Biaの肖像 [l'histoires de femmes]
ルネサンスの黄金時代の最大のパトロンにして実力者であったロレンツォ・イル・マニフィコ。
メディチ家の最盛期の君主として知られます。
彼のおじいちゃん、コジモは、温和で人々の信頼厚かった父親のジョヴァンニのあとをついで、
黄金時代の礎を築き上げた人物です。
彼には美人なスペイン人の妻との間に11人の子がいました。そのうちの数人は生まれてすぐに
亡くなっていますが、、数人はメディチ家に名を残しています。
今回は、この11人の中に含まれない、彼のおそらくは最初の子供についてのお話です。
この絵はアニョロ・ブロンジーノという画家が描いたものです。
ビアの肖像、と呼ばれます。
ビアというのはおそらくはビアンカの愛称なのか、あるいは「ちっちゃな女の子」という意味なのかは
はっきりとは分からないそうです。
まだとてもあどけない、幼女が着飾っています。
彼女はコジモがまだ10代のころに生まれたと言われます。
母親は秘密にされたようです。
コジモはこの子を大変かわいがっていたそうですが、彼が結婚することになった時、妻に気兼ねしたのか、
妻がいやがったのかはわかりませんが、おばあちゃんのもとに預けられました。
でも、フィレンツエからはなれた田舎で、彼女は幸せに暮らしていたそうです。
イトコにあたるジュリアとおばあちゃんと、他の子供たちと仲良く暮らしていました。
でも6歳の時、熱病にかかったのです。
ジュリアもかかったのですが、回復しました。
ビアだけが、そのまま亡くなってしまいました。
コジモは悲しんで、この絵を描かせたそうです。
彼の長女は嫡出子のマリアということになっていますが、ホントはビアがコジモの第一子でした。
それでも彼女の遺体は、メディチ家の地下に埋葬されたそうです。
幼いビア。生きていたらどんな人生を歩んだのでしょうね。
6歳の女の子の肖像画とは思えない、凛とした女性らしさを醸し出す絵ですね。愛情が込められているのでしょうね。
by ラン (2012-08-27 00:12)
可愛らしさと美しさが両方感じられる肖像画ですね。
by 水無月 (2012-08-27 12:53)
美しく成長するのが目に見えるようです。
でも「美=幸」ではないんですよね、この時代って。
そんな矛盾が藝術の源泉なのでしょうか。
by Hirosuke (2012-08-27 19:27)