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Palau de la Música Catalanaとミシマと音楽と [なんちゃって博物誌]

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三島由紀夫によると、芸術は大体がサディスティックなんですって。
形あるものが自分の感性に訴えかけてきて、自分は受動的だから。

でも音楽はマゾヒスティックなんですって。
形がないから、それに包み込まれると不安を感じる・・・と。

ベートーベンを聴くとそわそわして、別のことを考えちゃうから、
彼は食事中のどうでもいいBGMとか、中南米の自然に体が動いてしまうような音楽しか
聴こうとしないのですって。


確かに、一理あるかも?
私は、センスがなくて楽器を扱えないけれど、音楽が好きですが。
クラシックでもロックでも民謡でも、心の琴線に触れれば何でもよいです。


たぶん、人間はまっさらの状態ならばどんな音楽も受け入れるでしょう。
疑いをもたず、嗜好も定まらない状態ならば。
(だから流行の歌ばかり聴いている人はこれだと思います)


でも長く生きて様々な経験を経るとやはり好みって偏ってくるのであって、
自分好みの音楽に耳を傾けるときや、心の琴線に触れる音に出会ったら、
やはりうれしくなります。

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ほかの芸術も音楽も、好きなものであれば、私には心地よいです。
芸術を形而上と形而下に分けて考えたことはなかったのですが、
そのどちらもが合致すると感性が(脳が?)刺激されて、なんかセロトニンがたくさん分泌されているように感じます(笑)

あ、でもね、聞きたくもない音楽を流しっぱなしにするような公共の場にいると苦痛を感じます。
夏のビーチでBGM? ないほうが断然よいですよ。好きじゃない音楽を流されると、拷問ですから。

ペニンシュラホテルのロビーでカルテットの演奏を聴きながらカクテルを啜るのはいいけれど、
歌詞入りの歌の有線放送を流すレストランはイヤだなぁ(笑)。歌詞が気になっちゃう。

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さて、本題。

この音楽堂、どうでしょうか。
なんという美しさ。


モデルニスモ様式というらしいです。つまり、モダニズム。で、つまりは
アール・ヌーヴォーのことですって。なるほど、そういわれると納得。


一目見て「アール・ヌーヴォー!」と思ったのに、モデルニスモと言われて「どこが違うの?」と
首をかしげたのですが、同じことだったんですね。

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1905年から1908年にカタルーニャ・ルネサンスにおいて、合唱団のために建設されたそうです。
1997年には世界遺産に指定されました。

圧倒的な美。
こういうセンスがあって、それをこうして具現化して人を感動させることができるなんて、本当に素晴らしい才能ですね。


これぞ形のない「音楽」の具現化にあたるかな? 





↓ こんなCMも。常盤貴子さんもうつくしい。




ふわとろ

時々食べたくなるもの。

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それはふわふわのチーズオムレツ。


タマゴを割ったらがんばってこれでもか!これでもか!これでもか!!と
泡立てます。


それを熱したフライパンにふわ~っと流しいれ、弱めの火で焼いていきます。

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とちゅうでモッツァレラチーズを乗せ・・・というか、沈んでいきますね(笑)
慎重に折り曲げて・・・・


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ふわふわのうちに(しぼまないうちに)いただきます^^
われながらおいしそうなオムレツを考案したなと思って中学生のころから悦に入っていたのですが、
大学生になってから、「モンサンミッシェル風オムレツ」がこれだと知ってがっかりしましたっけ。

そういえば、モンサンミッシェルって、日本人にはメジャーだけど、ドイツ人とか近隣諸国の人たちは
ほとんど知らないんだよ、あそこに行くのは日本人くらい、とフランス人が言っていました。

あはは。そうなのかぁ。


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ガリガリ、コショウをまぶして・・・
いがいと、お醤油ちょびっとたらすと、チーズに合うのです♪




ちなみに、


こんなん見つけました。
お暇でないかたは1分46秒からがオムレツの事なので、そこからご覧くださいね。




フランスにいるみたい。

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1か月前になりますが・・・日仏学院のグルメの祭典に行ってきました。

