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麗しのワシリサ [いろんなブンガク]

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ロシアの民話。


ある商人にワシリサという娘がいました。
彼女が8歳の時に母親が病死してしまいます。

母は娘に木でできた小さな人形をわたし、困った時には人形においしいものを与えれば、
きっとためになる助言をくれるからと言い遺しました。


月日がたち、彼女が十代になると、父親は再婚しました。
再婚相手には2人の娘たちがいました。

ほかの話同様に、ママ母とママ姉たちは、ワシリサにつらく当たり、嫌な仕事を押し付けていました。
父親が商用で家を空けている間、ママ母娘たちはワシリサを追い出してしまいます。
明かりがなくなったから、魔女の家に行ってもらって来いというのです。

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バーバ・ヤガという魔女は森の奥深くに住んでいます。
大きなすり鉢に乗って彼女が移動するときは暴風雨が巻き起こります。
彼女の家にはめんどりの足が生えていて、あちこちに移動するのだそうです。
子供を取って食べてしまうのが大好きで、彼女の家には犠牲者たちのしゃれこうべで作られた柵が張り巡らされているのです。

森の中でワシリサは夜明け頃に白い騎士に、昼頃は赤い騎士に、夜には黒い騎士に遭いました。


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バーバ・ヤガはワシリサを見つけて家に連れ帰ります。
そしてあかりが欲しいならば条件をすべてクリアしろというのです。
辛くて大変な仕事をたくさん押し付けられましたが、母の形見の人形の助言によって次々とクリアしていきます。

それでもあまりのひどさにワシリサは逃げ出してしまおうと考えました。
でも人形は、どんなにつらくても逃げてはいけない、と言うのです。
彼女は人形の助言に従いました。

なんども3人の騎士が魔女の家の前を通りすぎました。
ある日、魔女はワシリサに質問はないかと尋ねます。
彼女は3人の騎士の正体を訊きました。
魔女はそれらは日、太陽、夜だと答えました。
ほかにないかと訊かれたときに、人形がもう質問するなと助言します。

人形の言葉に従って質問はないと答えると、彼女は解放されました。
その時に、塀の骸骨を一つ持っていくように言われます。
どくろにはあかりがともっているのです。

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ワシリサが家に帰りつくと、どくろの目から出た鋭い光が、悪いママ母娘を焼き殺して、たちまちのうちに灰にしてしまいました。

ワシリサはもうどくろが誰も灰にしないように、それを地中に埋めました。
魔女の家で様々な困難を乗り切ったおかげで何でもできるようになり、手に職も付けました。
そして彼女はのちに幸せな結婚をして、夫と父と末永く平穏に暮らしたそうです。






スラヴのシンデレラは、灰は灰でもちょっとおそろしい灰が登場しますね。

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