姫君の選んだ職業は・・・ [l'histoires de femmes]
時は5世紀半ば。
ゴート族の王シーヴァルドには、それはそれは美しい姫君が一人おりました。
名前はアルヴィルダ姫。
あまりのわが娘愛しさに、王は誰にも彼女を渡したくなくて、お城に軟禁、
万が一、異性が近づいた時のためにクサリヘビをペットに与えておりました。
王は本当に強い、自分が認めた男を姫君の夫にしようと決めていたのです。
ある時、デーントの海賊アルブが、姫君に求婚してきました。
彼は強いばかりか容姿も非常に美しい若者でした。
王は彼の武勇伝を聴いていたし、その立派な姿にほれ込んだので姫君への求婚を受け入れました。
しかーし!!!
王妃は大反対。
大事な娘が海賊の妻となるなんて、ゆるせません!
当の本人は、世間知らずの若い娘ですから、美しく強そうな立派な若者であるアルブに
もちろん一目ぼれでした。
でも、お母様がゆるしてくれません。
それどころか、海賊に惚れるなんて、あなたは姫としての自覚がどうたらこうたら・・・と
ひどく叱られてしまいました。
さて、ここで姫君はどうしたでしょうか?
泣く泣く、彼を忘れる?
ますます内向的になる?
いえいえ・・・・
意外な行動に出ました。
なんと彼女は女としての幸せを得られないならと、ドレスを脱ぎ捨て、男装して、
しかも・・・・
海賊になったのでした!
しかも、女だけの海賊団のかしらです。
そして近隣の海域を荒らしまわり、恐れられるようになったのです。
なんと素晴らしき転身。
しかも、ある海賊団に遭った時、その船のかしらが亡くなってしまったということで、
ぜひにと海賊たちから頼まれて、その海賊団も吸収合併してしまったのです。
ますます大きな海賊団のかしらとなって、彼女は海を荒らしまわりました。
一方、王と姫君本人には認められたものの、王妃の反対に遭って望み叶わなかったアルブは、
海賊となった姫君のうわさを聞いて、姫君を探していました。
そしてついに、フィンランドの湾内で彼女の船団に遭遇したのです。
相手がアルブとは気づかない姫君は戦闘を仕掛けます。
しかしそこは場数を踏んだ勇猛なアルブの船団にはかないません。
船に乗り込んできたアルブを見て、姫君は驚きました。
再会~。
そして二人は、結婚しました。
海賊になった姫君は海賊と結婚して、グリータという娘を産みました。
余談ですが、アルブの相棒は姫君の親友兼侍女と結婚したそうです。
なんか、宝塚で上演できそうなお話ですが、
このアルヴィルダ姫が、おそらくは記録に残る世界最古の女海賊だそうです。
「村上海賊の娘」は面白かった!
とにかく面白かったです。
言うこと無しです。
by hanamura (2014-12-10 12:06)
こんにちは。
「なんか、宝塚で上演できそうなお話ですが・・・」に賛成です。ステージで観てみたいです。
by sig (2014-12-10 13:58)
ええ~そんな女性がいたとは、全然知らなかった!
(歴史は好きなので、結構知っているのですが)
確かに宝塚向きですね。まんま、いけそうな‥
5世紀だと図版のような格好はしていないけど。
ゴート族じゃ地味かしら‥いや、ローマ風の格好をアレンジすれば、いいでしょう♪
by sana (2014-12-12 14:43)
ご無沙汰してました。
長らく体調不良でしたが、復帰します。
今後ともよろしくお願いします。
by cafelamama (2014-12-12 17:14)
これはオモロい話でした。
by mu-ran (2014-12-18 05:58)