飯田橋って、フランス人が多いのですって。
中庭はみんなピクニック状態で、あちこちにレジャーシートを敷いて、
屋台からチーズの盛り合わせやら生ハムサラダやら、ワインやらシードルやら
好きなものを買ってきて午後を楽しんでいました。

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走り回る子供たちも、当然ながらフランス語。


噂のガレット、30分~50分待ち。
友達が頼みに行ってなかなか帰ってこないのでLINEしたら、
「まだ並んでる~」とのお返事。

そんなに待ったらさぞかしうまかろう? (笑)

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私は生ハムサラダを食べました。
アルザスの白ワインと一緒にね。

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日本語英語フランス語まぜまぜで、いろいろな人たちと話して
とても楽しい午後でした。


酵母ちゃん

ペットが欲しい・・・けれど、現在、自分以外の命に責任を持てる気がしないので飼えません。

飼うならば犬か猫がいいけれど・・・



で、今現在の私のペットは、



酵母です。





ぷはは。

生きているのですよ、酵母も。




まずは、

①煮沸消毒した容器に8切れカットのりんご、砂糖、水を入れて数日常温放置。

②朝晩2回ほどかき混ぜて空気を入れます。

③泡が出てきたら発酵した証拠。酵母ちゃんの誕生です。




で、秋なのでシードルを作ってみました。


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①煮沸消毒した容器にてきとうに酵母の液と100%リンゴジュースと砂糖を入れます。
 8:2 か 7:3 くらいでいいかもしれないです。
 リンゴジュースは1リットル97円とかの、クリアタイプ。

②密閉せずにキッチンペーパーとか隙間を空けたラップをかぶせ、数日常温放置。


 

耳をすませば・・・・


しゅわしゅわしゅわ~ん・・・・

しゅわわ~ん・・・


酵母ちゃんたちがひそかにおしゃべりを始めます。



生きているんだぁ~と思うと、愛しくて仕方なくなってきます(笑)
それで私は、ノラ・ジョーンズを聴かせて育てています。


しゅわしゅわしてくると、もうジュースじゃなくなって、甘くなくなります。



お酒の香りがしてきたら・・・


③煮沸消毒したガラス瓶などに移し替えて、冷蔵庫で冷やして飲みます。
(ここで砂糖を足せば酵母ちゃんがパワーアップしますが・・・法律に触れないようにご注意あれ)



これならアルコール度1%超えないでしょう? (←ここ!!強調!!!)
自家製シードル、おいしいです^^


ちなみに、移し替えた後に底にたまった澱(おり)は、そこにまた砂糖とリンゴジュースを足して放置すれば、
酵母ちゃんが再びシードルを作ってくれます。酵母ちゃんのエサは砂糖。


冷蔵庫に入れれば発酵は止まるそうですが、砂糖とリンゴジュースを足してあげておけば生き続けるのだそうです。で、常温に戻せばまた発酵が始まる・・・すてき。


リンゴ酵母が一番、シードルに合うかな?
パンのイースト入れてもできるそうですが、香りが鼻につくらしいです。
ジュースに酒粕入れても同じようにお酒になるそうですが。


野菜でも果物でも、砂糖と水につけて放置しておけば酵母ができますけど。

めんどいなぁと言う方は、東急ハンズとかアマゾンとかで、ワイン酵母やシャンパン酵母入手が良いかもですね。袋がめっちゃ小さいですが、ティースプーン軽~く1杯くらいで1リットルジュースはじゅうぶん醸されます。


酵母ちゃん、かわいいですよ(笑)
シードル、秋の夜長においしいですよ(笑)




*******************************



ちなみに、便秘気味の方、天然酵母の力は偉大ですよ~。

肌もきれいになります。






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もう一つのホロコースト [なんちゃって博物誌]

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ロマの人々に対する「ポライモス」。

それが、もう一つのホロコーストです。

ホロコーストと言えばナチスのユダヤ人迫害がすぐに浮かびます。
すべてを焼き尽くす、という古代ユダヤ教の生贄を火の中にくべる儀式が語源だそうです。

ヨーロッパ社会においてキリスト教以外の宗教を信仰する民族、特に人が羨ましがるような
生活水準で暮らすユダヤ人は、嫉妬と憎しみから19世紀後半に、最もひどい迫害を受けました。

