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女王の心の支え [l'histoires d’hommes]

かつて、ジョージ3世の四男であったケント公エドワードは、ジプシーの占い師に
こんなことを言われました。

「あなたは、若いうちは苦労するでしょう。でも、年をtったらとてもよくなる。
お子さんが、えらい君主になるでしょうから」


でも、生まれたのは女の子でした。
彼は複雑な気持ちでした。そして半ば当たっていなかったのは、彼がその晩年の
幸福を実感することなく、子供が生まれて間もなく、病死してしまったことでした。

結局は、ジプシーの占いは当たっていたのですが。なぜって、その女の子は、
イングランドの女王になったのですから。

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彼女の名前はヴィクトリア。そう、大英帝国の繁栄の時代を築き上げた女王です。
イギリスに暮らしながら、3歳までは母方の母国語であるドイツ語しか話せませんでした。
しかし利発な子であったヴィクトリアは、数か国語はもちろん、様々な教養を身に着けた
レディーに育ちました。

18歳の時に王位に就いて、母方のいとこと結婚し、仲睦まじく英国を統治したことはまりにも有名です。
夫の死後は公式の場から一切引退して、死ぬまで喪服を身に着け、モウニング・ジュエリーなる奇異な
ジュエリーを流行らせた女王ですが…・

じつは。

最愛の夫亡き後、狩猟番のジョン・ブラウンを恋人にしていたと言われています。
40で未亡人になったヴィクトリア女王が、もう二度度と誰も愛さないと誓ったとして、
そのあとに誰かを好きになっても、まったくおかしくはないでしょう。

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愛する人がいなくなると、こころにはぽっかりと空洞ができます。
しばらくは何をしても何を見ても、何でもってしてもその空洞はふさがりません。
でもそこに誰かほかの人が徐々に入り込んだとしても、不思議はないです。

秘密結婚までしたと、いくつかの事実を証拠として挙げている人もいるようですが、
秘密結婚していたかどうかなんて、どうでもよいでしょう。

皇太子の起こしたスキャンダルのせいで病状が悪化して亡くなった夫。
彼女は息子を憎んだと言います。
味方のいなくなった彼女は、物静かな森番と心を通わせたのです。

恋人であろうが、生涯の友であろうが、心の支えだったに違いありません。
女王が亡くなったとき、彼女の子供たちは、ジョン・ブラウンに女王が与えた称号も
何もかもを取り消させたと言います。

a.vic (2).jpg

もっとも、もう二人ともなくなっていましたから、なんの弊害もないですけれどね・・・。





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きんた

1,000記事達成おめでとうございます(^^)/。
by きんた (2011-08-31 19:24) 

achille

to niki

  一連の、エリザベスのクダリを大変興味深く
 拝読してるんだ。
 おかげで毎回
  「へぇ~、そうだったのかぁ~!」だよ。
 読み終えると、これも毎度 "知ったかぶりカイツブリ" 状態。
 誰かに教えたくって、教えたくって、ウズウズ。
 まあ、受け売り120%なのは間違いないし、お恥ずかしい
 限りさ。

by achille (2011-08-31 20:42) 

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