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コルティザン [Movies 2 C]

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コルティザンとは、「法廷」と言う言葉から派生した言葉です。
中世は、法廷は政府の中央機関であり、君主の住居でもありました。
その「法廷=コート)」に出入りする人、転じて貴族たちの中で華やかさを添える娼婦たちのことをそう呼ぶようになりました。

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昔の女性は社会的な制約がいろいろと厳しかったのです。
もちろん、貴族の娘は勝手に外出などもできません。
だからこそ花を添えるのは、それ以外の階級の若い女性たちでした。

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でも一口に「娼婦」といっても、イメージはずいぶん違っています。
当時の娼婦はランクによって呼び名が違っていて、貴族や諸侯、一国の王までも相手にするコルティザンが
いました。一般的には、二種類に分けられたようでした。

Cortegiana Onesta とは知性と教養と美を兼ね備え、
Cortejiana di Lumeとは今現在その言葉からイメージされるような下層階級の娼婦たちです。

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現代の私たちからするとちょっと理解しがたいのですが、前者は自由を夢見る女性たちの憧れの職業でした。

たぶん、日本の花魁や李氏朝鮮時代の妓生(キーセン)がイメージ的に近いと思われます。
美しい容姿、深い教養、歌や踊りの才能、高い知性、すべてを兼ねそろえたものだけが、
大貴族や君主の「お気に入り」となり、莫大な富を築きあげることもできました。

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実在したルネサンス期のインペリアというコルティザンは、「ローマの花」と呼ばれ、男たちの
憧れの的でした。これには母親の「英才教育」があったと言います。

実は彼女の母親もコルティザンでした。法王庁の高官の愛人となり、インペリアを産むと、
莫大な持参金を得て、別の官僚の妻となったのです。たぶん相手はもっと高位の高官だった
のでしょうね・・・。

母は娘をコルティザンにすべく、歌、踊り、知性、教養など、ありとあらゆることを学ばせました。
そして見事、ローマ一のコルティザンに育て上げました。

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ローマの大銀行家にパトロンになってもらい、彼女は召使をあまた抱える大豪邸を構え、
貴族さながらの豪奢な毎日を送っていたと言われます。また、あの芸術家のラファエロを一時期
恋人にしていたこともありました。

貴族、法王庁高官、外国大使、芸術家、あらゆる男性たちが彼女に魅了されました。
それなのに、彼女はたった31年の生涯を服毒自殺で閉じてしまいました。
あまりにも突然のことだったので、誰にも理由はわからなかったそうです。
莫大な財産は、修道院に預けた娘にそのほとんどを、一部を母親にと遺言したそうです。

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娼婦は世界最古の職業だと言われています。
ローマの皇帝の妃でさえも、夜になると娼館に出かけて娼婦に身をやつしたという女性もいます。
彼女の場合は趣味でしょうけど(笑)、貧しさのために身を売る女性が多かったようです。

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これはフランス版のジャケットです


A Disteny of her ownは、ヴェネチアのコルティザンの話です。
原題を訳せば『彼女自身の運命』。
邦題は『娼婦ヴェロニカ』。インパクトを狙ったんでしょうけど(このタイトル、安っぽくてキライです)。

イタリアがまだ小さな共和国に分かれていたころ、16世紀のヴェネチア共和国。
封建社会で、女は男の所有物であり、自分の幸せなど願えるわけもない時代でした。

ヴェロニカはマルコを愛したけれど、彼は貴族、身分違いで決して一緒になれない運命でした。
庶民の娘が貴族と渡り合うには、コルティザンになるくらいしか道はなかったのです。
このヴェロニカは、やはり実在の人物でした。

cour.VeronicaFranco.jpgヴェロニカ・フランコ。

ヴェロニカは国防大臣に目をかけられて、美しいコルティザンになります。
彼女がコルティザンになったと聞いたマルコが会いに来ても、彼女は彼を拒絶します。
このあたりが、女心なのです。

やがてヴェネチアはトルコとの戦争が始まり、国家存亡の危機に。
フランス王の援軍を得るために、彼女がフランス王に送り込まれることに。
国の運命を背負った彼女は、フランス王のもとへ。

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そして見事に援軍を得ることに成功します。
しかし女たちから妬まれて、おりしも蔓延した黒死病(ペスト)をひろめた魔女として、魔女裁判にかけられることになるのです。

運命に流されるのではなく、運命に挑むことを自ら選んだ女性の物語です。



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『きみはペット』 [Movies 2 C]

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原作を知っていれば、だれでもちょっとは期待してしまいますよねっ。
私は一応、子供のころは少女漫画も読んでいましたが、どちらかといえば弟の漫画のほうが
面白くて、ジャンプとかマガジンを読んでいましたw