異質な存在としてなら、ロマもまた同様でした。
定住せずにあちこち移動してその日暮らしの生活を送る彼らは、社会の脅威でした。
ルールに縛られないことは、ルールを守る大多数にとっては煙たい存在になります。

地方による度合いはまちまちですが、ロマは奴隷のように扱われたり、市民よりも高い税金を課されたり、差別されたりと、ひどい扱いを受けてきました。

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20世紀になって「人種」という考え方が現れ、「優秀な」人種とそうでない人種が分化されました。
枢軸国であるドイツ、クロアチア、ハンガリーは、ロマ絶滅作戦に乗り出しました。

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ロマの女性たちは早婚で多産でした。
だからロマ人口を増やさないために、彼女たちに不妊手術を施すというようなことを行っていた国もありました。


定住しないものは国外退去。
公共の場への入場禁止。
耳の写真を載せたIDの絶対携帯義務。
(耳の形で個人を特定するためとか)


国家社会主義労働党、いわゆるヒトラーが率いるナチ党は、反セム主義を掲げてユダヤ人を迫害しましたが、この時にロマもともに劣等人種として迫害の対象にされました。

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あら・・・? ちょっと、おかしいですね。
だって、ロマはもともとはインド北部を起源とする、アーリア人種ですよ?
ナチの好きな、アーリア人種。なのに、迫害されたのです!

ナチのこじつけは、「放浪を続けるうちに劣等人種との混血を繰り返した、生きるのに値しない命」だそうで。
アーリア人との同質性を損なったから、ドイツから追放したかったのですって! ばからしい!


ユダヤ人とともに彼らも収容所で虐殺されました。恐ろしくおぞましい人体実験も施されました。
ナチによって2万人が虐殺されたと言われますが、もっと多いかもしれません。
戦前ヨーロッパには95万人いたロマが、戦後には25万人に減少していたそうですが、流浪の人々なので、定かな数はわからないようです。


アウシュビッツでの壮絶な体験を語る生き残った人々もいますが、本当に非人道的なひどいことをたくさんされたそうです。

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現在のヨーロッパには、120万のロマと、シンティ(別の流派のロマ)がいます。
1971年には第1回国際ロマ会議が開かれ、彼らの旗も決められました。

ロマ出身やロマの血を引く国会議員や芸術家、音楽家、俳優などが多く活躍しています。
「ロマになりたい」と、楽しそうな面だけを見て夢見がちなことを言う、脳内お花畑の人が増えてきたことは、憎み差別する人が増えるよりははるかにマシですが、差別がなくなったわけではありません。

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いまだに、平均寿命は50歳未満。
ユーゴやルーマニアでは30歳くらいだそうです。


各国各地で、まだ偏見による差別や迫害は続いています。
突然、家を襲撃されて燃やされ、破壊されるロマも多いそうです。


襲撃され、家を破壊され、かつての我が家であったがれきの中で呆然とたたずむロマの一家の写真が、忘れられません。そんな写真はピューリッツァ賞にはノミネートされないかもしれないけれど、ずっと心に引っかかり、忘れられません。


嘘つきだ、泥棒だ、詐欺師だとさげすむ前に、考えなければならないこと。
差別する側が、いったいどれだけどんなところが、他よりも「すぐれて」いるのかということ。
さげすむことで、そのような劣等的なステレオタイプを与えることで、彼らを型にはめ、そうならざるを得ない状態にしてはいないか、ということ。

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偏見や侮蔑、貧しさを強いることからは、何も向上するものは生まれません。不毛なだけ。
「同情」も間違っています。それもまだ、上から目線だから。
持てる者が待たざる者に手を差し伸べて、差別をやめて寛容になることが大切です。



何百年も差別され続けてきたから、いきなり差別をなくすのは無理かもしれませんが・・・



偏見の壁を崩して手を差し伸べなければ、21世紀も22世紀も、不毛な差別は続くと思います。



~のほう。

私の嫌いな日本語。

それは、コンビニ・ファミレス言葉



「~のほうですね?」

「ほう」という形式名詞は、まったく必要ないです。
これに過去形の助動詞がつくと、余計に意味不明です。


「〇〇のほうで、よろしかっですか?」


はぁぁぁぁ~??


