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Poisson d'avril [なんちゃって博物誌]

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エイプリルフールの起源は、はっきりとはわからないそうです。


ローマではこの日に主人と奴隷の立場を交換して、主人の席に道化を座らせた、という遊びがあったようですが・・・


フランスでは「四月の魚」。


1564年当時、4月1日が新年であったのを、国王シャルル9世は1月1日に法律で変えたそうです。
これに反発した市民が4月1日、バカ騒ぎを起こし、怒った国王が彼らを処刑してしまったのですって。


それで、追悼の意味とか国王への反発によって、4月1日をバカ騒ぎの日と決めたとか。


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この日はチョコレートやムースで作った魚を贈りあいます。
なんで魚なのか?は諸説あって定かではないそうです。



魚(サバ)がよくとれるようになる季節だから


うお座が太陽を離れ、冬の終わりを告げる季節だから


カトリックの節制期間で、肉でなく魚を食べるから




などなど。


「腐った魚のようにののしる」という表現があり、腐った魚→ばか→エイプリルフールと関連付ける人もいるようです。



こどもたちは紙の魚を人の背中にそっと貼り付けるという遊びをするようです。
貼り付けられて気づかずに街の中を歩生きまわっても・・・・気にすることなかれ!
エイプリル・フールですから。



今年のBBCはどんな壮大なウソをつくのでしょうね。たのしみです。


Carmilla

ヨーロッパ東部各地には、吸血鬼伝説が見られます。

ご存知のように、ブラム・ストーカーの小説が吸血鬼をグローバルに幻想的な存在にしました。
でもその有名すぎる作品の前に、この作品がありました。


この本の邦題は『女吸血鬼カーミラ』。



ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュという、アイルランド人の作家によって19世紀に書かれました。


翻訳者によると、彼はブラム・ストーカーの大学の先輩だそうです。
あの世にも有名な作品を生み出すのにこの作品が多大な影響を与えたようです。

怪奇小説と言えばポーの『黒猫』を読んだ時に知らない世界を知ったような衝撃と感動を得たのですが、
この作品もとても美しくて、「怪奇」という言葉におどろおどろしさとか、不気味な嫌悪感は抱かせないところが好きです。

たぶん、一人称の無垢な語り口が、この作品の魅了なのだと思います。
カーミラのハッとさせられる言葉の端端に潜む秘密も秀逸。


春の宵、赤ワインでも飲みながら・・・
美しい和訳のなかのさまざまなレトリックに酔ってみるのはいかが?



女吸血鬼カーミラ

女吸血鬼カーミラ

  • 作者: ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2015/01/24
  • メディア: 単行本



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灰色オオカミと火の鳥と [いろんなブンガク]

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ロシアの民話です。



ある国の王様が、リンゴ園に立派な黄金のリンゴの木を持っていました。
自慢のリンゴの木でしたが、この実がたびたびなくなることが続きました。



王様は馬番の青年イワンにみはらせました。
彼は犯人を突き止めました。
夜、燃え盛る火の鳥が黄金のリンゴを盗むところを目撃し、これを捕まえようとしましたが、
羽を一つとるのがやっとでした。



イワンはこの羽を王様に献上して真相を話しました。
すると王様はこの羽を見て火の鳥が欲しくなり、イワンに捕獲を命じました。



イワンは火の鳥の住処を求めて旅に出て、途中の道で灰色のオオカミに出会いました。
オオカミは火の鳥の捕獲法を教えてくれました。
オオカミの言うとおりにすると、火の鳥を捕まえることができました。



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王様は大変に喜んで、火の鳥を黄金の籠に入れました。
王様は気をよくして、今度はイワンに別の任務を授けました。



海を越えた遠い国の絶世の美女と評判の姫君をめとりたいので、迎えに行ってくること。
イワンはまたもや旅に出ました。
旅のお供は灰色オオカミ。イワンはオオカミの背にまたがって旅に出たのです。



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姫君を迎えに行ったイワンは、彼女と恋に落ちます。
オオカミは美女に変身し、自分が王の前に出て、王を虜にしました。
そしてオオカミが化けた美女が、王様と結婚することになるのです。


結婚式の日、祭壇の前で誓いの口づけをしようとしたその時に、オオカミは元の姿へ。
あまりの驚愕に王様は死んでしまいました!