で、この原作はそんな私が唯一、保存している全巻そろった漫画ですw
日本でもドラマ化されて小雪と松潤が主演したので、知ってる方も多いでしょう~~^^

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韓国では映画化されました。

すみれは名門大学を出たバリキャリ。
美人だし背も高いです。

そんな「完璧」で「すべてを兼ねそろえて」いるかのような彼女に、周囲は冷たいです。
上司からはいじめられ、女子社員達からは敵視されます。
「コワイ」とか「ヒトをばかにしている」とか、とにかく煙たがられる損な存在です。

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彼女自身はすべて努力の上に手に入れただけなのですが、もとが不器用な性格なので、
どうしても自己表現がうまくできないために誤解を受けるのです。

だから当然、ストレスも溜まります。
そんな彼女はある日、一人の男の子を拾うのです。

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段ボールに入った男の子。なぜか彼女になついて、ほんの冗談のつもりで「ペットならおいてやってもいい」
というと、居ついてしまいます。そして彼女は彼を昔飼っていた犬と同じ名前、「モモ」と名付けるのですw

映画では原作にない弟がいて、勝手に友達に姉の家に居候を許可してしまうという設定でしたが・・・
原作での姉と妹、親友のゆりやライバルの福島が出てこないのは残念ですが、
おおよその筋は原作に沿っていました。

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周囲とうまく行かずにピリピリしていたすみれは、モモのおかげですこしずつ変わっていきます。
ペット効果?

モモはすみれが高学歴で背が高くても、自然体で接してくれます。
足を引っ張るようなこともしません。ひがむこともありません。
次第に彼女も心を開いていきます。

原作のすみれは格闘技マニアでK-1大好き、よくモモにも技をかけます。
家庭環境もかなりユニークです。
映画の中でも技をかけて楽しんでいるシーンがありましたw

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映画はやはり、より韓国らしい設定になっています。
ホントにモモを犬だと思い込んでするひとりごとは、女性ならばみんな思ったことがあると思います。
すべてにおいてストレスがたまる状況は、お国柄は違えどもかなり共感できます。

夜の公園で踊るシーンはかわいかったです。

すみれはキム・ハヌルが演じました。
美人でスタイルも抜群、適役です。

すみれの親友・ゆりが出てこない分、大学時代の友人たちが出てきてガールトーク炸裂w
(原作のすみれは、ゆりしか親友はいませんがw)
韓国の働く若い女性たちも、日本の女性たちと同じような不満を抱えているようです。
私の韓国の女友達は現実を生きているので、もっとシビアな悩みを持っていますけれど・・・。

「男に貢ぐなら、ペットを飼うほうがはるかにマシ」(笑)

転がり込んできた男の子は、「犬だと思って、いやむしろ、ペット人間」と、ペットになることを
申し出ます。

まぁ、実際にはあり得ない設定ですが、とても好きです、この原作w
今回、ついつい、全巻読み返してしまいましたw

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誤解されても悪者にされても、誰か信じてくれる人がいればいいのです。
「がんばってれば、ちゃんと見てくれる人が必ずいるから」と、原作でも言っています。

サングラス掛けてシャンプーする名場面は、ドラマでも映画でも使われていました。
そのうち、花団みたいに台湾版も登場するでしょうか?
とにかく、原作もドラマもこの映画も、すべて見てみると面白いと思います。


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Eat,pray,love [Movies 2 C]

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たとえば、日常のすべてをそのままにして、中くらいのサイズの鞄一つに必要なものだけを詰め込んで、
今とは全くの別世界に旅立てるとしたら、何を持っていきますか?

日常は平凡で退屈で、なにか楽しいことは起きないかしらと思うこともあるけれど、もしも一生に一回でも
そんなチャンスがあったら行ってみたいけれど、それは結構、勇気のいることですね。

なにものにも執着心がないのならば、あ、それでは、と言えるかもしれない。
でも現代に生きる私たちには意外としがらみが多くて、会社はどうするの? 生活費は? いないあいだ、
家のことはどうするの? 電気料金とかペットの世話とか、電話の支払いとか・・・・・

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なんて考え出すと、結局は二の足を踏んでしまいますよね。
日本食が恋しくなったときはどうするの?! なんて思う人もいるかもですね。

第一、鞄一つに荷物を摘めて長期間旅するなんて、とても難しいです!
私は出かけるときはたとえ1泊でもあれもこれもないと落ち着かないために、大荷物を持ち歩くハメに
なってしまうのですw

