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預言者と王妃 [l'histoires d’hommes]

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ミシェル・ド・ノートルダムは16世紀に生きていたフランスの医師でした。
最初の結婚で妻子を失くし、失意のどん底で各地を放浪しながら医療活動をしていました。

二度目の結婚をしてからは腰を落ちつけていましたが、その頃に発表した詩集が預言書として
有名になり、いつしか医師としてよりは預言者として名を知られるようになったようです。

彼の名はラテン語読みでは、ノストラダムスと言います。

人の一生はこの世に生まれ落ちた時に既に決められているという考え方は、西洋にも東洋にもあります。
占星術とはいっても、〇月△日から☓月〇日生まれは何座とか、そういった類のものではありません。
生まれた時刻までを明らかにして、星座のアスペクトを読み解いてゆくのです。

ノストラダムスは放浪期にどこかでそれを深く学ぶ機会があったのかもしれません。
リヨンで発表された『予言集』に納められた多くの詩は、未来を予知していると評判になりました。

これに目をつけたのが、イタリアから輿入れしてきたフランス王妃カトリーヌ・ド・メディチでした。
彼女はトスカナからありとあらゆる叡智、つまり医師、占星術師、錬金術師、料理人らを引き連れて
やってきていました。

ルッジェーリ兄弟という占星術師たちも連れてきていて、彼らはすでにカトリーヌはフランス王妃となり、
子供を何人か産むという予言をしていました。

日食の日に生まれた彼女は、自然と迷信深くなっていたのかもしれません。
カトリーヌはノストラダムスを召し抱えます。

ノストラダムスによれば、カトリーヌの夫・アンリ2世は不慮の事故で亡くなる、そして彼女の3人の
息子はすべて王位につく、ということでした。

予言は当たります。
王は槍試合で目を突かれ、苦しみながら数日後に死亡したのです。

そして3人の王子たちもお互いを憎しみ合いながらもすべてが王位につくことになりました。

「1999年に恐怖の大王が空から降ってきて・・・」というのを、この世の終焉だと思った人たちは、
2000年を迎えてほっと胸をなでおろしたことでしょう。

こじつけと言えばそれまで。

読み間違えれば大外れの未来が待っています。

まあ、一般人は知らぬが仏、ですねwwノストラダムスに影響を与えた人物は、医師で占星術師でもあった
彼の祖父だそうです。

彼が医師としての医学よりも占星術に興味を抱いたのは、やはり
放浪の旅あたりからだったのでしょう。

彼はカトリーヌ・ド・メディチに彼女の死をこう予言します。

「あなたはサンジェルマンの側で死ぬでしょう」

1589年にカトリーヌが危篤になった時、その場所はサンジェルマンから
遠く離れていました。だから彼女はまだ自分は死なないのだろうと思いました。

でもいよいよ弱って聴罪司祭を呼びつけたらいつもの司祭ではありません。
名前を聞くとその代わりの司祭はサンジェルマンと名乗ったのです。

では、私はもう終わりなのねと言って、カトリーヌは亡くなったと言われます。

ノストラダムス自身も、自分の死期がわかっていて、弟子に葬式の準備をする
ように言い残して、明日きみは生きている私には会えないだろうと言った翌日、
亡くなったそうです。

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風太郎

ノストラダムスのこの世の終焉の予言を信じて、家族を連れてどこへ逃げるか真剣に考えて日々寝られない人がいました。僕たちがなにも起こらないから大丈夫だと言っても、お前たちは信じないのかという表情。結果はご覧の通りです。
by 風太郎 (2012-09-18 05:32) 

さうざんバー

ノストラダムスの大予言は、世紀末の最大のメディアのネタでしたね(^^)でも、何時の世も世紀末は恐ろしいものだったようですが、今度はマヤ文化の世紀末が来るようです(^^;)良い予言は無いものですかね??戦争が全く無くなる!とか、世界の領土問題全部解決するとか・・・(^^;)ゞ
by さうざんバー (2012-09-18 10:49) 

Hirosuke

未来を知ると、人は過ちを犯します。

シェイクスピア作『マクベス』のように。

by Hirosuke (2012-09-18 14:43) 

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