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Puss in Boots [なんちゃって博物誌]

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(=^・^=)
皆さんは小さなころに、『長靴をはいたネコ』というお話しを読んだことがありますか?

幼稚園から小学校低学年のころ、母が寝る前に読んでくれた中に、そのお話があったことを覚えています。
ずいぶん賢いネコなのだけれど、ちょっと残酷でずるがしこいところもあるんだなぁと思ったものです。


ヨーロッパのあちこちに、似たようなお話はあるみたいです。
でもたぶん、ケルトに伝わるケットシーという、ネコの精霊(妖怪?)が原型のようです。


ケットシーは黒いネコの精霊で、ネコにしてはちょっと大きめのサイズ、胸に白い模様がある「ネコの王」なのだそうです。人間の言葉を話すことができて、恩を受ければ必ずそれに報い、仇を受ければ必ず仕返しするそうです。

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アイルランドやスコットランドには、ケットシーのお話しが残っているらしいです。



その正体を知るには、耳をちょっと傷つけてみる(!)とか。
ものすごい勢いで罵詈雑言を吐いたら、ケットシー(笑)ひどい。




さて、『長靴をはいたネコ』ですが・・・

イタリアにもフランスにも似たようなお話はありますが、長靴を履いていないことも、ネコではなくてキツネということもあるそうです。


大体共通しているのは、

① 粉屋と3人の息子
②末息子が父(あるいは母)の遺産としてネコをもらう
③ネコの機転によって、末息子が王様(あるいは領主)の娘と結婚して逆タマに乗る


こんな感じでしょうか。


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このころには猫は嫌われものでしたが、粉屋とかパン屋ではネズミを捕るのに重宝されていました。
だから財産として考えられたのでしょうか?

でも、ネコもらっても生活していけないよなぁ・・・と考えるのは当然と言えば当然(笑)
それなのに、末息子は焦らないのです。

もしそこで末息子が「ネコなんかもらってもしょうがないよ!」なんて言ったいたら、まずかったかもしれませんね。

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でも言わなかったので、ネコはこのご主人のために尽くすのです。
ウサギを捕まえてきて王様(領主)に取り入って、お城(お邸)に出入りして、自分の主人は広い領地を持つ領主だとうそぶきます。

時に道端の村人を脅して、その土地は自分の主人のものだと言わせます。
そしてネコの計画通りに事が運び、末息子は逆タマに乗るという・・・・

末息子は兄弟の中でももともと一番のイケメンだったから、ネコが用意した高価な衣装を身につけたら品よく見えたので、王様(領主)の一人娘が一目ぼれするという、資質もちょっとかかわってきますが。

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そして粉屋の末息子は幸せに暮らしましたとさ、ともうひとつ、逆タマに乗った末息子がネコに恩を感じずにないがしろにしたので、ネコが怒って悪態をついて呪いをかけていなくなったというパターンもあるようです(笑)このあたりはケットシー色が濃いのでしょうか。

ブーツをはく意味は諸説あるようです。

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でも私が思ったのは・・・
そんな能力があったならば、粉屋にいた時点からみなさんをどうにかしてあげられたのではないの~?ということですが(笑)

そこは突っ込んではいけないのでしょうか。
それとも、全員を裕福にするのはネコの意に反することなのでしょうか・・・
絵本では白ネコに描かれることも多いみたいですが、幸運のシンボルとしてだからなのでしょうか。
トラちゃんもかわいいけれど。

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hanamuraさんがおっしゃっていた絵本のにゃんこはプフですね。
プフもプスも、なんかかわいい名前ですね。





長靴をはいた猫

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  • 作者: シャルル・ペロー
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 1973/01
  • メディア: 単行本





長ぐつをはいたねこ (世界傑作絵本シリーズ・スイスの絵本)

長ぐつをはいたねこ (世界傑作絵本シリーズ・スイスの絵本)

  • 作者: シャルル ペロー
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1980/05/20
  • メディア: 大型本





ガルドンのながぐつをはいたねこ

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  • 作者: ポール・ガルドン
  • 出版社/メーカー: ほるぷ出版
  • 発売日: 1978/07/10
  • メディア: 大型本






澁澤龍彦翻訳全集〈13〉 エロティシズム,長靴をはいた猫

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  • 作者: 澁澤 龍彦
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1997/12
  • メディア: 単行本



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