この映画は、エリザベス・ギルバートの本を映画化したものだそうです。
主人公の名前も本人のまんま、リズ。

リズはNYのライターです。8年連れ添った夫がいて、成功した仕事があって、友達もたくさんいるけれど、
どこかなにか満たされなくて、ついに夫に離婚を申し込みます。

そして自分を救うために、旅に出ます。

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初めはイタリア。
発音もできなかったけれど、友達を見つけて次第になじんでいきます。
イタリア語は身振りで話す、なるほど、納得w
おいしい食事、ゆったりと流れる時間、自由を謳歌する人々。

私はひとり。ひとりぼっち・・・・

時に孤独を感じて涙することもあります。
外国に、なんのつてもなくひとりで乗り込んだことのある方なら、共感するでしょう。
でもそれは、自分と対峙するのに必要な時間なんですよね。
自分は何者なのか、どんな人間なのか、今まで、どんなふうに生きてきたのか。

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作者の感覚だと思いますが、古代ローマの遺跡を見て、彼女が感じたことをモノローグするシーンがあります。
その部分はきっと、共感する人が多いだろうなと思いますよ。
私も共感しましたw

その後彼女はインドへ。私は初めて知ったのですが、アシュラムという修行のための道場があるのですね。
そこで毎朝のお掃除と瞑想をしますが、どうにも集中できないのです。

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アメリカに帰ったら、新しい家に瞑想の部屋を作って、内装はどうしようか、そんなことばかり考えると
言って、瞑想の部屋は自身の中に作るものだ、とたしなめられたり。

私は集団生活は死んでも無理なので、アシュラムはだめだなぁwなんて思いましたけど・・・
自分を見つめなおす、ということは大切だなとも思いました。

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最後はバリ。1年前、9代も続くまじない師の元を訪れて、
「あなたはもうすぐすべてを失う、でもまた取り戻せる。結婚は2回。短いのと、長いのと」と予言されました。
そこへ、戻って写本の手伝いなどをしながら暮らします。

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それぞれの場所には、それぞれの生活があります。
そしてそのそれぞれに惹かれた外国人たちも、たくさんいるのです。

国籍とか生きてきた環境は関係なくて、共感できるものにひとは惹かれる。
異国の文化や暮らし方でも、それが自分の求めるものであれば、生まれは関係ない、そんなことを
感じました。

多くの人々と接するうちに、彼女は顔つきまでも変わってきます。それは内面も変化したことの表れなの
ですよね。人間は環境や考え方で、顔つきも変わるのです。
自分のことで精いっぱいの生活から、多くの人々のことを思いやるようになると表情も優しく、生き生きと
してきます。

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彼女はここで、恋に落ちました。ブラジル人の男性です。
「バリでは誰もがゲームみたいな恋愛を楽しむのよ」と、若いブラジル人女性が彼女に言いますが、
彼女はほかの人々のように恋愛ゲームはどうしてもできないのです。

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いつも笑いなさい、あなたの肝臓でも笑えるように笑いなさいと、まじない師のおじいちゃんが言います。
なるほど・・・・顔の筋肉だけを動かすのではなくて、内臓からの自然な笑い。
各地の人々の様々な言葉にはさまざまなヒントがあって、きっとその中のどれかにはっとさせられるでしょう。

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美食の国イタリアで知り合った女友達がピザに手をつけなかった時、リズが言うのです。
「あなたは、いままでに男の人の前で服を脱いだことがあるの?」
女友達が「ええ、あるわ」
リズが、「それで、今までに男の人が逃げて行ったことがある?」
女友達が「いいえ、ないわ」
するとリズが、「ならばいいじゃない。男の人は、女の裸が見られればうれしいの。気にすることなんて、
ないわ。私はこれを食べたらサッカーの試合を見て、明日、サイズが大きいパンツを買いに行くわ」と。
それで、女友達はにっこり笑って、自分のピザをほおばるのです。

これはアメリカ女性の視点で描かれているから、ちょっと違和感はあるけれど、たぶん日本女性ならば
ちょっと角度が違うと思うけれど、共感できる点は多いと思います。

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イタリアもインドもバリも共通していることは、アメリカの女性ほど女性は自由に生きられないということ。
17歳で親の決めた相手と結婚させられるインドの女の子、離婚など考えられないバリで、娘のために
全財産をはたいて離婚した女性。ひとはさまざま、生き方も様々です。

自分を救うための旅だったけれど、それはみんなを救うための旅になった、と彼女は言っています。
作者は実際に旅をして本を書きましたが、旅費は出版社が前払いしたそうです。

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断舎利という考えが去年はやりましたね。
何かを捨てるということは、新しいものを得ることなのかもしれません。

これ、お勧めです。
見たことない方は、見て感想を教えてください^^



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ニキータ [Movies 2 C]

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リュック・ベッソンの傑作の一つ。

不良少女が警官を殺して無期懲役に、そして政府の殺し屋として生まれ変わる。
こんなふうにひとことでいえば陳腐な感じがするけど、映画で見るとそうは感じないのです。

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普通の人は人を殺すことも殺し屋になることもないですけどね。
でも、たとえば、好きな人に対してなにか秘密を持つとかはあり得ることだと思うのです。