なぜ、過去形?
ちゃんとした名詞を使いながらなぜその直後に形式名詞?


一度注文が完了した物を、もう一度確かめに来たわけでもなく、
一度目の注文でそれを反芻してお客に確認するとき、こんな風に言う人がたくさんいます。


でも、これ、こう訊かれると、すごく気持ち悪いんです。
この前、テレビでアナウンサーの女性がこの「名詞+~のほう」をさらりと使っていました。
すごくびっくりしました。

言葉を仕事にしている人が、公共の電波で「~のほう」を使ったから。
いや、形式名詞を使うこと自体は間違いではないですね。
でも名詞につなげて形式名詞は、はっきりいって、形式名詞を用いる意味はどこにあるの?

「ピラフのほうでよろしかったですか?」と訊かれたら、思わず、

「は?」とびっくりしてしまいます。
今はじめて注文したはずなのに、ワタシ、前に注文していましたっけ?みたいな。



「~からでよろしかったですか?」


これはお金を払うとき、レジで言われます。
これもわかってはいても考え事をしていたりぼーっとしていたりすると、思わず「は?」と
訊き返してしまいます;;;;


「1000円からでよろしかったですか?」=「ホントに1000円で清算するの? ホントに?マジで?」

みたいな?(笑)

いや、冗談ですけど、なんだろう・・・・もっと払わせたいわけ?
あるいは、ほかのオプションを示せと?  みたいに違和感が感じられます。


「これ以上、だしませんよ!」と言いたくなってしまうのです(笑)



言葉は変遷していくのがいつの時代も普通の現象ですし、
多数派が使えばもとは間違いでも正しいとみなされていくようですが、
それでもこの手の言葉はとても気味が悪いです。


私的な見解ですが、日本人はあいまいさを美徳とする民族性があって、そのうえ、現代社会では
他者とのコミュニケーションに消極的な人が多いために、言葉による衝突を避けようと
無意識な遠慮と言うか何かが働いて、ストレートに言うよりも曖昧さを加えたほうが
関係をスムースに進める・・・というように、思う人が多いということなのでしょうか?


日本は、カスタマーサービスなどに電話で問い合わせしても、ほしい答えをもらえないことがあります。
会社の規約ではっきり言ってはいけないとか、オペレーターに言われたことがあり、「誰にもほかの人に言わないから、どうかどうか、はっきり本当のことをいってください、ここだけの話で!」と説き伏せて、やっと知りたい答えを言ってもらえるまでに5分くらいかかったこともありましたっけ(笑)→実話です


簡潔に、明解に物事を伝えられない民族性は、国際社会では奥ゆかしさとはとらえられず、
むしろ「わけわからん、不気味、言ってることと本心が違って信用ならない」としか思われないです。

人間関係をうまくいかせたいから、が一番の理由だとは思うのですけど。
はっきり物事を言えば、
「あのひとって、キツいよね」とか「はっきり言い過ぎだよね」と陰口をたたかれることを
恐れることもあるのかもしれません。

私など、本音と建前を使い分けるのは面倒なので、ホントの事しか言わないし、
気に入らないことは気に入らないと言ってしまうし、嫌なら周りに同調しないし、
曖昧なことを言われると「それってこういうことですか?」と「本音直訳」して理解しようとするので、
「はっきりしすぎてきついよね」と言われたこともしばしばありました。

でも今は、周りの人たちはわかっているみたいで、私の事は「ホントのことしか言わない人」と思っているようです(笑)


でも、コンビニやファミレスで、はっきり言わなくてどうするの?
というか、あいまいに言う必要性がわからないです。

お金や商品をやり取りする以上、はっきり言ったほうがいいではないですか?
たぶん、モンスターカスタマーみたいな超勘違いの横柄な客を恐れているところもあるのかもしれないけれど。



時々、コンビニの店員さんの言っていること(たぶん、いろいろなマニュアル的なこと)が早口すぎて聞きとれなくて、3回くらい訊き返してしまうことがあります。すると店員さんはふっと苦笑して、こいつ日本語わからないんだなという感じで、「サンキュー!」と言ってきます。

いえ・・・日本語ネイティヴなんですけどね、わたし・・・


JK用語やネット用語など、使用者がカテゴライズされているような特別な用語は、別に困らないです。
自分がユーザーでない限りは、もし理解できなくとも、日常で困ることはないので。


でもこういうイラッとくる言い回しが一般化してくると、なんか残念におもいます。
接客用語こそ、美しい日本語であり続けるべき。

それが日本人の「お・も・て・な・し」の精神を表すのではないのでしょうか?



