a.gm.oedipus.jpg


オイディプスは実の父王をそうとは知らずに殺し、実の母妃をそうとは知らずに妻にして一子を設けてしまったという悲劇の人物です。

父王は彼が生まれた時に、いつか自分の命を奪う者だという神託を受けました。
だから赤ん坊の彼を山に捨てたのです。

かかとをピンで刺されて(たぶん、歩いてこられないようにするため)いました。
羊飼いに拾われて、子供のいなかったコリントの王に育てられました。
オイディプス、という名前は「腫れた足」という意味です。

a.oe1.jpg

さて、このオイディプスが成長すると、不吉な神託が下ります。
彼が実の父を殺し実の母を妻にするというのです。
彼はこの運命から逃れるために旅に出ました。

a.OedipusCursingHisSonPolynicesHenryFuseli.jpg

でも旅先であった無礼な老人を殺めてしまいます。
これがテーベの怪物に悩まされてアポロンの神託を受けようと旅をしていた実の父テーベ王だったのです。

テーベの怪物とは、スフィンクスのことでした。
通りすがりの人間を呼び止めては謎かけをして、解けなければ食い殺してしまうという厄介な者でした。

スフィンクスは顔は美しい乙女、体はライオン、背には大きな鷲の翼、そして蛇のしっぽを持つ怪物です。
オイディプスは旅を続けてテーベにたどり着き、この怪物と対峙しました。

a.oedipusthewayfarer.jpg

「声は一つ。足は二本になったり三本になったり、四本になったりもする。
足が弱い時がその数が一番多くて、強い時が一番少ない、それはなにか?」

オイディプスは即答します。
「それは人間である。足が弱い時、つまり赤ん坊の時は四つん這いであり、成長すれば二本足で数は
一番少なく、年老いれば杖を突いて三本になる」

a.oedipussphinx.jpg

オイディプスに謎を解かれたスフィンクスは、崖から転落して死んでしまいました。
折しもこの地ではテーベ王が亡くなっていたため(犯人はオイディプスですが)、スフィンクスを倒した者に
王位を継がせるということになったいました。

a.oedipusintempleofapollo.jpg

彼は公約通りテーベ王となり、寡婦だった王妃と結婚して娘までもうけました。
でもこの王妃は実の母だったのです。神託、おそるべし。
でもその頃、コリント王の死の知らせを聞いて、初めて自分の出自を知るのです。
妻(母)は自殺し、彼は自らの両目をつぶします。

a.oedipus.jpg

そして諸国をさまよったのちに、とつぜん、誰にもわからないように姿を消しました。
今では心理学に名を残す彼ですが、なんの因果でしょう、悲劇的な一生です。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。