そのことで苦しんだり、自分の信条に反することをしなくていけないことでストレスをためてしまっているとか、
仕事のことで悩んだりとか。

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ニキータは人を殺すたびに良識的になるんです。

婚約者には何も言えないけど、彼はすべてを知っている。

「組織」から抜けるのは、大変なんです。
きゃしゃな体で死闘を繰り広げる彼女は、現代に生きる女性の生き方をデフォルメしているのかも
しれないですね。

戦う女は殺し屋もOLもみんな一緒なんですw

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この映画はアメリカで『アサシン』というタイトルでリメイクされ、TVドラマシリーズもできました。
マギー・Qのテレビドラマシリーズもあります。




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『TROY』とトロイア戦争 [Movies 2 C]

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お盆休み中にやっと(ほんまに今更ですが;;;)見ました。『TROY』。
見なくとも話の筋はよく知っていますが、とりあえずどんな映像なのか気になったので。

古代のギリシアやローマを描くということは、たぶん、中世を描くよりは大変なのでしょうね。
私の知識不足もあるのかもしれませんが、それとも俳優の人種的なことなのかもしれませんが、
ギリシアというよりはなんかローマっぽいな、と言うのが第一印象でした。

タイトル通り、トロイ戦争について描いています。
アキレウスが主人公で、トロイアの2人の王子、ヘクトルとパリスが目立っています。
ヘクトルは英雄なので当然かっこいいのですw

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トロイア戦争はトロイアの王子パリスがスパルタの王妃で絶世の美女ヘレンをさらってきてしまうことが
発端となるのですが、それにアガメムノンの征服欲の欲深さもからまって、ギリシア中の王たちが
太陽神アポロンに愛されしトロイアを攻めに来ます。

(ギリシア中の権力者がトロイアに集まってしまったら、そのあいだにどこかの国はクーデターが
起きたり、敵に襲われたりしないのでしょうか。またとないチャンスだとおもうのですがw)

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ブラット・ピットがアキレウスです。この人は表現力の幅が広い俳優の一人ですね。
すごいマッチョで驚きました。CG? それとも役のために鍛えたのですか?

おいしい役と言えばそれまでですが、あのあまりにも有名な「かかと(=急所)」をパリスに射られて
死ぬという場面はさすがだなと感心しました。他にも矢を受けていますが、それらはすべて自分で抜いちゃう
けれど、かかとだけは抜けないんですね。

冒頭からしばらくのセリフ回しは古典ぽくてなかなか良かったです。
トロイアの第一王子ヘクトルのエリック・バナもかっこいいです。
『オデュッセイア』の英雄オデュッセウスが脇役で語りべ。

アキレウスのママのテティスもちょっと出てきます。
海の精霊らしい登場の仕方でしたが、神話ではたぶん成長してからは会わないですが、アキレウスが
トロイ戦争に参加することは名を残すが必ず死ぬ、ということをわかりやすく伝えるために登場したのかも
しれませんね。

アキレウスの誕生についてはこちら→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2012-04-23-4

この中では神の血を引くのは実の親がゼウス(表向きは人間の王の娘)のヘレンだけでしょうか。
アキレウスはママが海の精霊ですから、正確には「神の血」ではないかも?
(一応、半神ということですが)

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軍隊はCGですか? すごいです。
そのへんはお約束みたいな感じなので、たくさんいるなぁというくらいですが。
トロイア戦争は10年もかかったということが神話には書かれていますが、これは人間の数が増えすぎたから
いっそ減らしてやろうというゼウスの思惑だそうで。

パリスの腰抜け弱虫ぶりもいいかんじですw
オーランド・ブルーム、準主役ながらよくあんな損な役を受けました・・・。
最後は逃げちゃうしw

もとの話では戦死して、ヘレンはパリスの弟と結婚、その後またもとの夫のもとへ戻るという、あっぱれな
生き方をしますが。

アキレウスとヘクトルの闘うシーンはよかったです。
アキレウスの盾と鎧はヘラの子で鍛冶の神ヘパイストスが、育ての親テティスに感謝してその息子
アキレウスに作ってあげたものですが、カッコよくデザインされていました。
(映画の中ではそのことは触れていませんが)

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トロイの木馬も立体的で、今現地に飾ってあるやつよりいいかもww
あとは、登場人物たちが男女関係なくつけている髪飾り。
小さな金の輪っかをいくつかつけているのですが、なんか新鮮でしたw

