ヒュラス [Mythologyのみそ]
ヒュラスはヘラクレスのお気に入りの美青年です。
ある日、水を探しに行ったところ、泉のニンフに一目ぼれされて、誘惑されるのです。
ヘラクレスがなかなか帰ってこない彼を心配して探しに行ったけれど、
ヒュラスはニンフたちに水の中に引き込まれて、
二度と地上に返してはもらえなかったのです。
上の絵はウォーターハウスの『ヒュラスとニンフ』です。
フランソワ・ジェラール『ヒュラスとニンフ』
機織り娘が女神をおこらせて [Mythologyのみそ]
コロポンという小アジアの小さな町に、アラクネという少女が住んでいました。
父は染物師で、アラクネは父から様々な美しい糸をもらっては、見事な織物を作り上げていました。
・・・誰でもそうですが、得意なことに自信を持つのは当然だし、自信を持つことは悪いことではないですね。
彼女も、自分の織る織物に、絶対的な自信を持っていました。
実際、とても美しかったし、誰もがその腕の良さを認めて、天才機織り少女なんて、彼女のことを呼んで
いたのですから。
誰よりもうまく美しく織り上げる彼女の技術を見た人は、彼女がアテナからなにか織物の秘儀を授かったのでは
ないかと噂しました。
戦争の女神であり、知恵の女神でもあるアテナは、機織りの女神でもありました。
なんか、理解できなくもないのですが、若い彼女はそう噂されるとムキになりました。
自分の技を女神のおかげだとか言われて、プライドが傷ついたのかもしれません。
「何言ってるのよ。あたしの技術は、アテナ様よりだんぜんすごいわ」
女神に暴言を吐くくらい、彼女は幼く未熟です。
アテナは人間の老婆に化けて彼女のもとへ行きました。
そして、女神に生意気な口をきくのはやめて、人間としての身分をわきまえて謙虚になるように諭します。
でもアラクネは老婆を罵倒して、そのうえ、いますぐアテナを連れてくれば目の前で勝負してやるとまで
言い放ってしまいました。
あらら・・・・・・
怒ったアテナはその場で老婆から本来の姿に戻りましたが、後に引けなくなったアラクネは、敬意を示す
どころか、生意気で反抗的な態度をかえません。後に引けなくなったのでしょうね・・・・。
アラクネはアテナの目の前で、見事な布を織りあげました。
でも問題は、その模様でした。
彼女はゼウスやほかの神々を冒涜するような、神々が動物に姿を変えて人間の女性を犯そうとしている様子
を布に織り込んだのです。
怒ったアテナは布をびりびりに引き裂いて、アラクネの頭を糸を織り上げる道具でぶちました。
そして彼女を1匹の小さな生き物に変えてしまったのです。
それが、クモです。
Arachneという彼女の名前から、arachnid といえばクモヤサソリ、ダニをあらわすようになりました。 arachnofobia(アラクノフォビア)とは、クモ恐怖症のことです。
クモに姿を変えられた彼女は、今でもせっせと巣を織り続けています。
いくら才能があっても、それを過信したり自慢して他者に敬意を払わなかったりすれば、惨めな結果に
なるよという、そんなお話です。
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昨日は、失礼な袖ヶ浦ナンバーのおばさんドライバーへのグチをきいていただいて、ありがとうございました。
グチると気が晴れますね・・・・。
でも。。。。
今日も聞いてください・・・・(´∩`。)
(でも嫌な気分になるかもしれないのでここからはムシしていただいてもよいですよ・・・)
今夜の仕事帰り。
白い乗用車が突如曲がってきて、私の車の前を徐行以下の速度で走り始めました。10㎞ちょっとですよ!
信号はタイミングが大事、という道なのに!!!!!何がしたいん?!どんなひま人?!
せめて40㎞で走ってよ! 20㎞以下でだらだら走られるのは迷惑!!
と、ちょっと接近したら20㎞くらいになり、次の信号で右折レーンに入ったから、私はそのまままっすぐ。
すると、その車、右折をやめて後をついてきましたよ・・・・。
もう、この時点で普通じゃない。頭おかしいに違いないと確信。ドアロック確認。
次の信号で止まったら、右側の角のコンビニに入って、ぐるりと回って反対車線に入って来て、私のことを
覗きこんできたんです。
キモ!!!!!
と思って見返したら、5人か6人の子供がぎっしり乗っています。子供です、子供!!
