稀代のアヴァンチェリチェ [l'histoires d’hommes]
彼の出生は定かではありませんが、1743年ごろ、シチリアの靴屋の子供として生まれたようです。
名前は、ジュゼッペ・バルサモ。 この本名だけを聞いて彼の正体をわかった方は、相当の通ですね!!
彼は幼いころに父を亡くし、伯父に引き取られますが、街でも名だたる悪がきの不良になります。
そしてまだティーンネイジャーの時に殺人事件にかかわって故郷を逃亡しました。
彼は背が低くずんぐりした体形の、お世辞にも美形とは言えない男でしたが、知能は高く、口がうまく、
あらゆる悪事を堂々と(?)行う度胸を持ち合わせていました。
のちに彼は大ぼら吹きとなり、自分の経歴に壮大な脚色をして吹聴しますが、どこまでが嘘かホントか
・・・考えるだけムダですね☆
やがて彼はローマでドンナ・ロレンツァという美女と結婚します。
そして二人で怪しげな占いをしたり、「媚薬」や「若返り」の薬を売ってヨーロッパ中を回りながら詐欺を働きました。
誇大妄想なのか、ただのペテンなのか・・・いつしか彼は、自分をカリオストロ伯爵と名乗り始めました。
お金に困ると美人の妻を使ってつつもたせや、売春もさせていたようです。
東西南北を稼ぎまわり、彼の名も次第に知れ渡ってきます。
それにしても、学識も財産もない彼がこれほど人々を煙に巻いて名声を高めていくとは、
運のよさ(?)と経験のおかげでしょうかww
サン・ジェルマン伯の紹介によって、イギリスではフリーメンソンリーに入会します。
彼は独自の教義の一派を作り、パリへ移りました。
バカ高い入会金を貴族たちからせしめては、夫婦で豪遊の日々。
彼の絶頂期は何と言っても王妃の産む子が男の子であると占いでした予言が的中したときでした。
つくづく、運がよいですね。二分の一の確立に勝ったのですから!
こういう、貴族相手に口先で社交界を渡り歩く人をアヴァンチェリチェと言います。
術策家、という意味です。
そして転落です。
有名な「首飾り事件」にちょっとかかわったために、バスティーユに投獄されます。
一応、放免されますが、フランスを追放されました。
首飾り事件はこちら→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-07-13
そしてローマに戻り、フリーメーソンリー支部を作ろうとして、その天敵であるヴァチカンに睨まれて
逮捕。裁判で経歴詐称がばれて投獄、牢屋で人生を終えました。
・・・自分が貧民出身のため、貧しい人々のことは無料でヒーリングしてあげて、病気を治してもらったという
人は、5万人くらいいたそうです。彼がカモにしたのは、お金持ちだけだったのですね。
でもまあ、ペテン師の末路は、こんなものです。
笑福亭鶴瓶さん主演の『ディア・ドクター』をなんだか思い出してしまいました。
もちろん、ジュゼッペ・バルサモの方が(?)悪意があったかもしれませんがw
騙されるなら、上手く騙されたい。
騙されたと知っても、まぁいいかという人に騙されたい・・・^^;
by nana_hyr (2012-02-24 03:52)
うーん、1枚目の肖像画は自分の会社の事務長にそっくりです。
by punchiti (2012-02-25 12:50)