3つのティアラのお話 [なんちゃって博物誌]
ティアラとは、王族・皇族・貴族のご婦人が頭につける宝石でできた飾りのことです。
結婚式や正装した公式の行事などの時に頭上を飾ります。
1981年7月29日、きっと世界中の多くの女性が、おとぎ話のような結婚式のTV中継を、うっとりと
眺めたことに違いないでしょう。
7.6mの世界最長(当時)のウエディングヴェールがセントポール大聖堂のレッドカーペットに長く優美に
広がる様子は、きっと多くの花嫁たちの衣装選びに大きな影響を与えたことでしょう。
ヴェールの長さは王族に嫁ぐ場合は3m以上だそうですが。
そして20歳の麗しき公妃の頭上に輝くダイヤのティアラ。
7.6mものトレーン(引き裾部分)に負けない存在感。
曲線を描く美しいデザインでした(と、You Tubeでいろいろ見ましたw)。
このティアラはレディ・ダイアナの実家、スペンサー家に代々伝わるもので、
「スペンサー・トゥ・ティアラ」
と呼ばれる家宝なのだそうです。
1981年の皇太子とレディ・ダイアナの結婚式が、これを一般に公開した初めての時だったそうです。
西洋の結婚式は、花嫁が何か新しいもの、なにか古いもの、なにか借り物、なにか青いものを
身につけると幸せになれるといわれるので、「なにか古いもの」として身につけたのでしょう。
その後2,3度スペンサー家の一族の結婚式で花嫁が付けたそうですが、いまはレディ・ダイアナの
祖先の家・オルソープ・エステートにあるそうです。
レディ・ダイアナのティアラといえばもう一つがケンブリッジ・ラヴァーズ・ノット・ティアラ。
一番上の画像です。
これは姑のエリザベス女王から結婚祝いとしてプレゼントされたそうです。
めちゃ重いらしいですね;;;;;
19個の巨大なしずく型の真珠と無数のダイヤで作られています。
上にはもう19個の真珠がのっていましたが、リフォームで取り外されたようです。
エリザベス女王もつけていらっしゃいますね。
これはエリザベス女王の祖母にあたるメアリ女王からのプレゼントだったそうです。
もともとはメアリ女王の母・オーガスタ王女の持っていたティアラの模倣として作られ、メアリ女王の
結婚式に送られたのだそうで。それをメアリ女王が、手持ちのダイヤと真珠をつけ足してゴージャスに
リフォームしたのだそうです。
メアリ女王、これを着用しています。
1953年に孫のエリザベス女王に贈られました。
そして1981年にレディ・ダイアナに贈られたのです。
これと同じデザインとして作られたと言われるのが、ロシア最後の皇妃・アレクサンドラのティアラです。
彼女はドイツ生まれですが、ヴィクトリア女王の孫娘ですね。
たぶん、これがそうかなと思うのですが。
高さが高いですよね。
絵に描いたときに大きく描いただけで、あまり変わらない? のかな?
ラヴァーズノット(リボンみたいなダイヤの部分)は見られないようですが。
エリザベス女王がつけているときにはすでに上の真珠がダイヤに付け替えられていますね。
アンティークのティアラは宝石ははめ込み式になっていて、取り外してイヤリングやネックレスにすることも
できたといいます。ティアラが重すぎて、つけると頭痛がするという記録も残っているようです。
豪華で宝石がたくさん使われていれば、それだけ重いでしょうけれど^^;;;
こちらはシンプルですね。真珠しか見えないです。
で、ロシアといえばこのアレクサンドラ皇后の姑にあたるマリア皇后の姉は、英国王エドワード7世妃
です。エドワード7世はヴィクトリア女王の王子なので、アレクサンドラ皇后の義理の伯母にもあたる
わけです(ややこしい)。
名前も同じ、アレクサンドラ妃(デンマークの王女でした)。
妹のマリアはロシア皇帝に嫁ぎ、彼女は英国王に嫁ぐことになりました。二人は結婚後も約束して
毎年パリで会うほど仲良し姉妹だったのですって。だからアレクサンドラ女王は、英国に嫁ぐときの
ティアラを、妹が嫁いで縁のあるロシア風に作るようにリクエストをしたようです。
なんでも、ロシアの女の子たちの髪飾り風にしたいといったとか。
できばえに満足して、結婚のお祝いに作ってくれた人へ、感激のお礼状を送ったようです。
このティアラはいまでもエリザベス女王の宝石コレクションに所蔵されています。
ロシアのココシニク・ティアラと呼ばれてます。
ティアラについては、私はまだ片足のつま先をちょっと入れたくらいしか知識がないのですが、身分や
時代、つける貴人の好みによって、いろいろなデザインがあるようです。
王冠も身分によってデザインが違いますね。
紋章学でちょっと覚えました( ´艸`)
キャサリン妃(ウィリアム王子の妻・ケイト・ミドルトンさん。ケイトはキャサリンの愛称です)が
結婚式でつけていたのはエリザベス女王のコレクションから借りたものです。
ちなみに、キャサリン妃のイヤリングはご両親が新調してくださったものだそうで、花嫁が身につける
「なにか新しいもの」に当たるそうです。
ところで、ケンブリッジ・ラヴァーズ・ノットのティアラは、レディ・ダイアナ亡き後は王室に戻されたそうです。
Tiaras: A History of Splendour
- 作者: Geoffrey C. Munn
- 出版社/メーカー: Antique Collectors Club Ltd
- 発売日: 2001/12
- メディア: ハードカバー
ティアラ、とてもきれですね(^^)結婚式に付けましたが(何十年も前ですが)今でも印象的です(^^)
でも、こうやって歴史をみると、また趣が違って、とても素敵です(^^)
by さうざんバー (2012-05-13 00:24)
懐かしい映像ですね、今はよき英国の頃でしたからね。
皇室も今では日本も含めて色々と問題が発生していますね。
ティアラ豪華です、身に着けるとひきしまるでしょうね。
by 馬爺 (2012-05-13 08:17)
ティアラは全て博物館などに飾って展示されてるんでしょうね。
ダイアナ王妃が亡くなったガードは行った時見て来ました。
by 旅爺さん (2012-05-13 09:41)
ティアラは私も結婚式でつけましたので
大変興味深く読ませて居たっだきました。
こんなにご存知なのに片足のつま先を突っ込んだくらいなんですか~。
知れば知るほど深い世界なんですね。
また、機会がありましたらご披露ください^^
by MANA (2012-05-13 11:38)
ティアラは、女の子の永遠の憧れですよね。。(^^)
by ゆう (2012-05-13 21:53)
ティアラは綺麗ですね☆彡
正直「女性の装飾品」ぐらいしか思っていませんでしたが、女性の憧れなのですね♪
by ナベちはる (2012-05-13 23:58)
yes
by yiro (2013-11-15 17:21)