まだ10代と思しき、あほそうな子供たちがアホ面でこっちを見ています。どよ~んとした目で。
(そんな行為をすること自体、あほなのは火を見るより明らかです)
なにこいつら!!!!と思い、私は信号停止の先頭だったけれど、停止線越えてちょっと前に出て、後ろから
あほどもの車のナンバー確認。いつでも通報できるようにケータイ準備。
とっさに覚えてすぐ紙に控えました。そんなときのためにいつもペンは常備!!!
するとやばいと思ったのか、あほがきどもはそのまま走り去りました。キモすぎ!!!!
こんなガラのわるい目に遭ったことは初めてです。
昨日の今日で最悪なことが2日続きましたT_T
うちのほうはたまに暴走族が出るくらいで(彼らは一般人には被害を加えません)、
治安は悪くないはずなのに。
Ἥβη (ヘベ) [Mythologyのみそ]
大神ゼウスとその正妻ヘラの娘で、英雄ヘラクレスの妻であるヘべ。
彼女は若さ、青春の女神です。
ヘラはゼウスと人間の女性との間に生まれたヘラクレスを憎んでいました。
一方でヘべは、数多くの子供たちの中でも、ヘラが最もかわいがった娘です。
へベとヘラクレスは異母兄妹になりますね・・・。
ヘベとは、「若い人」という意味らしいです。
また、恩赦の神として囚人が許しを乞うたといわれます。
永遠の若さと美しさを保つという、ウラヤマシイ女神でもあります。
ネクタルとアンブロシア(オリンポスで言う、不老不死の食べ物、飲み物のようです)を、神々に
給仕する役目も(結婚前までは)果たしていました。
やはり古代の人も現代の私たちと同じ、永遠の若さや美しさを願ったのですね。
パンドラ・女の起源 [Mythologyのみそ]
好奇心は、人間にとってなにかと大切です。
もしも好奇心がなかったら、何かをしようとも思えないし、
すてきな作品を生み出すこともできないし、
おいしいものを食べたいとか、
どこかに旅行したいとか、
何かを知ろう、
誰かを好きになろうとか、
思うことができないでしょう。
パンドラはゼウス命令によって作り出された人間の女性です。
役割は・・・・おごり高ぶってきた人間たち(=男)に災いをもたらすというもの。
(ギリシア神話では、パンドラが人間初の女性なんですね)
ヘーパイストスが泥から彼女を形成し、
アテナが仕事の能力を、
アフロディーテが男を虜にする能力を、
ヘルメスが恥知らずで狡猾な魅力を(!)与えたのです。
ゼウスは彼女を人間の世界に送り込むときに、箱を持たせます。
その箱には、ありとあらゆる贈り物が詰まっていました。
・・・でも、開けるなと言われると、何が入っているのか気になりますね。
パンドラは好奇心に負けて箱を開けてしまいました。
そろそろと、こわごわと・・・・。
するとどうでしょう、この世の隅々にまで、箱の中から災いが飛び出て散らばっていったのです。
そして最後に箱の中に残ったのは「希望」。
なぜ災いの箱の中に希望が残るのかな?と、小さなころに思ったことがあるのですが・・・・。
神話なだけに、わかりません(笑)
ありとあらゆる贈り物であっただけに、いいものも詰まっていて、「希望」だけが重かったのかしら?
まあ、とにかく・・・・この世のドラマティックなことは、すべて女がつかさどるということです☆
エウロパの話 [Mythologyのみそ]
あるところに、美しい少女が住んでいました。
彼女の名前はエウロパ。
古代のフェニキアあたりではよくある名前だったようですね。
彼女の純粋な美しさにひとめぼれしたゼウスは、なんとかして彼女を手に入れようとします。
そして真っ白な牡牛に姿を変えて、花咲く野に横たわったのです。
花摘みに夢中になってお供の侍女たちから少し離れてしまったエウロパは、やがてその美しい白い牛を
見つけて近寄りました。
真っ白な腹をなで、頭を寄せてみます。
細い腕を牛の腹にまわし、そのあたたかな背にうつぶせました。
すると牡牛は、突然走り出したのです。
彼女は振り落とされないようにしっかりと牡牛の背にしがみつきました。
牡牛はあちこち、様々な地を走り廻り、ついには海を泳ぎ渡ってクレタ島へたどり着きました。
そこで牡牛は、正体を明かします。
おどろくエウロパ。でもゼウスは甘言で彼女を籠絡し、ヘパイストスに作らせたネックレスと3つの
プレゼントを贈って、彼女に3人の息子を産ませました。
のちのクレタの王ミノス、楽園の統治者ラダマンチュス、トロイアの英雄サルペドン。
彼女の名前の由来は、広い目、広い顔、という意味のようです。
フェニキアでは、月の女神セレネと同一視されることもあるようです。
セレネ→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2012-02-04-2
白い牡牛の姿でゼウスが彼女を背にのせて駆け巡った土地を、彼女の名にちなんでヨーロッパと
呼ぶようになりました。
木星の月も、エウロパにちなんで名づけられたそうで、エウロパといいます。
G20、話し合いは難航しそうですね。
ユーロもずいぶん安くなってしまいましたが・・・・・週明けは円安傾向だとか?
