The Garden of Earthly Delight② ~快楽の園~ [Paintings]
さて、真ん中の絵です。イチゴ絵。
なぜか「イチゴ絵」と呼ばれるのは、実際にイチゴが描かれているためです。
こんなふうに↓
ここは人間たちの楽園です。
およそ500人の男女が快楽にふけっている様子を描いています。
あ、ハダカのひとがいっぱい~と、喜ぶのはお子ちゃま。
この絵のレトリックは大変に奥深いのです。
ちなみに、イチゴは肉欲と堕落のシンボルだそうです。
あちこちでイチゴをむしゃむしゃと一心不乱に食べる人々。
イチゴではないが、木の実(ベリー)を巨大なトリからもらおうとする人々。
みんなハダカですが、肉感的な感じではないので俗ないやらしさはありません。
でもお尻から花が出ていたり、スケキヨなみに泉に頭を突っ込んでY字開脚する人や、ホントに「なにやってるの?」と訊きたくなる人がいっぱいいます。
透明のカプセルみたいなものに入っていたり、ピンクのカプセルに乗っていたり、そりゃもう、半狂乱な状態ならば楽しそうな感じです。
フクロウも描かれていますが、これは盲目の象徴。タマゴみたいな者たちは世界の始まりを意味するのだそうです。また、よく見るとあちこちに異教徒や異人種も描かれています。だから宗教に関係なく、肉欲は世界共通だということでしょうか。
この絵の中には500人くらい人が描かれているそうですが、お腹の大きな女性は一人だけいるそうです。
男女が一対一で一緒にいるわけではないところも、なにか意味深です。
中央の泉のなかの人々は、それぞれ1,2,4,7,12人。
これは、年、昼夜、式、週、月の数だと言われます。
その周囲を巡る動物や人々の輪は、永遠に終わりのない時を表します。
よく見ると、同性愛者もちらほら。
当時の宗教ではタブーだったものです。
この絵の解釈については様々で、すべては解き明かされていないそうです。
すべてディコードできたら、どんなにかすっきりするでしょう?
真実は画家のみぞ知る?
次はジゴクの絵に続きます。
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