Brighid 2月1日 [なんちゃって博物誌]
ケルト神話においての神の中の神、すべての父で知恵と魔法の神であるダグザ。
彼は3人の妻がいてそれぞれに一人づつ、3人の女神を娘として持っていました。
それぞれの妻は、
ブレグ(偽り)
メング(狡猾さ)
メイベル(醜さ)。
娘たちはブリギッドと呼ばれます。豊穣に関するすべての女神。
ブリードと呼ばれることもあり、
鍛工(たんこう)、手工芸、
治療と助産、
占い・予言、文芸
をそれぞれつかさどります。
女神によく見られるトリアッド(三態一組)の形を取ります。
三女神の様態はヨーロッパだけではなく、宗像三女神のように、日本の神話にも見られますね。
19人の巫女たちが、ブリギッドの神殿で聖火を守っているそうです。
各地の土着の、同じ要素を持つ女神と融合して一つのイメージが出来上がったようですが、ブリギッドが現代にも根強く生き残っているのには、ある理由があります。
キリスト教の伝来によって、アイルランドの三聖人のひとりに挙げられる聖ブリギッドと結びついたのです。
聖ブリギッドは朝日とともに生まれた、とされます。これは豊穣と関係の深い女神の火をつかさどる性質を受け継いだためと言われます。
アイルランドで初めて修道院をたてた人物とされますが、人々に色々なおまじないを教えたともいわれているので、いささか聖人というステレオタイプからはちょっと外れた感じがします。
毎年2月1日は聖ブリギッドの祭りが開かれますが、土着の女神ブリギッドの祭りも同じ日なのです。
八坂神社に祀られている蘇民将来が、土着の日本の神スサノオノミコトと結びついたようなものなのでしょうか。
完全に洗脳されてしまうわけではなく、土着の文化が色濃く残り続けている、こういうところに文化の面白さがあると思っています。