ながつきの・・・ [WAKA]
今こむと 言ひしばかりに長月の 有明の月を 待ち出でるかな
『古今和歌集』より。 素性法師。
訳: あなたが「今から行くよ」と言ったから、その言葉を信じて
疑わずに待っていたのに・・・
おかげで、明け方の月を目にするまで
長い九月の夜を 過ごしてしまったわ
作者は男性、しかもお坊さんですが、恋人を待つ一途な女性の心を読んだ歌です。
「長月」に、「九月」と「長い」を掛けています。
くると言ってこなかった、このフィクションの恋人はどうしたことやら。
他の女性のもとへ通ってしまったのか、急用ができたのか、気分が変わったのか。
今ならば「来るって言っておいて、何しているのよ?」なんてメールでも電話でもできますが。
秋の夜だから、「飽き」も掛けているのかもしれませんね。
昔の恋歌も訳を知ると
昔も今も同じなんだな…なんて思ったりします。(^^)
この絵は、さらに深い意味があるのでしょうか…?
灯りに一匹の虫が。女性の視線も虫に。
飛んで火に入る…を連想させますね。
秋だから違うのかな、意味としてもどうなんだろう…
なんて、考えてしまいました。(^-^)
by sora (2012-09-16 22:00)