そこでイワンが次の王になり、姫君と結婚してよい君主になりました。



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ちなみに・・・
イワンは火の鳥を黄金の籠から逃がしてやり、黄金のリンゴをつまみ食いするのにも
目をつぶりました。

そのおかげか、イワンの国は末永く反映しましたとさ。






********************




イワンは王様の3人の息子のうちの末の王子ということもありまります。
王子の場合、上の二人の兄にはめられて命を落とし恋人も取られそうになります。
しかし、オオカミの機転によって命の水をかけてもらって生き返り、すべてを手に入れて
末永く幸せに暮らしましたとさ、となります。



ヨーロッパにおいて、3という数字はよく用いられますよね。
3人の女神、3人の子供。
3人の子供の場合は、末っ子が主人公となることが多いです。
あ、3匹のこぶたもそうですよね(笑)



オオカミは狡猾で邪悪、死のイメージが強い一方で、困難の克服という意味もあります。





近況レポート

niki通信です(笑)



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忙しくない季節に入ったはずなのに、なんやかんやで週1UPになっています。
ただいま、パリ旅行のスケジュールを立てています。


ミュージアムパスを使い、いかに効率よく回り切れるかがもっぱらの課題です。
観光地らしきところに行くよりも、パサージュや運河や川沿いなどを回りたいと思います。
お散歩コースを考えているのです。



そしてルーブル作品やジュエリーの歴史、建造物の歴史ををおさらい中です。


いま一部、ルーブル作品が日本に来ていますよね。
パリが舞台の映画をたくさん見て、迷子対策もしています(→どうせ迷子になるのですけどね)


叔母のために「海外旅行初心者のためのしおり」も作っています(笑)


じつは叔母も私も筋金入りの方向音痴なので、地元で道一本間違って目的地にたどり着けず、母に散々バカにされたという素晴らしい実績があります。

しかし・・・いまはなんと便利な時代でしょうね~。
ストリートビューとかGoogleマップで、コンビニやカフェの位置も確認できるので助かります。
(それでも迷子になることは確実)

朝早めのマルシェも、日曜の蚤の市も楽しみです。
叔母が疲れないようなスケジュールを立てなくては(というか、体力的には私のほうがないかも)。

みなさんには「見たくないよ~」と言われても、私目線のへんてこんでへたくそな写真を
た~くさん御覧にいれる予定なので、覚悟しておいてください(笑)




ということで・・・



前回はたくさんのメッセージありがとうございます。
すっごくうれしいです。


毎日お邪魔できなくてすみません。
週末、ゆっくりとお邪魔させていただきますね!







しゅしゅ

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作ってみました。


かぎ針で。


毛糸によって質感が変わりますね。


  あはは~


もう毛糸の季節じゃないですよね。
これ、去年作ったものです。
ついうっかり忘れ去っていました(笑)


友達に配りまくりましたが・・・結構気に入ってくれたようです。


今作っているものはまったく別のものですが・・・



もうちょっとうまくなるまで、秘密です☆



クレオパトラの妹 [l'histoires de femmes]