・・・この映画の話の筋はずいぶん脚色されていますけれど、別にいいと思います。
トロイ戦争自体、大昔の叙事詩がモトになっているし、シュリーマンが発掘したトロイの遺跡は実は
別の層の遺跡かもしれないという意見もあるようです。

神様が一人も登場しない点がかえって良かったのかもしれません。
トロイア戦争は、トロイ側のアフロディテ、アポロン、スパルタ連合軍側のヘパストス、ヘラ、アテナ、
ポセイドン、中立のゼウスという神々の立ち位置も重要ですが、この映画には彼らは出ないのです。
登場していたら、安っぽくなっていたかも。人間臭さを表現したかったのかもしれませんね。

ブリセイスという女奴隷も実際に出てきますが、アガメムノンに横恋慕されて取り上げられ、そのせいで
アキレウスは戦争やーめた、となるのですが、映画ではトロイアの王子たちのイトコということになっていました。
そして正直言えば、なぜ彼女が突拍子もなくアキレウスに気に入られたのかがいまいちわかりません
でしたけど・・・・。

テティスの結婚式に投げ込まれた黄金のりんごから美女判断がパリスに委ねられた、という順番で考えれば、
アキレウスが生まれるのはその黄金のりんご事件より後なので、パリスのほうがはるかに年上のはず、
ですしねぇ。→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-11-25

木馬の登場もアキレウスの死のあとですが、映画では逆でした。

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映画を見て専門家がいろいろと批判したといろんなところに書いてありましたが、もとがフィクションと
ノンフィクションの交錯のなかで作られた物語なので、いろんな亜種があってもべつにいいかもしれません。
ただ、この映画を史実だと思うのは違いますけれどね。

第一、ホメーロス自身が真実を書きとめたとは限らないので。
ギリシアがトロイアを攻撃したことはしたらしいですが、かなり脚色されている模様です。

戦争はいつの時代でも罪のない人々や名もなき兵士たちが大量に命を落とすので、そのアノニモスな
暴力性がイヤなのですが、この映画や古代ローマを描いた映画は、エンターテイメントとしてスペクタクル
として、楽しめばいいのかもしれません。

なにせ、お金がたくさんかかっていますから、誰かの作り出した壮大かつ莫大なイメージを堪能するのも、
知りえなかった時代に思いを馳せるときのカンタンな手助けになりますw

日本の中古や中世を描くドラマや映画でも間違ったモノはたくさんありますが、まぁ、しかたないのです。
そんなものと思えばよいのです。専門家の目から見れば物足りなかったり文句をつけたくなるようなことは
たくさんあるでしょう。

神話にもたくさんの伝承があるし、どれか一つが真実とも限らないですね。
伝言ゲームのように伝承途中で何かが変形していくのは仕方のないことですし。
伝承とはそんなものです。
人によって解釈の仕方も違うし、何に心を奪われるか、焦点の絞り方によっても変わってきます。

一応、モトネタを知ったうえでこれはこれで楽しめばよいと思いました。
(違いを見つけるのもたのしいかも、ですw)


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グリーンカード [Movies 2 C]

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ウソから出たマコト、という言葉があります。

きっかけや始まりがどうであれ、それが真実になればいいじゃないの? というお話が、
世の中にはたくさんありますね。

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「それはありえないよね」という出来事は大抵はそこで終わるか、何かに発展することは少ないですが、
まれに「ホント?!」と驚いてしまうような意外な事態に発展してしまうこともあります。

だからこそ人生は興味深いのかもしれません。

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グリーンカードとはアメリカの永住権のことですね。
これを得たいと思っている男性と、自分の世界を維持したいと願う女性の物語がこの映画です。

利害が一致した赤の他人同士が、偽装結婚をします。
婚姻届を出した後、じゃあね、と別れてもう合うことはないはずだったのに・・・

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移民局の目をごまかすために一緒に暮らすことになり、二人はお互いにイライラ。
何でも正反対、気に入らないところばかりが目につきます。
でもいつしかお互いの嫌な面より良い面がたくさん見えてきたとき、お互いに好意を抱き始めるのです。

移民局の調査員の目をごまかすために、二人は「思い出」をでっち上げて暗記することにします。
二人で出かけた旅行の写真を偽装して、綿密に計画を立てます。

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移民したいがために偽装結婚なんて、絶対に幸せとは無縁のように思えますが、この二人は
まさかまさか・・・です。

偽装結婚から始まる二人の恋は、普通とはちょっと違います。

日本でも裏社会では偽装結婚をさせて外国人女性を働かせる、なんてたまにニュースに出ますが、
でも知られていないだけで、そんなことは多いのでしょうね。

永住権欲しさに書類だけの結婚をすることは犯罪だし、本当に愛し合って結婚したい人たちに
対して、冒涜とみられる行為でしょうね。私の親友の一人も国際結婚してアメリカにわたりましたが、
永住権を取るのはめんどい、と言っていましたw

