Cynocephaly [なんちゃって博物誌]
キュノケファロス。
「犬あたま」というラテン語が語源だそうです。
文字通り、犬(またはジャッカル)の頭をした人間のことですが・・・
犬の頭を持つ人間と訊けば、まず思い浮かぶのは古代エジプトのアヌビス神。
冥界の神、魂を運ぶ役目を果たし、ミイラを作るときの監督官でもある・・・と、
「死」のイメージを持っています。
実際はイヌ科の絶滅してしまった動物がモデルだそうですが、エジプトでは儀式の時に
犬の頭の被り物をしたらしいので、あながち、「犬あたま」の人間が存在しなかったとは
言いきれないかもしれませんね。
犬頭人間に関しては、いろいろな説があります。
*犬に似た顔の猿(ヒヒとかオナガザル)を見た人が、あるいはまた聞きで作られた。
*犬のような状態になる病気を発症した人(狂犬病みたいな?)のこと。
*未開の民族を、侮蔑の意味で表したことば。
*あるいはエジプトのようになにか象徴的な存在
古代のインドあたりには、動物の毛皮を身に着けて、声をまねて狩りをする人たちがいたそうで、それをギリシア人が「犬あたま」として記述したという話もあるみたいです。
西アジアには、なにか民族的な意味のために両耳を切り落として歯を抜いて容貌を変えた、闘犬のような外見の好戦的な人々がいたらしいです。
マルコ・ポーロも犬あたまの人間を見たと書いているらしいですが・・・彼の言葉は「黄金の国じぱんぐ」で、もうすでに眉唾としか思えないです(笑)
中世においては、犬あたまは人を食べる野蛮な人種とされ、キリストに遭って罪を改めたことで成人になったと言われています。それが聖クリストファー。
古代エジプトはローマに征服されたから、ヨーロッパにアヌビス神のようなイメージが渡ったのも納得できます。
でも中世では「野蛮人」のことを表していたようです。
キュノケファロスの正体、なんだと思います?
次回はバステト神を、お願いします。
故栗本薫さんの小説グイン・サーガ、マンガのアタゴウルは猫の森、猫の頭には私は好印象・・・って、単に猫好きなだけですね。(あはは笑)
by hanamura (2014-07-01 12:21)
あら~、実は、近々にゃんこのことを書こうと思っていたので、バステトも調べてあります!
7月中には書けるかと^^
by niki (2014-07-01 14:59)
こんにちは。幼少の頃、自分より大きいシェパードをいたずらでけしかけられて以来、犬に対してはトラウマがあります。猫ちゃんは大好きです。楽しみにしております。
by sig (2014-07-02 15:32)
今回、スペインのロマネスク教会を回ってきたのですけど、鳥の頭に魚の胴体を持つ絵がありました。
キリスト教に詳しくないので、意味が分かりませんけど。
今回、ベアトス写本も見てきたのですけど、千年前に描かれたとは思えないほど今でもイラストレーションで通じます。
by ktm (2014-07-14 20:43)