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W・クレインの世界~イラスト編~ [Paintings]

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リヴァプール出身の画家、ウォルター・クレイン。
今回はイラスト編です。

実はこの前のポセイドンの回の一番上の白馬の波の絵も、同じ画家の絵ですが・・・

子供の本の挿絵もとてもかわいいです。

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たとえば、誰でも知っているお話、『赤ずきん』。

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おばあさんに化けたオオカミがベッドにいます。子供心にはらはらドキドキした物語ですよね。
これは何のお話でしょうか?
従僕が全員わんこですね。

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教本にも挿絵を描いているようです。

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日本で言えば「あいうえお」本のようなかんじ?
4,5歳くらいの子が見る本でしょうか。かわいい妖精たちw

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これは”T"の文字のページでしょうか? とてもキレイ。

日本の浮世絵を研究していたらしいので、そのタッチがイラストにはよく反映されたようです。

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文字もイラストに一体化したスタイルって、かわいいですね。

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絵本は、簡単な文章が多いので、英語を勉強している方にはいい教材になりますね。
そのうえこんなにキレイなイラストがついていれば、子供でなくてもうっとりしますw

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おやこで楽しむのも良いかもしれませんね^^











Walter Crane: The Arts and Crafts, Painting, and Politics (The Paul Mellon Centre for Studies in British Art)

Walter Crane: The Arts and Crafts, Painting, and Politics (The Paul Mellon Centre for Studies in British Art)

  • 作者: Morna O'Neill
  • 出版社/メーカー: Paul Mellon Centre BA
  • 発売日: 2011/03/08
  • メディア: ハードカバー



Harmonious Tarot/Romantisches Tarot

Harmonious Tarot/Romantisches Tarot

  • 作者: Walter Crane
  • 出版社/メーカー: Lo Scarabeo
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: カード



Flora's Feast: A Fairy's Festival of Flowers in Full Color

Flora's Feast: A Fairy's Festival of Flowers in Full Color

  • 作者: Walter Crane
  • 出版社/メーカー: Dover Publications
  • 発売日: 2002/02/19
  • メディア: ペーパーバック



A Flower Wedding: Described by Two Wallflowers

A Flower Wedding: Described by Two Wallflowers

  • 作者: Walter Crane
  • 出版社/メーカー: Victoria & Albert Museum
  • 発売日: 2011/02/01
  • メディア: ハードカバー



Silence [Paintings]

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フェルナン・クノップフ(1858-1921)はベルギーの画家です。

父は次席検事、彼は小さいころから絵が好きで、美術アカデミーに入学します。
もっぱらのモデルは妹のマルグリット。

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マルグリットの肖像


チーターの体の美女のスフィンクスで有名です。
彼のテーマは悪女と聖女、相反するしかし一体のものです。

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そして20世紀の画家らしくというか、時代をうまく利用したというか、彼は写真を撮ってそれを
描くということも好んだようです。

これは『沈黙』という絵です。
何やら下からのアングルが謎めいた美しさをかもしだしているパステル画です。
これも写真をもとに描かれたようです。

最初私は男性だと思っていました。
でもこれは女性だそうです。

なんていうか、中性的なところが、ミステリアスな魅力なのかもしれませんね。

こいさんいとさん [Paintings]

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北野恒富。

大阪で言う、長女と末娘のことだそうです。
関西に少し住んでいたけれど、この言い方は知りませんでした。

どちらが長女なのかは、着ている着物の雰囲気やしぐさでわかりますね。
そう、向かって右手の黒い着物がお姉さん。
落ち着いた雰囲気が出ています。

いっぽう、向かって左手が末の妹。
妹らしいおちゃめさが出ています。

姉妹のおしゃべりが聴こえてきそうです。
たくさんしゃべるのは妹。それを姉がうんうんときいている・・・みたいな。

私には姉妹がいませんが、一緒に育った従妹が妹のようなものです。
あ、というか、姉のようなものですww
私より年下だけど、はるかにしっかりしていますw

『細雪』、ちゃんと読まなくてはw

Adorazione dei Magi  [Paintings]

