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Je reviens・・・ [l'histoires de femmes]

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Je reviensという香水があります。
美しい南フランスの海のような色のボトルで、フローラルアルデビドのいかにも
フランスらしい・・・というイメージの香りです。

「私、戻るわ」と訳されます。
なんか意味深な名前ですね。

15世紀の女性、フランソワーズ・ド・フォアは、なんかこの言葉にピッタリです。
彼女はフランシス1世という王様の愛妾の一人で、シャトーブリアン伯爵夫人と呼ばれました。
(フランシス1世はワルママのルイーズ・ド・サヴォワの息子です)

彼女は王の愛妾でありながらもちゃんと愛する夫がいたのです。

ロートレック子爵の娘で、幼いころからすごい美少女。
ブルターニュのお城で侍女としてつかえていた時に、19歳の美青年貴族に見初められました。
うわ~、光源氏と紫の上みたいです@_@

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彼の名はジャン・ド・ラヴァル。
彼女は14歳で女の子を生みます。

子供が生まれて1年後、二人は結婚するのです。
いまでいうできちゃった婚みたいですね。

でも二人はそれはそれは仲睦まじく暮らしていたのです。

フランソワーズは結婚してもその美しさを失うどころかますます色香を増して、魅力的な女性になります。
黒髪にすらりとした長身、出るところは出ていて誰もが羨むプロポーション。
ラテン語を話し、詩を制作することも。

美女大好きなフランソワ1世は彼女のうわさを聞いて、いてもたってもいられなくなり、ラヴァル夫妻を
自分のもとへ呼びつけます。もちろん、絶世の美女という噂のフランソワーズ見たさのためです。

でも夫は勘付いて、妻は病気で来られませんと言ってフランソワーズを置いていきます。
どうしても彼女を見たい王は、何度もしつこく呼びつけます。
そして手違いでついにフランソワーズがやってきます。王の計略にはまったのです。

もちろん、彼女を見て王はひとめぼれをしてしまいました。
でも・・・・彼女はなかなか王になびくことはありませんでした。

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もしかしたら彼女は相当したたかな女性だったのかもしれないです。
彼女の気を引くために、王は彼女の夫を重役に就けます。兄はミラノ総督です。

それから王はプレゼント攻撃を開始しますが、彼女は絶対になびきません。
自分がもったいぶればぶるほど、王は夫を昇進させたり彼女を丁重に扱ったりするのです。
なびくと見せかけてふいとそっぽを向く。
冷たくしたかと思えば、優しく話しかける。

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こうしてじらすこと2年!!

普通の男性ならば、望みがないとあきらめるでしょうか。
でもお王は百戦錬磨の風流人です。
じらされる恋愛ゲームは嫌いではないのです。
すぐに手に入る女はつまらない、手に入れるまでてこずるほうがおとし甲斐がある・・・・とばかりに
翻弄されるのを楽しみます。

フランソワーズのほうもじらせばじらすほど夫が優遇されるので、がんばります。
でもやはり女性ですから、そうしているうちにも王に好意を抱いていきます。

でも、覚えてます? ワルママのルイーズ・ド・サヴォワ。
彼女はフランソワ1世を溺愛する母ですが、フランソワーズが大嫌い。
そりゃあ、息子を振り回す小悪魔な小娘に好意をもつ母親はいないでしょうけれど。

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まだほんの少女のころに見初められて結婚したフランソワーズは、20代になっていまや第二の
女の人生を謳歌していました。

ワルママが彼女を気に入らなかった別の理由は、フランソワーズは王の愛妾でありながら、あちこちで
愛人を作っていて、その何人かはワルママが目をつけていた殿方だったからです。

一度、ひとりの男性を取り合ったこともありました。

王が神聖ローマ帝国のカール5世の人質になると、ワルママとの対立を避けて夫のもとへ。
平穏に暮らして宮廷での華やかな「遊び」はすっかりわすれたころ、王が帰国して、新たな美女が
その寵愛を受けていると聞くと、彼女は宮廷へ舞い戻ります。

たんに悔しかったからなのか、あるいは夫とは違う愛情を王に持っていたのか。なぞです。
しばらくその新しい愛妾と寵を競いましたが、すでに王の寵が自分にすべて向けられていないと悟ると、
また夫のもとへ戻りました。

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夫、寛大ですね。
君主が自分の妻に横恋慕したのに、王に逆らうことはできないためにおとなしく従うしかなかったようです。

それにしても、戻る場所があるなんて、フランソワーズは女冥利に尽きるラッキーなひとでしたね。
逆はよくきくけれど^^;;;


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さうざんバー

じらしたカイがありましたね(^^;)v それによって、ご主人さんは出世したんですもんね!(^^;)ゞ 女性には強かさが必要ですね(^^)v

by さうざんバー (2012-09-22 07:57) 

水無月

きっと、とても魅力的な女性だったのでしょうね^^
by 水無月 (2012-09-22 14:01) 

hanamura

天使か?悪魔か?それは人の心 次第
by hanamura (2012-09-22 19:05) 

mayasophia

とてもとてもおもしろく興味深いお話です☆

歴史上に数多くの小悪魔はいても、平和に過ごせた人は少ないようにも思います。

その香水をつけた女性が小悪魔のように恋愛上手になったらおもしろいですね(笑)


by mayasophia (2012-09-22 22:40) 

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