この前、中華料理店の店員の中国の方が、すごく日本語がお上手でしたが、会計時に
「1000円からでよろしかったでしょうか?」と言った時には、かなりびっくりしました。
彼ももはや日本のダメ文化に毒されてしまっているのね・・・・



オリンピックまでに、外国語を覚えることも前向きで素晴らしいと思うけれど・・・・
接客用語も、美しくあって欲しいと思うのです。

ロマ [なんちゃって博物誌]

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かつてジプシーと呼ばれた放浪民たちは、今ではロマと呼ばれるのが一般的です。
「エジプトのファラオの気高き末裔」を自称する一派から生まれたのがこのジプシーという呼び方のようですが、ヨーロッパでは地方によって呼び方は様々ですし、一概にロマと言ってもいくつものグループに細分化すれば、やはり呼び方が異なってきます。

彼らの言葉はロマニ語。文字を持たなかったため、昔の経緯は文献がありません。


DNAで見ると、彼らのルーツはインド北部にあるそうです。
たぶん、何らかの民族闘争があり、自由を求めてヨーロッパ方面に旅立った人々がロマになったようです。

音楽、踊り、あるいはクマ使いなどの芸能を生業として、あるいは金工、武器職人鍛冶職人として、大陸を気ままに放浪する人々? いいえ、彼らはヨーロッパにおいてけっしてよいとは言えない扱いを受けてきました。




1000年ごろ、インド北部から音楽を生業とした人々が西へ旅立ちました。
彼らはカーストに含まれない、あるいはカースト下層民でドムと呼ばれていました。

どこへ向かったか。
これによって彼らの運命は様々でした。


一番幸運だったのは、ロシアの宮廷に合唱団として雇われたロマたちでしょう。
エカチェリーナの愛人オルロフの兄である伯爵が作った合唱団です。

彼らはロシアの芸能や文化に多大な影響を与えました。
ロマ女性を妻にした貴族も多かったようです。
音楽家や文学者たちが、彼らを題材にした多くの作品を残し、ロシアの民族音楽にも強い影響を与えました。

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彼らは「黄金軍団」と呼ばれるくらいのよい待遇を受けていましたが、のちのロシアに編成される北部地域のロマたちは飢餓と貧困に苦しみ、ひどい生活をしていたようです。


各地の戦争や紛争に巻き込まれながらもあまり語られないのは、彼らが奴隷とされたり、定住民か放浪民か、もしくはキリスト教徒かそうでないかで扱いが違ったり、ずっと差別を受けてきたりしたからなのかもしれません。

人をだまし物を盗み、油断のならない人々、というステレオタイプを植え付けられた彼らは、差別と貧困に苦しんできました。

マリア・テレジアの啓蒙思想によって、定住化が厳しく義務化されたり、各国で同様に定住か国外退去を求める厳しい法律が作られました。

識字率を高めるためにと定住化させて学校に通わせるという政策もなされましたが、彼らが通える学校はごくわずか、教師も一つの学校に一人くらいだったようです。

彼らは自分たち以外の人々をガージェと呼びましたが、ガージェとロマの結婚は禁じられました。
16~17世紀のワラキアヤモルドヴァでは奴隷化されてロビと呼ばれ、まるで商品のように取引されたと言います。




ロビの値段は年齢、性別によって裁判所が決定したそうです。
ロビがロビ以外と結婚すれば、国外追放。
女性奴隷が主人の慰み者になったときは、主人が死ねば自由になりました。
子供たちは両親から引き離されて売買されました。


