桜の反実仮想 [いろんなブンガク]
世の中に絶えてさくらのなかりせば 春の心はのどけからまし
訳: もしもこの世にさくらがなかったならば、春に心がこんなにかき乱されることなどないだろうに・・・・
在原業平は、平安初期の貴族です。
天皇の皇子の子でありながら、帝位争いに巻き込まれて不遇の少年時代を送りました。
成人してもおかしくない年になっていても、まだ子供の格好のままでいたといわれます。
血筋は良いのに不遇・・・・
だから彼は風流に生きるのです。
天皇の婚約者と駆け落ちしてしまうという大スキャンダルも引き起こし、身分の貴賤を問わずに多くの
女性と浮名を流します。
彼の有名なさくらの歌は、これまたメランコリックで抽象的な美しさに満ちています。
さくらという花があるから、春はこんなに心がかき乱されるんだよね・・・・・と。
デカダンの極致。
こんなことを言って暮らせたことは、ある意味、幸せだったような気もしますw
やまとピーターパン・・・
by Hirosuke (2012-04-09 05:33)
>反実仮想
「ましかば…まし」ですね。♪
by Hirosuke (2012-04-09 05:44)
子供の格好をした大人、、、なんとも言葉に出来ない不遇ですね。
ゆがんでしまうのも無理ないというか・・・
こういう方にとっては桜がまた・・・切なさをより濃くするのでしょうね。
by nana_hyr (2012-04-09 12:56)