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『三王礼拝』と日本語では訳されるそうです。

キリストが誕生したとき、星に導かれて東方の三博士が祝いに訪れたという場面で、ダ・ヴィンチや
フィリッポリッピも描いていますが、これはボティッチェリが1475年に描いたものです。

で、何がどうかというと、ボティッチェリはメディチ家のお世話になって絵を描いていたので、この絵の中には
メディチ家の人々や当時の文化人、この絵の依頼人、そして自分自身をも描いているという点が
面白いですね。

生まれたばかりのキリストに祝福を与える三人の賢者たちは、若さ、成熟、老いという人間の生の過程を
象徴して描くことが定番だそうで。3人で一人の人間をあらわすのだそうです。

それぞれがお祝いの品として、黄金、没薬(もつやく)、乳香を持っています。
それぞれがイエスの王権、死、神性を意味するのですって。

では、番号を付けて誰がどこにいるのか見てみましょうね。

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1・・・ロレンツォ。

2・・・三人の賢人は左からコジモ、その息子ピエロ、そしてジョヴァンニ。

3・・・ジュリアーノ。

4・・・この絵の依頼者でピエロの友人、デル・ラーマ。

5・・・ボティッチェリ本人。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のために描いたそうです。
ちなみに、このように宗教的なテーマで一族を一枚の絵に描きこむという手法は、
この時代に流行していたそうですよ。

これ、当時の人が見たら「あ、あそこに誰それがいるね」なんて、すぐにわかって楽しかったかも
しれませんねw

ボティッチェリ、けっこう男前。

モネの『ヴェトゥイユの画家の庭』 [Paintings]

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セーヌ下流の小さな村、ヴェトゥイユ。


モネが一とき住んだ家は、ゆるやかな坂の上にありました。



その頃はまだ生活が厳しくて、家族に楽をさせてあげられない毎日。


39歳の時にこの家で、


妻のカミーユが亡くなりました。


次男の産後の肥立ちが悪くて命を落としたのです




画家の家にはアリス・オシュデとその6人の子たちも住んでいて


・・・オシュデはかつてのモネのパトロンだったけれど


破産して妻子を置いて国外へ逃げてしまったのです


オシュデの妻と子供たちを、モネは引き取ったのです



この絵はカミーユの死後2年して描かれました


坂の途中の男児は、アリスの4歳の息子のジャン=ピエール。


坂を上りきったところには、アリスと、モネの二男のミシェル。


のちにアリスと再婚しますが


「モデルを入れたら出ていく」という嫉妬深いアリスと


11年も関係をうやむやにしたまま、モネは深く悩みました



合計8人の子供たちとアリスを養っていかなくては。


でも生活は苦しくて…


この絵が描かれた後、1880年代にやっと希望の光が見え始めたのです。



この夏の日の明るさは、彼のどんな気持ちを表しているのでしょう?


二つの聖母像 [Paintings]

ボッティチェリ(1445-1510)は、ルネサンスを代表する画家の一人であることはご存知でしょう。
彼の作品の数々は名作として有名です。

そのなかでも今回は二つの聖母像をご紹介します。

まずは『ザクロの聖母』。

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聖母マリアは赤い衣をまとっていることが宗教画のお決まりですが、ほかにもいくつかのお決まりが
見られますね。

夢のように美しい天使たちに囲まれる、キリストを抱いた聖母。
天使たちは愛の象徴のバラ、純潔の象徴のユリを持っています。
降り注ぐ天の光の下で、美しい天使たちに囲まれながらも、幼子を抱いたマリアは浮かない表情。

彼女が幼子とともに手にしているのはザクロ。
ザクロは、多産、豊穣、教会そのものを表すキリスト教にはなくてはならないシンボルの一つです。
種子は死んでも新しい芽を吹くことから、再生と不死への希望のシンボルとされているそうですよ。

母が浮かない表情なのは、わが子のこれからの受難を知っているからかのようです。


そしてもう一つは『マニフィカトの聖母』・・・こちらのほうが少し前に描かれたのですが。
聖母マリアをほめたたえる歌、「マニフィカト」の書かれた書物が、幼子と聖母の手元に描かれています。

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Magnificat anima mea Dominum
(わが魂は主をたたえる)

