水の庭 2 [Paris 2015]
年を取ってからのモネは、白内障を患ったそうです。
だから大好きな緑色も、だんだんくすんで赤茶けて見えるようになりました。
周囲からは手術を勧められるも、万が一の失明が頭をよぎると、なかなか手術に踏み切れません。
緑いろを失ったままか、すべてを失うか。
年老いた画家にとっては、究極の選択だったことでしょう。
画家が好きな色を表現できないことは、とてもつらいことだと思います。
手術の結果は成功でした。
そして彼は80代で亡くなるまで、水の庭を描き続けました。
さて・・・
五月の終わりの水の庭は、睡蓮のつぼみがあちこちから顔を出し始めてはいたものの、残念ながら咲き誇る様子を見ることはできませんでした。
庭師さんが小舟に乗って水中の藻を除去していました。
作業中ながら景色に溶け込んでいるので、彼もまるで一枚の絵の中の不可欠な素材のようです。
よく見ると睡蓮の葉の間でカエルたちが気持ちよさそうに鳴いています。
人間にとっては鳴いているだけにきこえるのかも?
でも彼らにとってはラブソングを歌っているのかもしれません。
5月は春の終わりでしょうか?
午前中はまだすこし肌寒さが感じられます。
でも太陽が上がるにつれて、じょじょに暖かくなってくるのです。
この季節、気温が一番高くなるのは14時から16時の間くらいだったと思います。
水面は太陽の高さや雲の陰り具合によって、刻々と表情を変えてゆきます。
好きな場所にイーゼルを置いて、モネは黙々と水面を描き続けたのでしょうか。
水には形がないので、いくら描いても描ききれるものではないのでしょう。
水という流動的なものの一瞬をとらえることは、カメラでも絵でもとても難しいものだと思います。
この庭に棲んでいるカエルたちは、幸せかもしれません。
だってこんな広い庭に、のびのびと暮らせるのですから。
動画を撮ってみました。
とても短いし、ブレブレだし、隣にいたアメリカ人のおばさんたちの声もばっちり入ってしまっていますが、この庭の雰囲気を感じていただけるかと思います。
もっと知りたいモネ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 作者: 安井 裕雄
- 出版社/メーカー: 東京美術
- 発売日: 2010/01
- メディア: 単行本
素敵なお庭・・・・
水辺でのんびり出来そうでいいですね。
こういう環境でモネの絵が出来たんですね。^^
by hatumi30331 (2015-07-08 09:46)
モネは無限の形の風景に興味を持ち続けたんでしょうね。
by 旅爺さん (2015-07-08 10:41)
モネの作品大好きです
ルーブル美術館で本物を観た時は感動しました♪
今後も楽しみにしています。
by かーる (2015-07-08 11:07)
nikiさん、おひさしぶりです。
5月に、旅行に行って来たのでしょうか?
緑いっぱいの画像ですね。
カエルはちょっと見つけられなかったです。
by moritake (2015-07-08 21:49)
水辺が静か・・・
by mamii (2015-07-09 12:37)
はじめまして
ずいぶん経つのに、絵と同じ光景なのでびっくりしました
by よいこ (2015-07-11 19:43)
先に拝見した後記事でも思ったのですが、モネの影響なのか写真が絵画に見えますね。
by secretariat (2015-07-15 20:42)
こんにちは。
スチルも動画もすてきです。動画は全体の雰囲気が音とともに伝わってくるので、とても臨場感がありますね。
※いつもコメントがなかなか入らないのです。今回もこれで7回目。
by sig (2015-07-18 16:24)