スイスでは奴隷売買ではありませんが、定住させ教育を受けさせ啓蒙するために、子供を親から取り上げて、キリスト教徒の家庭に養子に出したそうです。

キリスト教は占いを禁じましたが、フランスでは初めは貴族の暇つぶし、のちに庶民にも一般的にロマ女性の占いが広まり、一時ブームを巻き起こしました。

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ヨーロッパから遠く離れた日本人からすると、遠すぎて見えないというか、あまりにも彼らについての情報が少ないから、良く知らない人が多いのが普通ですよね。


差別もいじめも、規模が違うだけです。

ひとは自分と他者を比べることで、優越感や劣等感を感じます。
マジョリティが圧倒的に有利な世の中ですが、自分たちと違う主義や生活習慣を持つ人たちを差別することは、正しいこととは言えないと思います。

もちろん、人は社会的な生き物なので、他者に合わせるということも大切です。
しかし、マイノリティを差別して貶(おとし)めてもよいということではないと思います。

私も海外でアジア人嫌いの人たちから差別を受けたことがあるからこそ、差別される側の気持ちを考えなければいけないなと思うようになりました。

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「こうしたほうがいい、あなたたちのためだ」という親切心から、定住化させようとしてきた人たちもいたのかもしれません。自分たちには理解不能だから、恐ろしさを感じてねじ伏せようとした人たちもいたのかもしれません。


親切心であっても、根拠のない優越感であっても、相手の人権を蹂躙(じゅうりん)するようなことはいけないと思います。

一番罪なことは、無知な思い込みで差別的なことを平気で口にする事だと思います。
無知なまま外部から得た情報をよいことだと思って、差別用語を口にして面白がっている人も多いです。

メディアとか一部の偏った思想とかの人たちが言ったり書いたりしたことをうのみにして、他者を差別することは愚かなことです。

アジアでもそうだし、日本の中でだって、共同体の中でだって、言えることです。
ヘイトスピーチは、恥ずかしいからやめてほしい。

日本に対して同様の行為を行っている人たちも大勢いるけれど、そんな人たちは相手にしてはいけないと思っています。相手にすれば、自分をその人たちのレベルまで貶めることになるからです。



「あいつはダメなやつだ」と決めつけて阻害すれば、その人は行動が制限されてその評価に見合うようにしか行動できなくなります。周囲がその人をダメにしていることもあるのです。

ヨーロッパでの彼らの苦難の歴史を紐解くと、様々なことを考えさせられます。
500年以上も差別され続けているのです。



人を国籍や民族や人種や主義の違いで、偏見や差別を持たないこと。
国や政治家たちの思惑はまったく違うことも多いですが、一般人にとっては差別は何の利益も産まないと思います。(政治家にとってはお金を産むこともあるようですが)

虐殺やひどい差別を恐れ、ロマであることを隠す人たちも多いため、その人口を正確に知ることは難しかったようです。

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今でも差別は続いています。
しかし、逆境のなかでも苦労を重ねて名を成した人たちもたくさんいます。

あるいは、先祖の血を誇りに思い、そのルーツを明らかにしている人たちも多いです。
芸術、芸能分野で有名になった人たちは多いですが、政治家や学者もたくさん出ています。

チャップリンは母方がロマですね。
ラフカディオ・ハーンも、ビル・クリントンも、ルーツがあるようです。

風のように自由気ままに大陸を駆け巡るボヘミアン・・・そんなイメージにあこがれるという人も多いでしょうけれど、次回は彼らのもっとも大きな苦難、もう一つのホロコーストについてお話ししたいと思います。




ぷりぷり。

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大洗で食べたカキフライ。

めちゃ大きくてぷりぷりでした。


「海のミルク」と言われますが、小さいころはちょっと苦手でした。
でも今は大好物に分類されます(笑)。


血中のコルステロール値を下げるとか、女性にはうれしいアンチエイジング
美肌成分が含まれているそうです。


レモンを絞って塩をがりがり擦りかけて食べるのが好きです。
でもタルタルソースもいなぁ・・・・。


起源はけっこう怖い・・・ [使えない無駄知識( *´艸`)]

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10月31日はハロウィーンですね。
私たちアジア人にはクリスマス同様、お祭り騒ぎというだけで、深い意味はないですねww

子供たちがお化けや魔女の仮装をして、「お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ」とはしゃぐ姿は
かわいいですね。