書物にはそう書いてあります。

聖母の表情の美しさをご覧あれ。モデルがいるのです。

繊細な黄金の太陽の光と星の冠を、美しき天使たちが聖母の頭上に掲げます。
クリスチャンでなくとも心打たれる美しさです。




運命の輪 [Paintings]

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バーンジョーンズの『運命の輪』。


左手の女性は運命の女神モイラ。

右手には3人の男性。


一番上は奴隷。

奴隷に頭を踏みつけられているのは王。

王の下は勝者。


女神はそのたおやかな手で

運命の車輪を容赦なく回します。


運命に翻弄される人間を表しています。

どんな身分であっても、いい人も悪い人も、

どんな栄光をつかんだ人さえも、

無常、なのです。



この絵には、オルセー美術館で会うことができます。

サラとミュシャ [Paintings]

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サラ・ベルナールは娼婦と弁護士の間に生まれました。
修道院で育ったけれど、生活のために女優と娼婦になりました。


サラについてよく知られていることは、棺の中で寝ていたことでしょう。
ベッド代わりに特注の棺に寝ていたんです。ベルギーの貴族との間に男の子を生み、
のちにその子は作家になります。


アルフォンソ・ミュシャは、今のチェコに生まれました。
貴族にパトロンとなってもらい、美術学校に通いました。

この二人を結びつけたのはずばり、「芸術」です。

1895年、無名のグラフィックデザイナーだったミュシャに、サラが舞台のポスター制作を依頼しました。年末で依頼を受けてくれるところがなかったからです。するとこれがおおあたり。

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「ジズモンダ」とう舞台のポスターはうけにうけて、ミュシャはたちまち有名になりました。

私は『黄道十二宮』などほかの絵も好きですが、ここではサラ関係に絞ります。
『黄道十二宮』はこちら。
↓   ↓   ↓    ↓
http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-04-07-2

続いて、
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「椿姫」


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「メディア」

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「トスカ」など、次々と話題のポスターを作成しました。

サラは右足にけがをして切断しても、仕事を続けていたそうです。
亡くなったとき、国葬されました。


ひとは生まれは関係ない、どう生きたかが大切なんだということを教えてくれます。
四角四面に生きるという意味ではなくて、どう世の中に影響を及ぼしたかです。

ミュシャは老後は故郷に戻り、たくさんの作品を残しました。
チェコがナチスに解体された時、国旗や切手のデザインに深くかかわっていた彼は拷問を受けました。
それがもとで78歳で世を去ったそうです。

アール・ヌーボーで二つの感性が出会ったことで、素晴らしい作品がたくさん残されました。



クリムトの『水蛇 I, II 』 [Paintings]

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クリムトの絵は官能的な絵が多いですが、この絵たちもそうですね。
水中で揺らめく二人の女性。
そう、よく見るとひとりの女性がもう一人の女性を恍惚とした表情で抱きしめています。
金の髪の質が、二人とも違うのですね。

ゆらゆらと揺らめく怪しい女性たちは、水の精でしょうか。

右下には魚もいます。

緑の水草が繊細に白い肌に映えています。

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こちらには3人の顔が描かれています。

『水蛇』について、同性愛的なイメージがあると評されますが、深読みせずに見れば、
ただ単に美しいものを描いただけかな、という気もしますww

水と流線形の女性の形状が、怪しい美しさを醸し出しています。

それに金が、ゴージャスさをプラスしています。

見るものにいろいろな想像を掻き立てさせるところが、さすがです。


クリムトの「抱擁」 [Paintings]

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クリムトの絵が好きなんです。
退廃的な豪華絢爛さ。

象徴主義に入るらしいです。
たしかに、あのぐるぐる模様は女性を表し、四角い模様は男性を表すと言います。

16世紀の日本画にも通じる美しさがあります。

男が力強く抱きしめると、なよやかな女が幸せそうに眼を閉じて、男の大きな背中にそっと手を添えています。

穏やかで、永遠があります。

添えられた手が、とてもか細いのに強い信頼を表しているように見えます。

男の背中がゆるぎない安心感を与えています。
男は男らしく、女は女らしく。
そんな絶対的安心感のある絵だと思います。






Gustav Klimt: Art Nouveau Visionary

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