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オピオンとタマゴ [Mythologyのみそ]

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昔々、この世はカオスという混沌状態でした。

なぁにも存在しないカオスの中に、「創造」の力がどこからともなく出現しました。
これは、オケアノスという神の娘である、女神エウリュノメであると言われています(諸説あるようです)。


彼女の夫となったのは、オピオンという蛇の姿をした神。

カオスにおいて、エウリュノメはハトに姿を変えて、大きな卵を一つ、生み落しました。
その卵の中にはありとあらゆる、この世界を形作るものたちが入っていたのです。

オピオンはその卵に巻き付いて、温めました。
蛇の神が巻き付いた女神のタマゴはやがて孵化しました。
そして「世界」が生まれたのです。


天、海、山、川、そして大地。

エウリュノメとオピオンは「世界」の誕生を見届けると、オリュンポスの山の頂上に神殿を立て、そこに鎮座しました。

そしてそこでまさかの夫婦喧嘩か勃発です。

オピオンは、自分こそが世界を作り出した神だと主張しました。
怒ったエウリュノメは、彼を冥界に追放してしまいました。


世の妻帯者である殿方たち、奥さんを怒らせてはなりません(笑)。



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私が良く知る神話では、大地の女神ガイアと天の神ウラノスが夫婦となって世界を創造した、というものです。
エウリュノメとオピオンのお話しは、古い文献にちらほらとみられるものだそうです。

なぜ万物創造の女神がハトに姿を変えたのか、ハトとヘビが夫婦なのかなど、いろいろな疑問が出てきますが、卵に巻き付いて「世界」を孵化させたのがヘビというところが、なにか象徴的な感じがします。

ophion2_R.jpg



醜いからとヘラが捨ててしまったヘパイストスを育てたり、ゼウスとの間に三女神を産んだ水の女神もエウリュノメですが、この万物創造の女神とその夫オピオンが、クロノスとレア夫婦との権力争いに敗れてオリュンポスを去り、この女神は海の中に消えたという話もあるので、のちに水の女神となったのでしょうか。

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hanamura

国産み、天地創造のお話って、ナニカ引っ掛かって、腑に落ちない部分が、どの神話にもある!・・・と、私は感じています。 だって、イヤだぁ!蛇が温めたタマゴなんて、イヤだぁ!
by hanamura (2015-04-15 18:40) 

Hirosuke

大抵どこの神話でも蛇が登場しますね。
日本では蛇の夢は吉兆だとも言われます。
蛇に似た竜・龍も天からの使者として描かれる。

>ハトとヘビが夫婦

キリスト教だけが蛇・竜・龍を邪悪なサタンと見なしています。
そしてハトは万物創造神と三位一体である聖霊の象徴。
ところが三位一体の概念はキリスト以前の他宗教でも見られる。

何なんでしょうね、宗教って。
単なる物語なのか、それとも・・・。

by Hirosuke (2015-04-27 08:05) 

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