赤毛のエレオノーラ [l'histoires de femmes]
それにしても、同名が多いので区別が大変です^^;;
豪華王ロレンツォのおじいちゃん、芸術の庇護者コジモ。
彼の末息子ピエトロは、14歳で一つ年上のエレオノーラと結婚しました。
お母さんと同じ名前ですね。
肖像画を見ると、けっこうかわいらしい女性です。
彼女は侯爵令嬢でした。
両親がフィレンツェに滞在中に生まれ、そのままメディチの宮殿でコジモが実の娘のように育てました。
コジモは子供好きだったのかもしれませんね。
年頃になると一番年の近いピエトロと婚約させられたのです。
幼いころからコジモの子供たちとは実の兄弟のように育ったのですが、一番の親友は9歳年上の
お姉さん、イザベラでした。
イザベラはローマとの結びつきを強めるために16歳でパオロ・ジョルダノ・オルシーニと政略結婚させ
られました。11歳で12歳のパオロと婚約というから、メディチの力を強めるための戦略の道具ですね。
ちなみに・・・長女のマリアもフェラーラ公アルフォンソと婚約していましたが、結婚前に17歳で亡くなって
しまいました。
これはマラリア死亡説が強いですが、秘密の恋人がいてそれを知ったコジモが怒って
殺してしまったという言い伝えもあるそうです。そして結局は彼女の代わりにマリアとイザベラの妹、
ルクレツィアがアルフォンソと結婚しました。
さて・・・話を戻します。
エレオノーラとピエトロの間には愛は芽生えなかったようです。
きっとお互いに興味がなかったのかもしれませんね。
それで、エレオノーラは恋人を作ります。
もちろん秘密の。
でもピエトロは気に入らなかったようです。
彼女が23歳の夏・・・
メディチ家の別荘で、事件は起きました。
衝動的か計画的かといえば・・・たぶん、状況を見る限り衝動的だったのだと思います。
ピエトロは、なんと、犬の首輪でエレオノーラを絞め殺してしまいました。
そして翌日兄のフランチェスコに手紙を書きます。
「事故で妻が死にました」と・・・・。
兄のフランチェスコもエレオノーラの不倫を知っていたに違いありません。
あくまで事故死として処理したために、誰もがそうでないことを知っているのにピエトロは裁判に
かけられることはなかったのですから。
そしてエレオノーラの恋人を投獄しました。
そんな自分はあちこち遊びまわって、複数の女性との間に多くの子供を作ったのですけどね・・・。
ちなみに彼が死んだ後、彼のすべての非嫡出子はメディチ家が引き取って養育したそうです。
エレオノーラと仲の良かったお姉さんイザベラも、実はそれから間もなく夫に絞殺されるという同じ
死に方をしました。彼女は夫のイトコと愛し合ってしまったそうなのです。だから夫とそして実の兄の
フランチェスコに殺されたと言われます。
おそろしや、華麗なる一族。
「メディチ家の別荘」というところに行ったことがありますが、もしかしてそこ?
by Ronnie (2012-08-30 00:35)
愛がないのに嫉妬する。
愛し合ってるのに殺される。
理解しがたき男女の愛執と哀愁。
by Hirosuke (2012-08-30 03:21)
こわいですね。
政略結婚というものは「時代」とはいえ、しっくりこないです。
by 水無月 (2012-08-30 12:52)
コジモの息子のピエトロのヨメですね?
・・・・・難しい・・・。
次は?楽しみにしてます。ジュリアーノか?ロレンザッチョか?
やっぱり、マリアの肖像、すごいですね。
何度みても感動するワ。
おかあさんのエレオノーラと嫁さんのエレオノーラでは
やっぱり少し、ファッションが変わっているのが興味深いです。
by sadafusa (2012-08-30 16:31)
昔の上流社会の浮気って、公然だったんでしょうね。
なのに、殺されるって、よほど相性が悪かったのかな?
by ゆう (2012-08-30 17:18)
いまだに男女の仲のことはわかりません、恋ってのは不思議ですね。
by 馬爺 (2012-08-30 19:16)
家族内の愛憎って、ホント怖いですね(--;)げに恐ろしきは・・・?ですね(^^;)
by さうざんバー (2012-08-30 20:11)