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歴史上名高いのはクレオパトラの中でもクレオパトラ7世。

弟プトレマイオス13世とエジプトを共同統治するも、
王位争いに敗れ、アレクサンドリアに追われてしまいました。

しかし彼女はカエサルという最強の味方を得ました。
ちょうどアレクサンドリアに来ていた彼と同盟を結んだのです。

飛ぶ鳥落とす勢いのローマの将軍はプトレマイオス13世に姉との共同統治に戻すように提案しました。
でも彼は拒否したので、戦争に発展したのです。



クレオパトラのお話は → こちら



じつは、クレオパトラ7世にはこの弟王のほかにも、ベレニケ4世という姉(父王との王位争いで処刑されました)とアルシノエ4世という妹がいました。
妹アルシノエは弟側につきました。



ナイルの戦いにおいて、プトレマイオスは戦死します。
包囲されたアルシノエはとらえられ、市中引き回しの上、トルコのエフェソスに幽閉されてしまいました。


のちにひそかにクレオパトラによって暗殺されたと言われますが、詳細は不明です。
近年、彼女の骨がエフェソスで発見されたそうですが、骨の年齢が14~18歳くらいだそうなので、そうすると彼女の実年齢的に(=さまざまな状況から予測される年齢から)10歳くらいのずれが生じるそうなので、まだ確定ではないようです。



異母姉妹ながら、女同士の嫉妬はたぶん憎しみにまで発展してたのかもしれないですね。
アルシノエがクレオパトラではなく弟側についたのは、姉の脅威を感じ取っていて、姉につけば自分は頂点に立てないことを、本能的に悟っていたからなのかもしれません。



クレオパトラにしても、翻弄できない存在である妹は脅威だったかも?


17世紀の建築家で画家だったピエトロ・ダ・コルトーナの描いた絵は、姉妹の互いへの憎悪が見えるような気がします。


クレオパトラを王位につけようとするカエサル。二人は勝利に酔いしれています。向かって右端に立ち、輝かしい表情の姉に恨めしげな視線を送るのがアルシノエ。


エジプトは、私のものになるはずだったのに・・・


アルシノエの敗因は、王位につくためならどんな手段も問わなかったクレオパトラほど、権力への執着が凄まじくなかったところにあったのかもしれないですね。


あなたには、無理なのよ。あたしだからできたことなの。


そう言いたげに、妹にわが勝利を見せつけているクレオパトラ。




骨肉の争い、姉の勝利の瞬間。







*******************************






なんか、ずいぶんとご無沙汰してしまっております~;;;;



忙しい2月もやっと終わりました^^
またぼちぼちお邪魔させていただきますね。



えと、



いつも自分の誕生日のころは旅に出かけるのがもうずいぶん前からの恒例行事だったのですが、今回は出かけないことにしました。

それで、ほんとにほんとに、5月末に8日間、パリに行くことにしました。
5月ならばジヴェルニーにも行けるし、いつも極寒にしかヨーロッパに行ったことがなかったので、初の!良い季節体験です!


直行便が取れたし、なんと、あこがれのベルエポックスタイルの古いホテルも予約が取れちゃったので!!

今回の旅のパートナーは、叔母です。

なんと叔母は海外初デビュー(笑)




彼女も私と同じ方向音痴なので、迷子は必須でしょうが、のんびりお散歩を楽しみにしています。


初海外がパリって・・・いいですね(笑)


私は4度目くらいかな?


それまでフランス語を頑張ろうと思っています。




週に1.2回のアップが続くとおもいます。
今日からぼちぼち、伺い始めますね~^^

『こゆきの願い』


こゆきの願い

こゆきの願い

  • 作者: 山本 美也子
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: 単行本





404さんがブログで紹介されていた本です。
やっと手に入りました。


柴犬のこゆきちゃんが山本家にやってきたときから名前の由来、家族のこと、妹分のチワワのミルクちゃんのことがほのぼのとつづられていて微笑ましいなぁと思っていたら・・・・