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もともとは古代ケルト人の呪術的な儀式が起源です。
紀元前5世紀ごろに始まった、アイルランドのケルト人のAll Hallow's Eveという儀式。

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10月31日は夏の終わりの日だったそうですよ。
古代ケルトの人々は、人は死ぬと12か月間現世をさまよって、その間に憑りつくための動物や人間を
探し回るのですって。

夏の終わる日には暖炉の火をはじめすべての火を消して、家の中を真っ暗に、寒くするのですって。
その家の中をお化けの格好をして騒がしい音を立てながら歩き回ります。
仮装するのは、死者の魂に自分たちも仲間だと信じ込ませて、憑りつかれなくするためです。

そしてこれだけでは終わりません。

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村はずれの広場に集まります。そこでかがり火をたいて、まずは豊穣を祝います。
夏の間の収穫を、太陽の神に感謝するのです。
あ、ケルトは日本のように多神教で、いろいろな神様がいますよ。

そしてそれから、この儀式のメインイベントが始まります。
もうすでに死霊に憑りつかれてしまったひとびとを前に出します。
そして・・・・その人々を大きなかがり火の中に投げ込んで、死霊への見せしめにするのです!!

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・・・いわば、いけにえですね。
その後、ケルトの文化はローマ人たちによって取り入れられますが、人をいけにえにすることが
ローマ帝国で禁止されてからは、人形を用いるようになったようです。

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お菓子をねだるのは9世紀のヨーロッパのキリスト教文化の影響です。
すべての聖人の生誕を祝う万聖節の前夜、ソールケーキというジャムが付いたビスケットを家々から
もらい歩く代わりに、その年に亡くなった各家の死者のために祈りをささげたソーリングという儀式が
子供たちの楽しみに変化したようですね。

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アメリカには1840年代にアイルランド移民によって伝えられたそうです。
怪談といえば日本では夏ですが、ホラー話が多くなるのは、西洋では10月なのですwww

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どんなお祭りも原始的にはけっこう残酷なものですが、ハロウィーンも例外にもれず、のようですねw

ナポレオンの死 [Unsolved Misteries]

フランスの英雄、ナポレオン1世。

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ワーテルローで敗戦して、1815年、セント・ヘレナ島に流されましたね。

そして6年後の5月5日に51歳で死亡しました。



西アフリカから2000㎞も離れた孤島で、かつての英雄は寂しく息を引き取りましたが、
彼は生前、

「私の死は自然死ではない。英国独裁政府と彼らが雇った暗殺者に殺されるだろう」

と遺言書に記していたそうです。


イギリス総督のハドソン・ロウが監視役としてそばにいたし、いわば負けた相手に
見張られた孤島の生活、いつ命を狙われてもおかしくはないと思っていたのでしょうか。

実際、ロウはねちねちナポレオンをいじめていたようです。



5月6日、市の翌日、ロウの要請で解剖が行われました。

ナポレオンの侍医一名、英国の軍医六名。

侍医は肺炎による肝臓病の悪化であるとの見解を示し、
英国軍医たちは胃がんによる胃潰瘍の悪化と判断を下しました。


遺伝的に胃癌の家系だったようで、長い間、死因は胃癌だと信じられてきたそうです。
しかし、1960年代にスウェーデン人の歯科医が、ナポレオンの使用人の日記から毒殺説を唱えました。

ナポレオンの遺髪からは平常値の13倍ものヒ素が検出されたというのが、根拠のようです。




ナポレオンはシャンベルタンというフランスの赤ワインが大好物で
寝る前の1杯くらいの晩酌を続けていたそうです。

でも大西洋の孤島では手に入れることが難しいのです。
だから風味の似ている南アフリカのワインを取り寄せていたのですって。

そのワインに大量のヒ素が混入されていて、毎日の晩酌で摂取して・・・と。



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これには二つの意見があるみたいです。

①ホントに暗殺された。
のちに側近のモントロン伯爵が、自分がやったと告白しました。
こんな告白がありました、と子孫が発表したそうです。

②いや、やっぱり胃癌でしょう!
ヒ素は髪の毛を保存するのにつかわれたから、髪の毛からヒ素が検出されるのは当然だから。
実際に胃の中に癌と潰瘍が見つかったし。





そして究極の陰謀説。

セント・ヘレナで死んだのは、実はもと農民のそっくりさん、つまり影武者である!

