The Garden of Earthly Delight③ ~ジゴク~ [Paintings]
3枚目はジゴクです。
ボスのお得意は想像上の怪物を描き出すことだそうですが、ここにも奇怪な生き物がわんさか描かれています。
燃え上がる街、血の池地獄、楽器の拷問道具。
お尻に譜面を書かれた人もいます。
いたるところで悪魔が堕落した人間たちに責め苦を与えています。
目立つのは半身が空洞の大きな男。
腕と見て、関節は脚でしょうか? それらが木の幹のように見えるので「木男」と呼ばれているようです。
胴体の中は居酒屋? 振り返るカオは結構不気味。
頭の円盤の上にはピンクのバグパイプのような、心臓のようなモノ。
これは女性器の象徴と言われますが、それが男の頭の上にあるあたり、実に人間ぽいです(笑)
二つの、槍で突き刺された耳から出るナイフ。
戦車のように人々を踏み潰しています。
何でしょうねウワサとか言動に関係あるのでしょうね。
右下の青っぽいのは悪魔。
たぶん便器なのでしょう、穴の空いた椅子に座り、口から飲み込んだ人間を下部の穴の中にダイレクトに排出しています。これ、怖いというよりどこか皮肉めいてユーモラスです。暴食の罪を罰していると言われています。
悪魔の足元でお尻の鏡を見せられて気絶した女性は、虚飾の罪ですって。散らばったトランプや頭の上のサイコロは賭博の罪の象徴。
お金を排泄している人は、物欲の罪でしょうか。
右下の隅には、尼にふんしたブタに迫られている人。
この当時の教会に対する批判を風刺している、とも言われます。
見れば見るほどさまざまな意味が込められているようで、あれこれ考えてしまいます。
一人の人の想像力がこれらの世界を生み出したということに驚きです。
機会があれば大きい画像で見てみてくださいね。
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