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この二人の場合・・・結局は移民局にばれてしまいます。
だましきれるほど甘くないということですね。

でもその頃には、お互いがお互いの心の中に棲みついて、なくてはならない存在になっていたのです。
彼が強制送還されるとき、彼女がした決断は・・・・

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ジェラール・ドパルデューのハリウッド進出第一作だそうです。


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コヨーテ・アグリー [Movies 2 C]

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『COYOTE UGLY』。

NYに実在するバーの名前です。
これもサクセス・ストーリー。

『CSI』シリーズ製作者のジェリー・ブラッカイマーの制作です。
『フラッシュダンス』や『トップガン』なども手掛けている、彼は本当にヒットメイカーですね。

シンガーソングライターを夢見てNYに来た少女ヴァイオレットが、現実の厳しさに打ちひしがれていた時、
コヨーテ・アグリーで働くことになります。

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そこは女性バーテンダーばかりが過激なダンスパフォーマンスをすることが売りのバーです。
過激と言っても、イヤらしさはないのです。
「これでもか」というようなタフなセクシーさ。めちゃ楽しそうです。
バーに火をつけてしまう、お客をオークションにかけてしまう、やりたい放題です(笑)

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初めは戸惑いながらも、次第になじんでいくヴァイオレット。
ある夜、歌を披露したことから彼女の人気が大ブレイク。

でも・・・いろいろとうまくはいかないくて・・・・

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そう、サクセスストーリーは登場人物や場所が違うだけで似通っています。
ある意味、これがアメリカらしいと言えばらしい、「おはこ」であるとも言えるでしょう?
だから、アメリカンドリームの話はたくさんあります。

それでも、歌やパフォーマンスで他と違う魅力を持つのです。
だから肩ひじ張らずに成功を一緒に喜んで楽しんでみればいいのだと思います。

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バーでのダンスはエンターテイメント性も高いので、見る価値があります。
いまや知る人ぞ知る美の重鎮・タイラ・バンクスも出演しています。

音楽はハードロック好きにも満足できることでしょう~。

NYに実際に、同じ名前のバーがあるそうです。
いまでもあるのかな?

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コヨーテは開拓時代、人間が仕掛けた罠にかかると、手首を食いちぎってでも逃げたんですって。
そこから、バーでしこたま酔っぱらって一夜限りのお相手をお持ち帰りして、
朝、腕枕しながら目覚めてお相手の顔を見てあまりのヒドさにぎょっとなって、
腕枕する自分の腕を食いちぎってでも逃げたくなるような状態のことを意味するとか、
ウェブの英英辞典に語源が載っていましたww






コヨーテ・アグリー 特別編集版 [DVD]

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映画 『Silk』 をみて考えたこと・・・ [Movies 2 C]

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2007年に製作された、日、伊、仏、英、加の合作です。
日本では2008年に公開されました。

DVDをもっていたのですが、見る機会がないままちょっと忘れ去っていましたw
でもやっと見ることができました。

まずは自分で見終わってから、いろんな一般の人たちが書いた映画評を読んでみました。
なるほど、みなさん、あまりいい感想じゃないですね。

それは映画好きで多くの洋画を見ている人の視点なのか、生粋の日本人的意識からの厳しい
批評なのか・・・まぁ、人によって価値観は違うので、基準はないと思いますが・・・

私は評論できるほど詳しくないので、これはいち素人の個人的な鑑賞感想文だと思ってくださいね。

友達は外国人がほとんどで自身もいろんな国をふらふらしている私が見ると、、アジア文化を理解しない
ハリウッドのエンターテイメントムービーが描く「JAPAN」より、はるかにいいと思いました。

ほら、よくフジヤマ、ゲイシャなんてステレオタイプなイメージを出すのに、一方ではチャイナタウンの
ような派手派手しさと、ガイジンがよく来てるナイトガウンの「キモノ」みたいなぺらぺら着物のジャパニーズ
ガール、実は演じるのはチャイニーズ・アメリカンの女優さん・・・というようなチープさはなかったです。

あのナーヴさ・・・嫌いです(笑)

この映画は外国人が描いた日本にしては、上出来なほうですよ。
キモノもみんなきちんと着ていたし。

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冒頭の芦名星(あしな・せい)さんはいきなり印象的です。
間違いなく美女です。

舞台は1860年代のフランス。
軍人の青年エルヴェは、故郷に帰還したときに、小学校教師のエレーヌに出会って恋に落ちます。
村にやってきて製糸工場を開いた男がぜひ手伝ってほしいと言ったので、彼は軍を退役します。
アフリカに健康な蚕の卵を買い付けに行き成功した彼は、さらに極東の日本に上質な卵を求めてくるように
ボスに頼まれるのです。