・・・だそうです。



まぁ、今の医療科学ならば、死因は簡単に解明できそうですね。












巴波川 [Travel]

うずまがわ。 

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読めませんでした(/TДT)/

SIBA-dogさんに教えていただきました~^^


友達に話したら「いきた~い!」と乗り気だったので、行ってきました、栃木市。
江戸時代に栄えた蔵の立ち並ぶ風情豊かな場所です。

「蔵の町」と呼ばれているそうです。

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Wikiによると、

「ウズを巻き、波を立てて流れる」
から、うずまがわ、なのだそうです。


じつはこの日は7月の初旬、そう、めっちゃ夏日で、
私が今年最初で最後に熱中症になった日でした。あはは。


なんといっても、何年かぶりにコンビニでアイスを買ったくらいですから、
相当暑かったのです。


インフォメーションセンターで地図をもらっていざ出発、というか、
到着したらお昼だったので、まずは腹ごしらえです。

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そば。


中庭があって素敵な雰囲気の蕎麦屋さんでした。
壁には芸能人のサインがたくさんありましたが、なんかガイドブックなどに
よく載っているお店だったのかもしれないですね。

サイン? 誰のものやらさっぱりわからず、私には猫に小判です。
興味なし(笑)


食後は川沿いを散策しました。
橋の上から川面をのぞき込むと、

あら~!

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鯉!  たーくさん泳いでいます!


そこを船が通りかかり、船頭さんが朗々と歌を歌います。
櫂のしたを鯉たちがゆったりと泳ぎ・・・


船頭さんの歌を橋の上から聴かせてもらいました。


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公園のそばの端の上は、涼しくて風情がありました。
私には写真のセンスがないのでこんな感じにしか撮れませんが・・・
雰囲気は伝わりますか?


とにかく、あまりの暑さに「しばしとてこそたちどまりつれ」どころでもなく、
今回はさらりと一回りで切り上げてしまいましたが、友達と「また来よう~」と
意見が一致したので、今度は夏日じゃない時に訪れたいと思います(笑)

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素敵なところを教えていただいて、SIBA-dogさん、ありがとうございました~^^










You will rise [和訳のセカイ]

Sweetback ft. Amel Larireux

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物語調のメッセージソング。
人に希望を与える歌で、押しつけがましくガンガンくる歌は好きではないですが、
こんな歌は好きです。



You will rise



鳥だったらよかったのにと願った

小さな女の子のお話があるの


彼女は貧しいかごの中に生きていたから不幸せだったの

でもやさしいおばあちゃんがこう言った時、彼女に希望が芽生えたの


ベイビィ、あなたはここを出るの・・・高く昇るの

限界はないのよ・・・空よりも高く

どうでもいい人たちのウソで洗脳されちゃダメよ・・・どうでもいい人たちのウソでなんか


ベイビィ、高く舞い上がるのよ・・・昇るの

妥協なんかしちゃダメ・・・妥協なんてね

まだ見ぬところに、素敵なことがあなたを待っているのよ

・・・まだ見ぬ向こう側で、ね


少女ははるかかなたに行くための燃え盛る希望を抱いていた

大きな希望を持ち、あるいは運命の暗示を読み取り

ある日、彼女はそのひどい場所を出たの

でも大切な人たちのことを決して忘れなかった

そして夢をつかんだ時に言った


ベイビィ、あなたはここを出るの・・・高く昇るの

限界は限りないのよ・・・空よりも高く

どうでもいい人たちのウソで洗脳されちゃダメよ・・・どうでもいい人たちのウソでなんか


ベイビィ、高く舞い上がるのよ・・・昇るの

妥協なんかしちゃダメ・・・妥協なんてね

まだ見ぬところに、素敵なことがあなたを待っているのよ

・・・まだ見ぬ向こう側で、ね


夢を実現するために、自分の役割を果たすために

心の中で希望をもって


自分を認めるために

心を燃やし続けるの






Sweetback

Sweetback

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1996/10/17
  • メディア: CD



a.HesiodListening to the Inspiration of the Muse.Edmond Aman-Jean.small.jpg

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