鳴く虫 [WAKA]
虫のごと声にたててはなかねども 涙ののみこそしたにながるれ
訳: 秋に鳴く虫のように
声をたてて泣くことはないのだけれど
声の代わりにあたしは
あなた恋しさの涙が出て
とまらないのよ
『古今和歌集』より。
清原深養父。
清少納言のひいおじいちゃん。
訪ねても来なくなった恋人のことを恋い慕って泣く女性の心境を歌いました。
このころの和歌はまだ技巧に懲りすぎたところがなくて、意味が分かりやすいですね。
虫の鳴き声に情趣を見出すのはアジア人。
鳴く虫といえば秋を思い起させます。
秋は・・・「飽き」。
恋人の心が遠のいてしまう意味にも使われます。
虫は声に出して鳴くけれど、あたしは声ではなく、涙を出して泣くのよ、と・・・。
これが昔からの日本人。
涙をちょっと流したくらいで「号泣」と云うメディアはどこの人?
by 斗夢 (2012-10-21 06:14)
女性の思いを歌いつつ、実は自分の事だったりして・・・(^^;)男の子は声出して泣けませんもんね(^^;)ゞ
by さうざんバー (2012-10-21 19:32)