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あっちゃんは東洋と西洋の混血の女の子

きれいな顔立ちをした灰色の瞳のやせっぽちの女の子

日本で生まれ育って日本語しか話せない

モデルをしたりバーテンをしたりいろんなバイトをしていた

ときどきバーで見かけて話すようになった

はきはきとして明るい女の子

ゴシップ好きの女の子たちの中にいても

決して他人の悪口を言わなかった子

でも世間に対しては辛口で

言いたいことは何でも言ってしまう子

情が厚くてお人好しで困っている人を放っておけない

あっちゃんはとてもいい子なのに

いつも悪い男にだまされていた

付き合う男は彼女の内面を見ていなくて

彼女を利用してばかり

バイトのお金も何もかも取り上げられて

ときどき腕や肩に青あざを作っても

それでも笑顔で

顔じゃなくてよかったわと言っていた

こんなんどうもないわって

やせっぽちのあっちゃんが後ろを向くと

その動きごとにTシャツの下で

肩甲骨がごつごつと痛々しいほど浮きあがる

私にはそれが彼女の羽に見えた

ぼろぼろに傷付いた天使

それがあっちゃん

ぷっつりと姿を消してそれっきり

噂では結婚して外国へ行ったとか

入院して闘病中とか薬漬けだとか

夜逃げしたとかいろいろあったけれど

だれもホントのことは知らないみたいだった

あっちゃん

満身創痍の天使

願わくばどこかで平凡な幸せの中で

笑って暮らしていてほしい

もうがりがりの少女ではなくて

ふっくらしたお母さんになっていてほしい

後になって知り合いから聞いた

あっちゃんの名前は

アンジェラだったんだね

天使の名前のあっちゃん

どうかあなたが幸せでありますように・・・

vocem

ラジオの電波のようにダイヤルを合わせれば

聴きたい声をキャッチできたらいいのにな

そうしたら私はきみにチャンネルを合わせるのに

きみの声にならない声をキャッチして

きみの考えていることがわかるのに

眠れない夜を過ごすきみの枕辺で

眠りのバラをそっとふりそそがせて

やさしい音楽を奏でたい

きみの声が聴きたいな

富も名声も何もいらない

ひとつだけ願いがかなうとしたら

きみの声が聴きたいだけ

心の声が聴きたいだけ

A Crying Angel

再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら

天使がひとり、声を殺して泣いている

人知れず春の日差しの翳りのもとで

かそけく涙を流している

でもきみには今は

その姿どころか

すべてのものが見えなくなっている

心を闇の中に置いて

そして

すべてのものを拒んでいる

天使はひとりでひそかに涙を流す

どうして気付いてあげられなかったのかと

きみの苦しさに気づいてあげられなかったのかと

救えなかった後悔の念で涙を流し続ける

それでも天使はつぶやいている

涙を流しながらつぶやいている

弱いところもすべて含めて

とても大切なのだと

きみがいなければ

どうしてよいのかわからなくなると

天使は音もなく嘆く

宇宙に突如、放り出されたような気分で

不安に押しつぶされて

消えてしまうのではないかと思いながら

それでもきみを想う

思い続ける

ふたたびきみが光を探すときまで

ずっと待ち続けるからと言って

声もなく泣きながら

春の翳りに心を沈めながらも

散る花びらに埋もれながらも

きみを待ち続けると

そう言い続けながら

涙を流している

望む

望まずとも起きるべくことは起きる

望むとも起こるべきことは起こらない

望むものがその通りにやってくれば幸運に越したことはないし、

望まないものが来なければそれも幸い

でもいつだって思い通りに行けば何の苦労もなくて

望むだけならばかなうだろうことも

さまざまな外的要因が阻むことで実現しない

この場所からより良い何かをさらに望むことは

少しも悪いことではないし、夢物語だと断言もできない

実現の努力をしないうちから諦めるのはもったいないし

失敗しても何もしないよりははるかに得るものがある

邪魔が入っても、それはそれで仕方がない

思い通りに行かないことのほうがむしろ多いのが人生

足を引っ張られても怒ったり悲しんだりしなくてよい

肩をすくめて、そんなこともあると思うくらいでいい

自分がこの世の不幸の中心だと思うのではなく

次の新しい手を、荒唐無稽に望んでみればよい

望むことはすべての始まりで

それをどうするかは自分次第

pro Defunctis

大地が鳴動して裂けて

暗黒の津波がすべてをさらったあの日から

いつの間にか１年が過ぎたけれど

まだ私たちの心の傷は深くて

なにひとつ、なかったことにはならなくて

道のあちこちも家々も、日常の風景の中に

痛々しい爪痕が残っている

つぎはぎだらけのアスファルトや港

津波が来た時に塀に残された水位のあと

