女官たち [Paintings]
ディエゴ・ヴェラスケスは1559年に生まれ、17世紀のスペイン絵画の黄金時代を担った人です。
彼の代表作の一つはこの絵。
美術の教科書にも載っていたような気がします。
本物は3メートルもの大作です。
向かって左手でキャンバスに向かって筆を持つのはヴェラスケス本人。
ここは宮廷の中の彼のアトリエなのですって。
中心の少女は5歳の王女、マルガリータ。
愛らしい彼女の周りにかしずくのが、この絵のタイトルでもある女官たち。
みんな「こちら」を向いていますね。
だから絵を見る人は、彼らに見られているように感じるのです。
なにを見ているかというと、中央の鏡の中がその答えです。
マルガリータ王女の両親である、フェリペ4世とお妃のアンナ・マリアが立っています。
つまり、絵の中の人々が見つめているのは私たちではなく、国王夫妻なのです。
犬は忠誠や貞淑をあらわすために、女性とともに描かれることが多いです。
ここにはさまざまな女性が描かれています。
王女と年があまり変わらないほどの、可憐な少女たちである女官。
後ろには修道女。
向かって右側には矮人と道化師。
ちなみに、このなかにヴェラスケス本人が描いていない、彼の死後に加筆された部分があります。
さて・・・おわかりでしょうか?
答えは・・・・
ヴェラスケスの服に描かれた赤い十字です。
サンティアゴの十字勲章と言って、死後に受けた騎士の称号です。
だからフェリペ4世によって、この十字が加筆されたそうです。
この絵の謎は、まだ奥深いようですが・・・・
まだ誰もデコードできていないようです。
Diego Velazquez: 1599-1660: the Face of Spain (Basic Art)
- 作者: Norbert Wolf
- 出版社/メーカー: Taschen America Llc
- 発売日: 2011/10/09
- メディア: ハードカバー
Velazquez: The Technique of Genius
- 作者: Professor Jonathan Brown
- 出版社/メーカー: Yale University Press
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: ペーパーバック
Velazquez: The Complete Paintings
- 作者: Fernando Checa Cremades
- 出版社/メーカー: Ludion Editions NV
- 発売日: 2008/10/13
- メディア: ハードカバー
謎の多い一枚ですよね。ブリューゲル同様、美術館の椅子に座って一日中一枚の絵の前にずっと座って見ていたい。
by su-nya (2012-10-20 04:45)
この絵は現地で説明を受けましたが忘れました。
後ろの出入り口に立ってる人の事も聴きましたが・・・皆忘れてます。
by 旅爺さん (2012-10-20 05:28)
タイトルで勝手にチャングム的な女官を想像しちゃいました^^;
絵も色んな観点でみるとより面白さが増すんですね♪
by secretariat (2012-10-20 12:00)
深いですね。
時間をかけて見るといろんな発見ができそうです。
by 水無月 (2012-10-20 13:38)
有名な絵ですが、先日ちょうど「怖い絵 泣く女編」でこの絵のことを読んだばかりでした^^
今日こちらの記事を読んでベラスケスの服の十字がそういうことだとは初めて知りました。
このように絵の背景を知ると絵画鑑賞がまた楽しくなりますね・+゜・。(*´∀`*)・゜+。+・
by mary (2012-10-20 14:27)
あまりに有名な絵画ですけれど…
もっともっと何か隠されているような気がする
不思議な絵ですね…。
by vega (2012-10-20 16:09)
子供のころ、マルガリータ王女の肖像画が大好きでした。
お姫さまに憧れていた時期です。。。。(*⌒∇⌒*)
by ゆう (2012-10-20 18:06)