」といえばさくらのことになってしまいました。
平安時代の後期に生まれ、ぜんそくもちの一見ひよわでありながらも、父親と同じで長生きして、平家の
興亡から頼朝の子供たちの時代までを見守った歌人・藤原定家が編集した『新古今和歌集』では、すでに
その主役の座をさくらにゆずっています。(源実朝の歌の師匠なんですよ、定家は)

a.mume.yasudayukihiko2.jpg上の2枚は安田靫彦

ひとはいさ 心も知らずふるさとの 花のぞむかしの 香ににほひける


紀貫之が、昔馴染みに送った歌です。

「あなたのお心はさぁ、どうだかわかりませんが、昔からなじみのこの里の梅の花は、相変わらず
よい香りを放っておりますよ」

・・・といういみで、人は心変わりしても、梅の花の香りはずっと変わらない、ということをいった秀逸な
歌です。

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貫之君のイトコ、友則君ももちろん、負けませんよ。
彼も三十六歌仙のひとりですからね。

きみならで たれにか見せむ梅の花 色をも香をも 知る人ぞ知る


「あなた以外の誰に見せましょうか、この見事な梅の花の、色も香りも。風流を解するあなただけが、
ほんとうに理解してくれるのですから」

これはたぶん、風流仲間に送った歌のようですが、好きな人にこっそりこう詠みかけても、意味は
(また別ですが)通らなくもないですね^^ これは紅梅のことを詠んだようですね。

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香をとめて たれ折らざらむ梅の花 あやなし霞たち な隠しそ
 

こちらは凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)。彼は思い悩んだ恋の歌がお上手ですが、こんな幻想的な
歌もお上手です^^ こちらは清楚な白梅。

「香りをたどっていけば、そこに梅の花があるのはすぐわかりますよ。それを見つけたら、折らずに
いられましょうか? 春霞よ、無駄なことだから、白梅の花を隠そうとするのは、おやめなさい」

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平安時代の梅、といえばこの方も忘れてはいけないですね。
菅原道真。ある意味、藤原摂関政治の犠牲者。無実の罪で左遷され、不運の死を遂げて悪霊になったと
いわれますが。北野天満宮に神として祀られ、いまでは学問の神様として知られています。

不運の道真公はこちら→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-10-20-2

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ちょっと桜に似ているのは、梅がバラ科サクラ属だから。

茨城県の県木なのですw (県花は、もちろんバラですヨ)
水戸の偕楽園の梅が全国的に有名ですね~。

梅雨(つゆ)とは、梅の実がなるころに降る、雨だから。

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さてさて、知識不足だから、Wikiってみました。挿入させていただきます。

『別名に好文木(こうぶんぼく)、春告草(はるつげぐさ)、木の花(このはな)、初名草(はつなぐさ)、
香散見草(かざみぐさ)、風待草(かぜまちぐさ)、匂草(においぐさ)などがある。』 だそうです。

どれもきれいな名前ですねぇ。 おおお!すごいことも載っていました!!!!

またまた挿入させていただきます。

『中国では紀元前から酸味料として用いられており、塩とともに最古の調味料だとされている。日本語でも使われる良い味加減や調整を意味する単語「塩梅(あんばい)」とは、元々はウメと塩による味付けが美味くいったこと示した言葉である』

a.mume.uemurasyoukou.jpg上村松篁です。

すごい! 梅干を漬けるときの塩加減のことだと思っていました!

あ、Wikiにも載っていましたけれど、なぜ私が「むめ」としたかは、日本語の音の転換によるものですね。

ぷらむ → んむ → うむ → むめ → んめ → うめ ・・・・みたいな。

花言葉は 「上品、気品、忠実、あでやかさ、高潔」。

うちの庭のうめはまだなので、写真はありません。
かわりに買い物に行った時に見つけた梅グッズでww

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かわいい梅の姿は、みなさんのブログでお写真を拝見します( ´艸`)

あかきむめ、しろきむめ、いまがさかりなり~。



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