部分的に真新しくなった店の壁や家の瓦

そんなものたちは、直せばどうにかなるけれど・・・

もどらないものが

あまりにも多すぎて

見つからないものが

あまりにもたくさんで

どうか

どうか

さまよえる魂が

少しでも早く、

帰るべき場所を見つけることができますように

肉親のもとに

帰ることができますように。

Relativa fortuna

あるひとは、あなたにとっては奪うばかりのひと。

またあるひとは、あなたにとっては与えてくれるひと。

同じひとでも、ある人にとっては前者であり、

別の人にとっては後者となることもある

ひととひとは

バランスのとり方で関係が変わる

また、出会う時期によっても作用は違うから

ひとことで「相性」といってはみても

それはあまり、あてにならない

相対的な真理の中で

すべてが重なり合えば

それが大幸運の瞬間

もしも

もしも毎日の生活に追われて、時間が無くなって

好きなことをする余裕がなくなって、

辛いとか、閉塞感を感じるのなら

どうかどうか、自分を追い詰めないでください

強風を受けて空高く舞い上がる凧の糸ように

張りつめた状態を

すこしだけ、緩めてください

責任感も大切だけれど、

無責任に上から押し付けられたそれを、

あまりにも律儀に通そうとしないでください

何もかもが嫌になって逃げるのであれば、

二度と戻っては来られないところへは行かないでください

今まで築き上げたものたちをすべて無に帰（き）して

何もない状態からふたたび始めることは

気が遠くなるくらい大変だけれど

長い人生、そんなことが何度かあっても、いいと思います

誰と競争しているの？

あなたは、あなたの道をのんびり行けばよい

スピードを落として、肩の力を抜けば、

いままで見えなかった道が見えてくるかもしれない

コースアウトしてもいいのです

負け犬とか勝ち組とか、そんな無価値な言葉に振り回されないで

なんと噂されようが、しぶとくなって

また始めれば

それでいいのです

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・・・知人の後輩が先月の終わりに、二度と帰ってこられないところへ自ら旅立ってしまったそうです。
原因は、仕事のストレス。まだ28歳・・・・。

2011年の日本の自殺率は世界8位。

The One

古傷があるからといって、

新しい傷が痛くないわけではないの

年を取れば賢くなると誰が言ったの？

経験が人を強くすると誰が言ったの？

そんなことはなくて・・・・

悲しいことを思い出して

深いため息が出ることもある

以前の失敗を恐れて臆病になったり

もしまた同じことになったらと、不安になる

でもきみはそんな私をわかっていて

永久凍土化しそうだった私のことを救ってくれた

片方の羽が折れてしまったから

地上に堕ちてひどく地表にたたきつけられたから

くるくるときりもみ状態で

もう二度と、飛べないかと思っていた私を

海を渡ってきた東風のように

4月の午後の日差しのように

優しく見守ってくれる

きみが私を見つけてくれた時から

私は世界一、幸せな気分

きみの瞳の中に私が映るたびに

癒されていく

ふたたび

空を飛べそうな気がして

幾千の流れ星のように

優しさが降り注いで心を満たすことを

ねぇ、きみは

気付いていないでしょう?

1月17日に。

この日を心静かに・・・

大地が裂け

街が炎に包まれたあの日は

忘れられない悲劇

友よ

あなたの大切な人たちの魂が

やさしく温かな場所へ導かれたことを

心から願いました

あの明け方

忘れられない

あの明け方を

一日遅いですが、17日に書くと翌日にUPですね・・・。

ne obliviscaris

だれでもみな、意志を持たずに、

時代や場所を選べずに生まれてくるでしょう？

家柄や、親さえも選べないから

出自を恨んだり、それに甘えたりすることがあるでしょう

育つ環境や周りの人たちからの影響が

人生に大きく左右するかもしれないけれど

あるいは流されるままに生きるのが楽だとか

流れに逆らい続けて損ばかりしているように感じたりとか

どうして自分にだけ試練が多いのかとか

他人がうらやましかったり

不平が口をついたりして・・・

でも、崇高に生きる必要はまったくなくて

嫌な面もすべて含めて、自分らしく生きればいい

聖人である必要はない

不平があれば口にすればよい

心の底に澱（おり）を貯めると

自分がしんどいから

どうせすべての人に好かれるのは不可能！！！

ひとつ、大切なことは、

澱を吐き出したら、それ以上に誰かに優しい言葉をかけるということ

自己満足といえばそれまでだけど、

自己満足、おおいに結構！

悪いままで終わらせないで優しさを口にすれば

言葉はことだま

いいことがやってくる

誰かに遠慮して生きる必要はない

でも

誰かを思いやって生きる必要はある