Lilium (ユリ) [Livre de fleurs]
ユリの花は初夏の花。トランペット状のちょっとうつむいた大輪の花を咲かせる姿は、清楚で
控えめなうつくしいひとを思い起こさせます。
5~6世紀ごろから、ヨーロッパでは王権のシンボルとして用いられていました。
このシンボルは「フルール・ド・リ」と呼ばれます.
「リ」(lis)がフランス語でユリという意味です。ラテン語ではlilium。これがユリの学術名。
(「リス」だけど「ス」は小さいので「リ」みたいに聞こえます。)
もっとも、このシンボルはユリではなくアイリスだとする説もありますが。
これを定着させたのはシャルルマールだと言われています。
シャルルマール
ちなみに、フランス王家のユリは青い盾に金のフルール・ド・リ。
紋章だけではなく、マントやドレスとしてのモチーフにもなっています。
シャルル6世。
これが、8~15世紀にかけて起こった、イスラム教徒からキリスト教の国土を奪回しようとする
レコンキスタとあいまって、王権だけでなくキリスト教的な意味合いも強くなってきます。
その影響により、13世紀ごろは騎士道精神のシンボルでした。
フルール・ド・リは花びらが3つに分かれて描かれますが、そのひとつひとつが知恵、信頼、騎士道精神を
象徴しているそうです。
14世紀ごろまではキリストのシンボルだったのが、次第に聖母マリアのシンボルに代わってきました。
白百合はマドンナリリーと呼ばれ、聖母マリアをあらわします。
だから受胎告知の場面で、キリストの懐妊を報告に来る大天使ガブリエルが手にしていることがあります。
またそのことから、ガブリエル自体のシンボルにもなっているようです。
14世紀になるとキリスト教的意味合いに置いて、三位一体のイメージが定着します。
「3」という数字は、世界の様々な時代や文か、思想に置いて重要な意味合いを持つ数字ですね。
聖母マリアのシンボルとなってからは、純潔、清楚、貞淑といったイメージが強くなりました。
だからフランス王家の紋章として以外にも、貴婦人たちに好んで使われるモチーフとなりました。
マリー・ド・メディシス
アジアを中心に1000種類以上もあるそうですが、その中でも日本で食用にできるのは3種類ほどで、
球根部分を食します。
昔、高校生の頃? 見よう見まねでユリ根を茹でたら、ゆですぎて溶けてしまい、鍋の中に何もなくなった
のを見て驚愕したというにがい思い出があります( ´艸`)
漢方薬としても用いられるようですね。
あ、山に咲くクロユリはめちゃ臭いにおいを放ちますが、なぜかというと、草の中で目立たないから、匂いで
目立ってハエをおびき寄せて受粉するためだそうです。
ときどき、頭が痛くなるくらい強い香りのユリがありますね。
ゆりは優雅ですが、私は香りが苦手です>_<
パリでお墓めぐりに行ったとき、有名人ではない、一般の方のお墓に、カサブランカの花束があげられて
いました。なんていうか・・・墓碑にカサブランカ、とてもよく似合っていました。
ちなみに、lily of the valley(谷間のユリ)とは、すずらんのことですね。
花言葉はいろいろあって、国によっても多少違うようです。
日本では「あなたは私を欺けない」だそうです。
そして白いユリは「純潔」「貞淑」「無垢」「無邪気」など。
フランスの国家ですって。
お花を生けるときは、花粉で汚れないように手でとったりすると厄介はお花なのですが、やはり華麗できれいなお花ですよね。
by あきら (2012-05-14 00:10)
おはようございます。
ユリの花はほんとに、清楚な雰囲気の花ですね。
遠くから漂ってくる匂いも良いです。
by ryuyokaonhachioj (2012-05-14 05:36)
カトリックでは5月は聖母の月、ユリはその象徴の花です。
by 風太郎 (2012-05-14 06:19)
ゆりの飾ってある部屋に寝ていて
香りで具合が悪くなったことがあります^^;
いい香りなんですけどね
by chima (2012-05-14 07:00)
私の名前「かゆり」で、ユリが入ってるんですが、ひらがななのでなかなか気づいてもらえません(-o-;)
花言葉とはかなりかけ離れてるので、しょーがないか…(((^_^;)
by リキマルコ (2012-05-14 07:48)
時代によって象徴の意味合いがかわっていく、
時代を見てきたお花ですね。
花屋さんでアルバイトしているときは、花びらが汚れてしますので、
開いたら花粉をとるように言われていましたっけ。
by nana_hyr (2012-05-14 13:27)
湿疹大丈夫ですか?
私のは、ストレスから来たようで、点滴までするはめに。
あれこれ調べられてます・・・・。
by arles (2012-05-14 13:56)
ユリの花の開き方って雰囲気あって素敵ですよね。^^
by びくとる (2012-05-14 14:49)
ゆりはとても清楚でいて、しっかりした個性をもった花という印象を受けます。その存在感の大きさは漂ってくる香りからも放たれているのでしょうね。
by ラン (2012-05-14 15:52)
百合根、美味しいですよね!
茹で過ぎると溶けてしまうとう事実に∑( ̄Д ̄;)
わたしもウッカリやっちゃいそう〜
by にこまんま (2012-05-14 18:16)
いつもながらよく調べられておられるのに感心します。
ところで「文か」は「文化」のだと思います。
細かい指摘をして済みません。
by 岩崎ナギ (2012-05-14 19:34)
百合は綺麗ですが、香りが強いものは部屋の中には
置いておけません。頂いた時には外に置いてます。
だから自分では買う事はありませんよ。見ている分には
とても好きです。
by kiko1578 (2012-05-14 20:03)
これから暑くなって夏に向かう頃には香りが強くて花粉が着くと取れないくらいの山百合が咲き出しますが見た目はとても綺麗なんですよ。
また今年もゆりが咲く頃には掛川のゆりの公園へ行って写して来たいと思います。
今では色の豊富なんですよね。
by 馬爺 (2012-05-14 21:06)
百合の香りはバラに匹敵するか、それ以上の香りがありますね。
ヤマユリを毎年見に行きますが、あま~い香りでどこに咲いているかすぐに分かります。^^
大輪の花は見応え十分です。
by Atwight (2012-05-14 21:26)
ユリの香り、私も苦手です。素敵だけど買わないお花なんです。
私にとってはゴージャスな・煌びやかなイメージですが、
欧州では清楚なイメージなのですね。意外(´゚ェ゚`)
by φ(・ω・)かきかき (2012-05-14 23:32)