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娘たちを嫁に出したがらない伝説の大帝^^;;; [l'histoires d’hommes]

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メロヴィングにとって代わり、フランク王国を制覇したのは、カロリングのシャルルマール(742~814)。
小ピピンの子で、トゥール・ポワティエ間の闘いでサラセン人を破って以来、46年の治世で
53回もの軍事遠征を行った偉大な王さまでした。

だから「金槌」=マーニュと呼ばれますが、カール大帝という名のほうが知られていますね。
上の画像を見るとわかると思うのですが、このお方はトランプのキングのモデルになった人ですって。

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さて、偉大な戦功は誰でも知っているので、今回は彼の人間味あふれるエピソードを。

195cmの巨漢でふさふさとした銀髪、簡素な服装を好んだ王は、生涯で五人の妻と四人の愛妾を
持っていました(そのほかは数知れず)。

一番目の妻とは若気の至りで(;;;;)結婚、二番目は母親の言いつけで仕方なく、三番目は
とても愛したけれど先立たれ、なんやかんやで5人なのですって。

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とても子ぼんのうだったようで、どの妻から生まれた娘も息子もそばに置いて、宮廷でかわいがって
育てていたそうです。子どもは20人くらい。

ヨーロッパ中を戦いで回る間も、大家族を引き連れていったというので、子供たちとのコミュニケーション
を大切にするお父さんだったようですね。
でも、行き過ぎもあったようで・・・・^^;;;

charlemagne3.jpg

とくに娘たちに対して。
みんな美しくて、シャルルマーニュはたいそうな親バカでした。
権力者ならば自分の娘を諸国の権力者に嫁がせて親戚関係を作り、また力を強める…・という
方法をとることが一般的ですが、彼はそうではありませんでした。

娘たちを誰とも結婚させずに、自分の手元に置くことにしたのです。
そしてそのことを公に宣言しますwwww

「カロリング・ルネサンス」と呼ばれることもある、彼が推奨した文化推進策は、彼の宮廷を華やかなものに
しました。哲学者、知識人、修道僧など、当時の英知を宮廷に集めたのです。

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そしてそこに花を添えたのが、彼の娘たち。
美しく華やかな姫君たちは、しかし、父におとなしく従っていただけではありませんでした。

なにぶん、若い姫君たちです。
美しいとくれば周りの殿方も放ってはおかないでしょう。
結婚こそはしなかった(できなかった)ものの、恋愛はしたようです。

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騎士、貴族、吟遊詩人、ある意味、姫君たちの恋の相手は宮廷に掃いて捨てるほどいたのですwww
(しかも、才能あふれる殿方ばかり!!)
恋人の子を産んだ姫君もいたそうですが、シャルルマーニュはどんな噂を聞いても事実を知っても、
見て見ぬふりをしていたようですww→子供まで生んだのならば結婚させてあげてもいいのに・・・。

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娘たちが結婚したら婿たちが力をつけるから、それを恐れて結婚させなかったという説もありますが、
大帝国を築いた大帝がそんな小さなことを気にするかなと思ってしまいます。
あるいは、自分自身が女好きで浮気者だから、娘たちには男にひどい目に遭わされてほしくない
という、なんともいえないオトコオヤの親心だったのかもしれませんよ・・・。

なかには勝手に結婚してしまう姫君もいたようですが、娘を嫁に出さないことを決めた父って・・・・。
娘を権力の道具にする王様は共感できませんが、娘を一生嫁に出したくない王様も、なんていうか・・・
逆に困りものですね;;;;;;


ちなみに彼の死後は、王国は条約によって分割されて、ドイツとフランスとイタリアになりました。



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BlueRidgeWalker

いつもniceをありがとうございます。
nikiさんの博学ぶりと、守備範囲の広さにいつも驚いております。
あたくしのほうはヨーロッパの歴史はどうもアキマヘン。僅かな知識も点でしか無くて、繋がってないんですよね。勉強しなかったせいもありますが、歴史教育自体もよくなかったような・・・。事象の羅列でなく、もっとダイナミックな、人間っぽさの感じられる授業を受けていたらもっと興味を持てたような気がします。現在ヨーロッパよりは短くて簡単なアメリカの歴史を勉強中(^^)
by BlueRidgeWalker (2011-08-28 01:00) 

くま・てーとく

ヨーロッパ史上一番メジャーな王さまですよね。
どの国の歴史を見ても必ず出てくるし、ワインの歴史でも色んな国でワインの発展になくてはならない人物として登場するし。
そんなマルチで偉大な王にも、可愛い一面があるんですね♪
ちなみに、シャルルマーニュってワインは大好きです♪
by くま・てーとく (2011-08-28 11:25) 

美美

娘への愛なのか、自分勝手なのか
紙一重ですね^^;
by 美美 (2011-08-28 11:28) 

夢旅人

オォ~、さすがKING.
王様はいつの世でも、困り者なのですぞ!!!
総理大臣も、そうだがね・・・
by 夢旅人 (2011-08-28 12:35) 

ダイナ

単に、独占欲の強い自己中なおとっちぁんに違いない(笑)
by ダイナ (2011-08-28 17:21) 

マチャ

こういう人間味のある人物、大好きです。
最近はカール大帝の呼び名よりシャルルマーニュの方が教科書でも
優先的に載ってますね。僕はその移行期でした。
ヨーロッパの歴史で欠かせない人物で印象に残っていますが、
こんなエピソードがあったんですね。
僕は西洋史は専門外なので、いつも勉強になります。
by マチャ (2011-08-28 19:35) 

シービーちゃん

父親の心情としてわからない訳でもないですが、身勝手ですね。でも、こういう人間って、憎めないというか、好きなタイプです。
by シービーちゃん (2011-08-28 21:41) 

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