月桂樹になったダフネ [Mythologyのみそ]
ゼウスの息子で太陽の神アポロン。月の女神アルテミスは双子の姉です。
彼は医術の神でもあり、誰でも死に至らしめる恐ろしい弓矢を持っています。
あるとき、キューピッドのほんのいたずらで、恋に落ちるのです。
キューピッド(エロスのことですが)は、二つの種類の矢を持っています。
一つは鉛でできた矢じりの、恋をはねつける矢。
もう一つは、金でできた矢じりの、恋に溺れる矢。
キューピッドは鉛を河の神の娘でニンフ(妖精)のダフネに、
金の矢をアポロンに射ち込みました。
たちまちのうちにアポロンはダフネに恋してしまいます。
でもダフネは恋をはねつける矢を射られたので、アポロンの恋心を受け取ることができません。
アポロンはゼウスの子にして、世界中の人々に信託を下す偉大な存在。
そんな彼でも、ダフネひとりの心をとらえることができないのです。
狂おしげにダフネを追いかけるアポロン。
つれなく逃げるダフネ。
彼女は逃げ回るけれど、ある時、アポロンに追いつかれそうになります。
女ならばだれでも喜んで太陽神の愛を受け入れるでしょうに、彼女はキューピッドの矢で
とことんまで彼を拒否するのです。
あやうく捕まりそうになった瞬間、彼女は河の神である父に祈ります。
「お願いですから、どうかわたくしの姿を隠して! そうでなければ、わたくしの姿を変えてくださいな!」
するとどうでしょう、アポロンが彼女のウエストをとらえて抱きしめると、彼女が天に伸ばした手はこわばって、
指先から徐々に、細い枝になり、葉が生えてきました。
彼がとらえた細い胴は木の皮に覆われはじめ、やがて彼女はしなやかな若木になり果てたのでした。
アポロンは悲しんで、こう言いました。
「私のものにならないのなら、私の木におなりなさい。あなたは永遠の若さを保ち、
編まれて英雄たちの頭を飾りなさい」
ダフネは月桂樹になり、アポロンの言葉通り、勝者のシンボルとなったのでした。
1000記事おめでとうございます。
by ねじまき鳥 (2011-09-01 00:17)
こんばんは☆
by arles (2011-09-01 05:22)
1000記事、おめでとうございます。
by toshi (2011-09-01 06:51)
ギリシャ神話は悲しい話が多いですね。
僕の恋の歴史も、重過ぎて悲し過ぎて、書いてて辛いです。
でも書いてます。
by Hirosuke (2011-09-01 16:12)
月桂樹の甘い香りは
ダフネの残り香だったんですね。
by 小峰庭苑 (2011-09-01 17:06)
いつも思うのですが・・・月桂樹の香り、甘いかしら???と。
でも、
この絵の月桂樹ならダフネ効果で甘く匂いそうですね!
by minK (2011-09-01 17:41)
こんばんは。
神話の絵にも深い意味が隠されていたりしますよね。
by kuwachan (2011-09-01 21:13)
アポロンの頭を飾る月桂樹の冠ってダフネの枝なんですよね。オリンピックで月桂樹がモチーフに使われるのもこの神話が元だとか。私は勝者じゃないけど煮込み料理に良く使います。
それにしても、キューピッドって結構酷いことしてますね(笑)。
by 千波矢 (2011-09-01 23:22)
おや、再アップですね♪
by Hirosuke (2012-04-17 10:30)