誰がヨーロッパを救うのでしょうね・・・・?
愛娘のために、冬が生まれた・・・ [Mythologyのみそ]
前回、ザクロの時に少し触れたのですが、タイタン族の豊穣の女神デメテルは、
ゼウスの妹ながらその愛人となって、愛娘ペルセポネを産みました。
彼女は愛娘と二人、仲良く地上の楽園に暮らしていたのですが、ゼウスは何の断りもなく勝手に、
冥界の王ハデスとペルセポネの結婚を決めてしまいました。
彼は大地の女神ガイアに協力させ、美しい水仙の花を咲かせ、ペルセポネを花で誘惑させます。
何も知らないペルセポネは、可憐で美しい水仙の花を夢中で摘みながら、森の奥深くに誘導されました。
すると突然、大地が避けて、黄金の馬車に乗ったハデスが姿を現すと、彼女をさらってしまったのです。
ペルセポネがさらわれた話はこちら→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-12-17
娘の叫び声を聞いたデメテルは、すぐに探しに来ましたが、すでにペルセポネは地下世界に連れ去られた後でした。何も知らないデメテルは、寝る真も惜しんで娘を探し、地上を駆け巡りました。
でも、どこにもいないのです・・・・。
同情した太陽に事の成り行きを教えられ、彼女は怒り、絶望します。
そしてそれから、神の世界のミーティングに参加することをやめるのです。
そして人間の女に姿を変えて各地を放浪し、ある国に神殿をたてて閉じこもります。
すると世界は何も実らない、不毛の冬になりました。
愛娘をさらわれたデメテルの怒りは、ゼウスがいくら説得してもやむことはありませんでした。
そしてついにゼウスが折れて、ハデスのもとへペルセポネを返すよう使いを送るのです。
冥界を嫌ったペルセポネも母のもとへ帰ることを喜びました。
そしてつい油断して、冥界の食べ物を口にしてしまったのです。それがザクロ。
使者の国の食べ物を口にしたものは、死者の国へ戻らねばならない・・・・。
だからせっかく再会できた母と娘はまたしても引き裂かれるのです。
でも今回はデメテルも頑張りました。
1年の3分の1だけ、ペルセポネは冥界で暮らす。そして残りは、母の元で暮らしてもよい。
これによって娘のいない間、母は悲しみに暮れて仕事を放棄するために冬という季節が生まれたのです。
ちなみに、神殿を建ててくれた人間の王に、そのお礼にデメテルは秘密の儀式をその息子に伝えました。
この秘儀を行うことにより、古代ギリシア人たちは、豊穣の女神の恩恵を受けることができると
信じていたそうですよ。
さあ、きっともうすぐ、ペルセポネが地上に戻るときがやってくるのですよ。
大地の目覚める春は、デメテルの待ちに待った娘との再会の時であり、私たちにも、待ち遠しい季節ですね。
美の女神アフロディテとペルセポネの花いくさはこちら→http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-07-18
欲深な魔女 [Mythologyのみそ]
キルケは魔女。
運命の破壊と創造を支配しています。
夫を毒殺して嘆きの島へ流されて
その島に宮殿をたてて、気に入った男性をさらってきては
飽きると動物に変えていました。
・・・・・飽きたならば解放してあげればいいのに、動物に変えて自分のそばに置いておく、
泉鏡花の『高野聖』の山の中の女と同じですね。
『高野聖』→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-09-22
妖術を使う女は、魅力的です。
魅力的な女は、本当の自分を見てもらえないことが多いために、誤解を受けやすいです。
だから魔女だとか妖婦だとか恐ろしがられるのかもしれません。
そのままの姿ではなく動物に変えることで、非難されることを避けたのかもしれません。
動物ならば、言葉を発しないから。
それでもそばに置いておきたいということは、さびしがりなのですね。
