Walküre [なんちゃって博物誌]
北欧の神話では、世界はユグドラシルという「世界樹」に支えられて存在すると考えられています。
最上界は神々の世界が三つ。
二番目の界には人間の世界、ミズガルズと、巨人の氷の世界と邪悪な黒小人の世界。
三番目には冥界、霜の国、炎の国。
三界にそれぞれ三つの世界・・・意味深ですね。
北欧神話では、神々も不死身ではないのです。
なんと神々の戦いの末に世界が終わりをつげ、そこから人間が生まれるのです。
そして戦士であること、戦士として勇敢な死を遂げることが重要視されていたようです。
今回はその時に重要な役目を果たすヴァルキューレについてです。
人間は死ぬと天上界にあがるかもしくは冥界へと落ちるのです。
戦場で勇敢に戦って死を遂げた戦士の魂は、ヴァルキューレたちによって選別されて、選ばれたものだけが天上界へと導かれます。
初めヴァルキューレは戦場で宴を繰り広げる悪霊でした。黒い羽根を持つと言われることから、カラスを意味する言葉で呼ばれることもあるようです。
しかしのちに時代が下ると、白い翼を持つ美女として浸透したようです。
複数存在するヴァルキューレたちは、勇敢に戦死した戦士たちの魂を救い上げて、天上のアースガルズへと連れていきます。
ここには、アース族の最高神であるオーディーンの宮殿、ヴァルハラがあり、選ばれた戦死者たちはここに迎えられるか、あるいは美の女神フレイヤの宮殿に迎え入れられます。
ヴァルキューレはヴァルハラでは戦士たちを歓待する役目を仰せつかった、オーディーンの館の侍女たちでもあります。
戦士たちは朝から晩まで戦いの訓練に精を出し、オーディーンの敵対する巨人族との最終戦争に備えます。そして戦いの訓練以外では、ヴァルキューレたちとたわむれて、美酒に酔うことを許されています。
あら?
そうです。
天上界に行けるのは、勇敢に戦死した者たちのみ。
それ以外の人たちはすべて死の女神ヘルの冥界、ニヴルヘイムへと送られます。
勇敢に戦死したもの以外はすべて、ここに行くのです。
で、女子もここなのね。o(´^`)o
・・・それで、話を戻しますね。
ヴァルキューレは美しい乙女とされるようになり、その姿は羽飾りのついたヘルメットをかぶり、輝く鎧に身を包み、天馬にまたがって戦場を駆け巡るとされました。
一番有名なヴァルキューレはオーディーンの娘の一人、ブリュンヒルデ。
死ぬ運命のものを助けたために、オーディーンによって天上界を追放されます。
この名前が使われた創作が、ワーグナーのオペラ。
そう、あれは神話から名前を使った創作ストーリーなのですって。
ヴェルキューレたちは機織りもしますが、なんと人間の死体を「織る」そうです。
出来上がった死体の織物は、次の戦の勝敗を決めるのだとか。
美の女神フレイヤは、ヴァルキューレたちを総べる存在であると言われます。
美と死。
奥が深いですね。
ちなみに、戦場を駆けるヴァルキューレたちの輝ける鎧が、オーロラとなったのだとも言われるようです。
美酒には魅力を感じますがぁ・・・乙女より普通の女子がいいです。
ヴァルハラか、ニヴルヘイムか・・・って、私は仏教徒でした。
by hanamura (2014-05-26 15:28)
こんにちは。
こういうお話は大好きです。ご存知と思いますが1924年のアベル・ガンスの「ジークフリード」と「クリームヒルト」(題名のまま)の2部作を思い起こしました。
by sig (2014-05-28 16:30)
闘いの神、美の神、神の存在で穏やかに暮らせた時代は
気持ちの上では平和だったんでしょうね◎
前記事のサスペンス・・・じゃなくてバラ風呂はゴージャスです✿✿
『警部ッ!!』十津川シリーズでの山村紅葉さんの決まり台詞(^^)
これからもよろしくお願いします (くーぺ改)
by TERU (2014-05-30 07:46)
私はヴァグナーのオペラしかしらないので、エッダ伝説とニーベルンゲンリートがごちゃ混ぜになっています。前者のBrünhildeと後者のBrünhild。伝説の形成過程でなにか関係があったのでしょうか。
by 鎌輪ぬ (2014-05-30 20:19)
ヴァルキューレのストーリー、興味深く読みました。
Coucou!って表現、いいですね。
by ciel-bleu-fonce (2014-11-24 08:45)