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彼のたどる19世紀の旅程のすごさ。
まさにユーラシア横断です。
変わってゆく景色がとても美しい。

やがて「地の果て」(笑)日本にたどり着き、そこからも長い道のり。
幕末の日本では絹の売買が闇市で行われていたと言っていました。なるほど。

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目隠しをされて信濃のとある集落にたどり着きます。
ハラ・ジュウベイという謎の棟梁に気に入られ、彼は良質の卵を持ち帰ることができました。
エルヴェはそこで、ジュウベイの妻である若い女性のミステリアスな美しさに魅了されてしまい、
彼女のことが忘れられないまま帰国します。

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たぶん、旅の過程は彼の心理状態をあらわしているのでしょう。
初めて赴くときの過程は丁寧に描かれ、心理的にも地の果てに来た、と感じさせます。

日本の政情が変わって、外国人の出入りが難しくなるということで、その前に2度目の買い付けへ
行ったときには、旅の過程が省かれることで、心理的な距離も縮まったことをあらわすのでしょう。

ほら、何度も行き慣れると、初めて行ったときほど遠く感じないでしょう?

彼女は最後まで謎の存在です。
名前さえも明かされないし、言葉も発しません。
日本人ではないといううわさもあると登場人物の一人に言わせることによって、よりミステリアスに
仕立て上げられています。

彼は二度目の滞在の時に、彼女と一夜を共にします。
そして帰国してからも、彼女のことが忘れられなくなるのです。

妻は、なんとなく夫の変化に気づき始めます。でも彼女は彼を責めません。
確信がないから? そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
結婚して2年たっても子供を授からないことで気が沈む妻のために、彼は彼女の大好きなユリでいっぱいの
大きな庭を造り始めます。

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フランスの田舎と日本の秘境の景色の対比も面白いです。洋画と邦画を一緒に見ているようで。
浦島太郎の国際版か、はたまた桃源郷の国際版みたいw

エルヴェを演じているマイケル・ピットが着物を着ていても、なんか違和感がないし・・w
ダイワにゃんの役所さんも渋い役がぴったりでした。

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三度目に日本へ入国したエルヴェは、失意に見舞われます。
買い付けた卵はすべてが無駄になり、帰国してからも失意のどん底に、そして妻の心には
ある感情が・・・

ある日彼は日本語で書かれた手紙を受け取ります。
それを、リヨンの娼館の女主人に翻訳してもらいに行きます。彼女は日本人で、フランス人と結婚して
渡仏したけれど、夫が亡くなって娼館を経営していました。

「私を忘れて」という内容の手紙。

そして妻の病死。
それから知る、意外な事実・・・・

もし、自分の大切な人が遠い異国に出かけて、そこで誰かほかの人に深く心を奪われてしまったら?
そんなことを考えると、とても不安になります。それは近所を歩いたとしても、ないとは言えない事では
あるけれど・・・・

私は日本に生まれて日本人だけれど、ヨーロッパの歴史や文化が大好きだし、韓国も同様に好きです。
オーストラリアも。アジア人ということで心の狭い人に偏見を持たれて意地悪されたこともあるけれど、
それがすべてではないし、それ以上に素晴らしい出会いもたくさんあるし。
ステレオタイプなイメージとか偏見のイメージを持つことはないです。

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政治的には理解しあえないことが多くても、一般人ひとりひとりは少なくとも、自分の経験や偏見のない
考えから、わかりあう努力をするべきです。揚げ足を取り合っていても、何も変わらないです。
誤解があるなと思えば、変えようとすればいいと思います。

どこかの国を気にいったり、あるいは外国籍のひとと親しくなった方々は、感じることがあるはずです。
相手の国をもっと知りたいとか、自分の国を知ってほしいとか。
残念ながら政治面ではむりっぽいので、民間人レベルで文化面では歩み寄る姿勢が大事だと思います。


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ミステリアスな女性にひとめ会いたいがために、3度も大陸を横断した主人公も、
フランス人と結婚して夫亡き後もその社会で生き続け、日本とのビジネスの橋渡しを担ったマダムも、
なんか私と同じかも・・・・と、そんなことを思いました。






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Notting Hill [Movies 2 C]



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ノッティングヒルはロンドンの西部に位置します。
こぢんまりした街で、骨董のお店が多く、蚤の市もたちます。
この静かな町で書店を営むウィリアムは、ある日、アメリカの有名女優に出会います。

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ふらりと、彼の書店に入ってきた女性。
それがアナでした。

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大スターと偶然に出会い、成り行きから彼は恋に落ちます。
でも彼女には、同じアメリカ人俳優の恋人がいました。
失恋した彼はまたものとの静かな生活に戻ります。