山本家のおにいちゃんがある日突然、飲酒運転の車にはねられて命を落としてしまいます。

こゆきちゃんにははっきりとはわからないのでしょうけれど、大好きなひとが突然いなくなってしまったということはわかるのでしょうね。

ママさんによる、こゆきちゃん一人称の優しい文章に涙が出てしまいます。


飲酒運転はいけないことなのに、、なくならないのはなぜでしょうか?
自分は大丈夫だとか、ちょっとぐらいならばとか、近所だから大丈夫という根拠のない過信は絶対にやめてほしいです。そのちょっとした油断が、何の罪もない人の命を奪うことがありうるからです。



最近は危険ドラッグなる、人体にどんな悪影響を及ぼすのか未知の化学物質を吸引して運転し、無責任にひとの命を奪う輩もたくさん存在します。



ある日突然、いて当然のひとがいなくなって、しかもそれが飲酒運転などという理不尽なことが原因だったとしたら?



車が、運転者の呼気からアルコールを検知したらエンジンがかからなくなるなんて技術、はやく開発してほしいです。



いえ、もちろん、、運転者が他者の命に責任を持つという自覚が一番大切ですが。
こゆきちゃんの願いが一日でもはやく、実現しますように。



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恋するアネモネ [Mythologyのみそ]

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今日は10日、私の誕生日です。誕生花はアネモネですから、ちょっとアネモネの話をしたいと思います。
あ、そうそう、sigさんの誕生日でもあります。sigさん、オメデトウです♬
kazuminさんも!!!  おめでとうございます~^^

誕生花・・・なんか、違う植物になっているものも結構ありましたが、まぁ、今回はアネモネで~ww

さて、アネモネに関する神話には、有名な話が二つあります。
よく知られているほうは、アドニスのお話ですね。
わたしも去年の夏に書きました。

美少年アドニスを、美の女神アフロディテと冥界の女王ペルセポネが取り合ったお話です。
アドニスを巡る二人の女神の恋の争いはこちら。→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-07-18
これは赤いアネモネの由来だと言われていますが・・・・

もう一つは、ホントにホントにアネモネの起源です。

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まずは花のニンフであるクロリスのことから。
ゼウスとの間にアルテミスとアポロンという、正妻ヘラも悔しがるくらい立派な双子を設けた女神レト。
彼女に対してニオベという女性は、人間の分際で「私の子供たちのほうが断然すばらしいわ」と対抗します。
起こったレトは、アルテミスとアポロンに銘じて、ニオベの自慢の14人の子供たちを殺してしまいます。

そのとき生き残ったメリボエアという娘が、真っ青に青ざめて、ニンフとなってクロリスになったと言われます。
クロリスとは、「青ざめた」という意味だからです。

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このクロリスに、西風のゼピュロスが恋をします。
そして二人は結婚するのです。

ゼピュロスに愛されたクロリスは、花の女神フローラになったと言われますが・・・諸説あります。
ゼピュロスが彼女を愛すると、彼女の吐く息はバラになりました。

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でも・・・ゼピュロスは心移りするのです。
それが花のニンフの一人、アネモネでした。

いくら好き合っていても不倫は不倫ですから・・・北風はゼピュロスに、アネモネと別れることをすすめます。
でも実は、北風の横恋慕だったのですけれどね。彼もアネモネに恋していたのです。

一方、可憐なアネモネに夢中になるゼピュロスの心変わりに気づいたクロリスは、嫉妬でアネモネを花に
変えてしまったのです。

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アネモネとは、ギリシア語の「アネモス」からきていると言われます。「風」という意味です。
これはアネモネの花びらが風で儚く散ってしまうことに由来するらしいです。

花に変えられてしまったアネモネは、西風ゼピュロスのことを変わらずに愛して、彼が近くに吹くときに
花を咲かせるようになりました。でも北風が吹くと咲かなくなったのです。

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西風は春を連れてきますから、アネモネは春になると咲くのですね。

こんなちょっと翳りのある花なので、花言葉も

きみを愛する(赤)、期待、はかない恋、無邪気(白)、きみを信じて待つ(紫)だそうです。

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アネモネの別名は「風の花」です。



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