(嫉妬に燃えるキルケは → http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17-7 )
キルケは娘婿に殺されます。
息子ではなく、娘婿に殺される・・・ここにはどんな意味があるのでしょうか。
悪女の末路はつねに不幸です。
悪い魔女か女神か妖精か、アーサー王の姉 [Mythologyのみそ]
彼女の名前はモーガン・ル・フェイ。
アーサー王の母親が産んだ、アーサー王の異父姉であると言われますが、諸説ありますね。
そうそう、アーサー王と同じなのです。
古い伝承があり、人々が移動するにつれて各地へ広がり、その土地の伝承と融合する。
それで統合されたイメージが出来上がるわけです。
まず、土台はケルト神話です。
モガン・ル・フェイは、呪術師であり、女神、あるいは妖精であるとみなされたようです。
昔から薬草や病気治癒の知識のある人、とくに女性は、魔女とみなされてきました。
もしかしたら誰か特定の人物がいたのではなくて、そのような知識を付けたひとをモーガンか、あるいはそんな
似たような名前で呼んでいたのかもしれませんね。
ル・フェイとは、フランス語的ネーミング。
フェイはフェアリー、つまり妖精です。
研究科によれば、彼女はドルイドの僧院で薬草などの知識を身に着けた、あるいは、魔術も身に着けた
とか。ヒーラーであるとも言われるようです。
アーサー王の物語も、時代とともに変化していきましたね。→http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-12-26-5
彼女のイメージも、同様に変化しました。
異父姉でありながらつねにアーサー王を窮地に陥れようとする悪い魔女。
エクスガリバーを奪い、時に弟の命までをも狙おうとする。
一方では、アーサーが命の危機に直面すると、姉らしく助けようとする。
カムランの戦いで負傷したアーサーを救い、アバロンへ連れて行くのです。
ウェールズの神話では彼女に恋した人間をもてあそんで捨てる湖の精。
アイルランドでは恐ろしい姿で人を驚かす妖精。
アーサー王の伝説中には同じ名前の湖の精が出てきますが、それは別人だそうです。
その湖の精の娘だとする研究家もいるようです。
アバロンの9人姉妹の魔女の一人だとも。
とにかく、各地の民間伝承がまじりあっているために、確たるアイデンティティがないのかもしれません。
ノルマンにも伝わったため、ノルマンが南イタリアまで占領したことで、なんとイタリアまでモーガンの名が
伝承されたようです。
蜃気楼を、ファータ・モルガナ(モーガン・ル・フェイ)と呼ぶようですね。
日本にも、このように渡来のキャラクターが土着のキャラクターと融合した例がたくさんあります。
たとえば、道教思想の神、牛頭天王(ごすてんのう)が、渡来系の秦氏によってスサノオノミコトと同一化され、
八坂神社に祀られたように。
アーサー王伝説ではマーリンのほうが有名な魔術師ですが、彼女もまた、もう一人の有名な魔術師です。
現代ではゲームのキャラクターとして、人気がありそうですね(実際あるのかわからないですがw)。
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なんのメンテナンスだったのでしょうね。
本当に私たちにとっては、なんの意味もないことだったようですね。
めちゃ重いままです。
動きません・・・。。。。。。。しくしく。
イシュタル [Mythologyのみそ]
バビロニアの神話に出てくる女神です。
アッシリアの神話にも出てきます。
天の神の娘とも、月の神の娘とも言われ、姉は死を司る地下世界の女王です。
彼女は天上界の女神であり、大地に豊穣をもたらす女神。そしてライオンにまたがり戦場を駆け巡る
戦の女神でもあります。
ギリシア神話で言えば、デーメーテルとディアナが混じった感じ?
