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R.I.U.O. 自由主義の果てに ~情死か、陰謀殺か~ [Unsolved Misteries]

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もしも自分が死ぬことがあれば、これをある人物に渡してほしい・・・


オーストリア皇太子ルドルフはそう言って、従姉に小さな箱を手渡していました。


彼はもしかしたら、自分の死を予測していたのかもしれません。
その言葉通りに彼が死んだ後、ある人物が闇にまぎれて小箱を取りに来ました。

それは、サルバトール大公でした。
ハプスブルク家傍流ロレーヌ家のトスカナ大公の末子で、リベラリスト。
ルドルフの親友であり、思想の共有相手。


彼らの暗号はR.I.U.O。

イタリア統一運動によりウィーンに亡命していた身であったけれど、
箱を受け取った2年後、ヨハン大公は皇籍を皇帝の許可なく抜けその怒りを買い、
オーストリア市民権を剥奪されました。

自ら称号を捨てて一般市民と結婚してしまうような人なので、オーストリアを追い出されても
痛くもかゆくもなかったかもしれません。

その後、スイス市民となり船乗りになり、南米で難波して死んだとされています。


いったい、R.I.U.O.とは何を意味するのか?
なぜヨハン大公は秘密裏に箱を受け取り、オーストリアから消えたのか?


彼は、すくなからず皇太子ルドルフの死にかかわっているとみられています。


マイヤリンク事件。

30歳の皇太子が16歳の少女と狩猟用の小屋で拳銃で心中した事件。


1889年1月30日、ウィーン郊外の王室の狩猟小屋で、ルドルフとマリー・ヴェッツエラ男爵令嬢が、
血まみれで死んでいるのが発見されました。

少女の遺体はベッドに横たえられ、バラの花びらに埋もれていたといわれます。
彼はベルギー王女シュテファニーと結婚して娘を設けていましたが、性格の不一致から
初めから仲の良い夫婦というわけではなかったようです。

女優や娼婦と付き合い、妻には愛情を示しませんでした。


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王妃と。


厳格な祖母によって、母親のエリーザベトから生まれた時に引き離されました。
そして教育係から虐待ともいえるさまざまなひどい仕打ちを受けて成長しました。
7歳で母が養育権を取り返したおかげで彼の地獄の毎日は一転しますが、やはり幼少時の
人格形成期は重要なのでした。

王家の人間でありながら、彼は王家や貴族が好きになれませんでした。
ペンネームを用いて自由主義の記事を新聞に投稿していたこともあるようです。

多くの自由主義者たちと交わり、親交を深めていたルドルフ皇太子は、ヨハン大公となんらかの
たくらみを抱いていました。


その暗号が、R.I.U.O.。


保守的な皇帝の父と、自由を愛するその皇妃である母。
どちらかといえば彼は、母の思想に近かったのでしょう。

保守派が勢力を盛り返し、彼の立場も危うくなってくると、彼は人生を悲観したのかもしれません。
長年の愛人である女優に、心中を持ち掛けますがはぐらかされてしまいます。



そんな時、従姉の紹介で、彼は男爵令嬢と知り合うのです。
彼女はまだ少女というほどに若く、アイドルにあこがれるように皇太子にあこがれを抱いていました。
皇太子にお会いできるならば、死んでもいいわ。
恋に恋する年頃の、純粋な少女。

愛人に心中を断られた皇太子は少女に心中を持ち掛けたと言います。
そして二人は、命を絶つのです。


皇太子が自身の死を予感していたこと、実際に「死んだら彼女とともに埋葬してほしい」という
遺書を母エリーザベトにあてて残していたことは事実なのかもしれません。


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マリー



しかし・・・

ハプスブルク家最後の皇后は、ルドルフの死が陰謀だったと告白しています。
そこで例のR.I.U.O.。

これは暗号の一種で、UとOを逆にしてみると、

Rudolf Imperator Osterrich-Ungarn(オーストリア・ハンガリー皇帝ルドルフ)

の略字になると言われます。


なるほど・・・父である保守派の皇帝を廃位させ、自由主義の新皇帝を誕生させようという
クーデターのシンボルになる・・・・

あるいは、入れ替えなくても何か別の、ちょっと似たような暗号なのかも?
私がドイツ語の勉強不足で、予測が立ちません(笑)スミマセン。


自分が暗殺されるかもしれないと考え始めた皇太子が、何らかのメッセージをしたためて、
小箱に込めてヨハン大公に渡した・・・と考えられなくもないですね。
あるいは、クーデター計画のなんらかの証拠が入っていたとか・・・

皇太子が皇太子妃と不仲なのを利用して、心中に見せかけて暗殺?
そうすれば、犯人は必要がないですからね・・・

でも、皇太子を暗殺させるほどの人物って・・・・


真相は、闇の中。






エリーザベト→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-11-23-4

エリーザベト美容番長編→ http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2012-04-08-1



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hanamura

「リヴァイアサン―クジラと蒸気機関」の主人公が・・・
そういうSFがぁ・・・あるのです。おもしろいですよ!
②「ベヒモス―クラーケンと潜水艦」
③「ゴリアテ―ロリスと電磁兵器」
この三部作!私は、はまりました。
by hanamura (2014-11-30 22:11) 

sarusan

当方への90,000nice目を踏んで頂きありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。

by sarusan (2014-12-01 11:37) 

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