キーワードは8(eight)。 [Mythologyのみそ]
あまりの傍若無人な乱暴者だったために、スサノオは高天原を追い出されてしまいました。
そして鳥取に降り立つと、ちょうど老夫婦が若い娘を目の前に泣いているところに出くわしました。
聞けば、夫婦には8人の娘がいたけれど、ヤマタノオロチという8つの頭を持つ化け物が、いけにえとして
毎年ひとりづつ食べてしまい、目の前の娘が最後の末娘だと言います。
またこのおそろしい化け物がやってくるだろう頃になったので、こうして悲しんでいるのだ、と。
8つの谷と8つの峰を越えるくらいの巨大な化け物・・・・
普通はそんなことを聞いたらひるむこと必須ですが、高天原の乱暴者は逆でした。
みればこの娘、クシナダヒメといい、なかなかの美女。
彼はクシナダヒメを妻にもらうことを条件に、ヤマタノオロチ退治を申し出ました。
クシナダヒメがこの乱暴者にどんな第一印象を抱いたのかが書かれていないのが残念ですが。
怪物に食われるよりはマシと思ったのか、ワイルドな魅力に惹かれたのか・・・・
とにかく、スサノオはクシナダヒメを櫛に変えて、髪に挿します。
そして8つのカメに入れた酒に8つの門を作って置いておきました。
さて、怪物がやってきて、それぞれの門に頭を突っ込んで、それぞれのカメから酒をむさぼり飲み干します。
酔っぱらって眠ってしまったところを、持っていた長剣で切り刻んでしまいました。
怪物の尾を裂くとなかから草なぎの剣が出てきて、これはかんかんに怒らせてしまったお姉さんに、
お詫びの品として献上しました。彼のお姉さんは、アマテラスオオカミですね。
あっけなく怪物を退治したスサノオは、八雲たつ~とめでたい歌を詠んで、クシナダヒメを妻にしましたとさ。
で、8なのですが。「たくさん」という意味ですね。
むかーしの八百屋さんは、なんでもたくさん売っていたから八百屋。
日本にはたくさんの神様がいるから、八百万の神。
八坂神社も、たくさんの坂、という意味。
クシナダヒメを櫛に変えて髪に挿し、怪物をやっつけたスサノオ。
櫛には昔から呪術的な意味が強いですね。
神聖な力を借りて、邪気を払ったのでしょう。
ヤマタノオロチは洪水を怪物化したとも言われます。
オロチ=ヘビ=水の神なので、川の氾濫や洪水、津波が、このような怪物と考えられても不思議は
ないですね。
八幡様の元宮が九州は大分県の宇佐の山奥に有りますが、その正面に八坂さんの元宮も有りました。いずれも九州の地に初めて降りたった神様ですが、八が基本ですね。不思議です。
by daimuran (2012-08-03 00:49)
古事記のエピソードも絡めようと、ちょっとずつですけど勉強中です。
3回フレーズを繰り返すのが、多くの世界の口承神話に共通の特徴だそうですね。
多神教なのは、インド-ヨーロッパ語族の文化圏に共通だとか。
過去に遡るほどに、混沌の迷路に…。
漢詩の世界もあるし…。
by Hirosuke (2012-08-03 06:05)
本当!「8」ばかりですねー!
末広がりで縁起がいいので人気の数字ですね^^
by 水無月 (2012-08-03 12:48)
日本には八百万の神がいるといいますが、その八も
たくさんという意味なのですね。
by 青竹 (2012-08-03 18:20)
こんにちは。
八岐大蛇の逸話は何となく、日本神話の中で個人的に好きな話の一つです^^ ・・・怪獣ものが好きなのかもしれません←
他にも九頭竜とかいますよね。詳しくないのであまり語れないですけど・・・。もし機会があれば、九頭竜でもnikiさんのまとめを読んでみたいです。
by トクメイ (2012-08-03 19:07)
八方美人とか、八方ふさがりとか。
by センニン (2012-08-03 21:51)
神話って子供の頃から好きです(・∀・)
by kiyo (2012-08-03 22:08)