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半年後。彼女が再びやってきます。
昔の写真が流出してスキャンダルとなり、しばらくかくまってほしいと言います。
でもウィリアムの同居人が言いふらしたせいで、家にはマスコミが殺到します。
怒ったアナは激怒して去ります。

そして一年後。
友人たちはまだアナへの気持ちを断ち切れない彼のために・・・

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逆はありがちですね。
普通の女の子がお金持ちに出会って玉の輿に乗るというのは。

でも、これは冴えない男性が大スターを射止めるのです。
もちろん、その冴えない男はハンサムなんですが(笑)

サインをねだらなかったのがよかった?
必要以上になれなれしくしないのがよかった?

a.nh6.jpgシェアメイトに眼鏡をなくされて仕方なく度入りのゴーグルをw

いえ、きっと彼の人間性でしょう。
周囲の人たちは妹や同居人のように困ったちゃんがいるのですが、みんな彼のことが大好きなのです。
だからこそ彼女も彼のことを好きになったのかもしれません。
周りの反応はめちゃめちゃミーハー丸出しですがww

私だったら・・・うーん、ウィリアムよりも普通の態度のままかもしれません(笑)
あなただったら、大スターと突然知り合いになったらどんな反応をしますか?

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撮影で使ったこの書店は、実在するのです。もちろん、店主はヒュー・グラントではないですけどね。
ノッティングヒルを散歩しているときに実際に見て「ここかぁ~」と、方向音痴の私は書店との偶然の出会いに
喜びましたw

エルヴィス・コステロの歌う”She"がエンディングに流れます。
見どころは・・・だめだめな人々の最高の家族愛、友情でしょうか(笑)

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アナの態度のでかさが、イギリス人の中で際立っているところもお国柄の違いが分かりやすくて面白かったです。たぶん、ウィリアムがアメリカ人だったら、このストーリーは成り立たないでしょう(笑)
正直言えば、アナともとカレのアメリカ人俳優が、バカップルに見えていますww

ウィリアムがつぶやく「おっと!」的な”Ooops daisy!" という表現に、アメリカじゃそんな言葉は使わないと
笑うアナ。そのやり取りもほほえましいです。

二人がくつろぐ公園のベンチの背もたれにはこんなメッセージが彫られています。
「この庭を愛したジューンのために。いつもジューンの隣に座っていたジョセフより。」


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素敵なハッピーエンドです。




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Cruel Intentions [Movies 2 C]

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フランスの作家ラクロの『危険な関係』の映画化です。

舞台を現代のアメリカに変えています。しかも登場人物は高校生たち!

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名門高校に通うキャスリンと義理の弟セバスチャン(親同士の再婚で)は、人を陥れることが好きな、
優等生の皮をかぶった悪魔たちです。

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キャスリンはプライドを傷つけられたチェロ教師への復讐のために、彼が大切にしている新入生の
セシルをうまく言いくるめて操ります。彼女に、「誘惑」の仕方を教えるのです。

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一方、セバスチャンにはある賭けを申し出ます。
純真な女生徒のアネットを落とすことができたら、キャスリンが自分を彼に与える、でも失敗したら
彼のスポーツカーをキャスリンに譲ると。

セバスチャンは賭けに応じます。

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しかし、彼は本気でアネットに恋し始めてしまいます。
そのためにキャスリンの遊びの計画は狂うのです。

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キャスリンにすべてをばらすと言われたセバスチャンは、アネットに別れを告げます。
キャスリンの残酷さに気付いた彼は、すべてを告白した日記を持ってアネットに謝罪に訪れます。
でも怒った彼女は取り合ってくれません。

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そしてチェロ教師が、セシルをもてあそんでいるセバスチャンを責めます。
もみ合っているうちにセバスチャンは車にはねられて死んでしまいました。

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そして学校で優等生キャスリンがセバスチャンへの弔辞を読み上げると、全校生徒の反応は・・・・・


ラストがすごいのです。

でも、10代が主人公だから成り立つ残酷さでありながらも、10代でここまで屈折してしまう子供って、
どうなんでしょうね。

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子供は子供らしく育ったほうがいいのに、ここまでアダルトチャイルドというか、社交性が高くて
勉強もできるし美貌も淫らさもお金も(親のですが)すべてを持ち合わせて怠惰に邪悪に10代を過ごす
キャスリンのような子は、大人である期間が長いだけに逆に気の毒な感じです。

原作は貴族が登場人物です。
もう少し複雑なんですが、この映画は相関図がわかりやすいですね。

あ、そういえば、韓国でもありましたね。『スキャンダル』という邦題でしたか・・・。
チマチョゴリや朝鮮王朝の家具がとても美しかったです。




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  • 発売日: 2004/05
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