そして愛欲の女神でもありますから、アフロディテの要素も帯びています。
古代の石像などでは、上半身じゅうに乳房をたくさん持った姿で描かれています。
これは生殖、繁栄、豊穣の象徴なのでしょう。
戦の神でもあることから、破戒と創造を併せ持つのでしょうね、
恋人は120人以上。
多情であることが、多産、豊穣を意味するのでしょう。
金星と深い関係を持っているそうです。
彼女がライオンの引く戦車に乗って夜空をかけるという考えは、天体の運行に関係があったのかもしれません。
太陰暦を使用していた地域ならではの考え方ですね。
彼女は愛するものをかならず傷つけてしまうという性質を持つそうです。
この点も、どこか興味深いものがあります。
息子のタムンズは成人してからは彼女の恋人になりました。
もともと息子ですから、イシュタルは彼をほかの恋人たちよりは大切にしましたが、それでも、
彼が毎日泣き暮らすように呪いをかけてしまいます。
タムンズは悲しみのあまり死んでしまいます。
イシュタルは彼が恋しくなって、冥界に彼を訪れます。
ギリシア神話もこれに似ていますね。
イシュタルが冥界に下って行っている時期、大地は不毛の冬になります。
そして帰ってきたときに、また豊かな季節に戻るのです。
のちに月の神シンに代わって、月の女神となります。
神殿にはライオンとハトがささげられたそうです。
テティス [Mythologyのみそ]
海の神の一人ネレウスには、それはそれは美しい娘たちが50人もいました。
彼女たちはネレイスと呼ばれていて、エーゲ海の海の底の、銀の洞窟の中に両親と暮らしていました。
パパのネレウスには、いろいろなものに姿を変える力がありました。
娘たちの中の一人、テティスにも、その能力は受け継がれていたそうです。
このテティス、ネレイスたちの中でも飛びぬけた美女で、なんと別の海の神ポセイドンと、全能の神ゼウスの
両方から一度にプロポーズされました。
ゼウスとテティス。
でも彼女には、ある運命が決められていたのです。
彼女の産む息子は、その父よりも立派になる
これは、生まれる息子が父親を滅ぼすということを意味しました。
だからポセイドンもゼウスも、彼女との結婚をあきらめたのです。
・・・ちなみにポセイドンは、彼女の姉妹・アンピトリテと結婚しました。
ホントにそうなるか試したかったのかどうかわかりませんが、ゼウスは彼女の意志に反して、彼女を人間の
ペレウスという王と結婚させてしまいます。
二人の結婚式は、たくさんの神々がお祝いに訪れましたが・・・・・この結婚式、トロイの戦争の原因になった
ということを、覚えておられるでしょうか?
黄金のりんご事件はこちら→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-11-25
招待されなかった不和の女神エリスが、黄金のりんごを投げ入れたことで、三女神の美女争いになって、
トロイの王子パリスの審判につながりましたね。
まぁ、とにかく、女神と結婚なんて、ペレウスには棚からぼた餅です。
友人で助言者の半神半獣のケンタウルスが、結婚に際して彼にアドヴァイスをしました。
1枚目の画像の全体です。
「彼女は、いろいろなものに姿を変えてあなたを拒もうとするだろう。でもひるまずに、彼女が何に姿を
換えても、抱きしめ続けていなさい。そうすればもとの美しい姿に戻るでしょうから」
ペレウスはその通りにします。
テティスは父親譲りの変身能力で、恐ろしい怪物や不気味な生物に化けますが、王はひるみませんでした。
そして彼女はあきらめたのか、あるいは彼に惚れたのか、結婚を承諾するのです。
でも、女神の心をとらえておくことは難しいみたいです。
彼女は元気な男の子を生みました。
女神と人間のハーフ。
生まれたばかりのわが子を、テティスは冥界の川に連れて行き、足首をつかんでさかさまにざぶんと
浸しました。
この川に身を浸すと、不死身になるのです。
彼女の子は半分人間だから、もとから不死身ではないのですね。
そして彼女は、赤ん坊を置いて両親や姉妹たちのいる海の底に帰ってしまいます。
女神はきまぐれ・・・・
残された子は、ケンタウルスに預けられて育てられました。
もちろん、予言通りに父親よりもはるかに立派になりました。
のちにトロイア戦争で活躍するけれど、トロイの王子パリスの放った矢が足首にあたって死んでしまいました。
なぜって、足首だけは、母のテティスが掴んでいたから、そこだけ不死身になっていなかったからです。
そう、彼の名はアキレウス。
アキレス腱の名前の由来になりました。
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テティスは、ヘラが一人で産んで捨ててしまった醜い子供・ヘパイストスを拾って育ててあげた女神でした。
だから鍛冶の神になったヘパイストスは、成長したアキレウスに、立派な盾と鎧を作ってあげたのです。
どんな矢も剣も通さない盾や鎧があっても、アキルス腱はどうしようもなかったみたいですね。