ペネロペの織物 [Mythologyのみそ]
ペネロペはスパルタの王族イカリオスの娘。
イタケの王オデュセウスに愛されて妻となりました。
息子も生まれましたが、新婚時代はたったの1年だけでした。
というのも、オデュセウスがトロイア戦争に出かけてしまったからでした。
来る日も来る日も、夫の無事と帰還を待ち続けるペネロペ。
でも夫からは何の連絡もありません。生死も不明です。
それでも待ち続けるペネロペ。
イタケの国の周辺の貴族たちはオデュセウスがもう死んだものとみて、イタケの国を手に入れようと
何百人も彼女に求婚し始めたのです。
ペネロペは、美しいだけでなく賢い女性でした。
亡きしゅうとの衣を縫うための布を織りあげた時に、求婚者の中から一人を選ぶことを約束します。
でも彼女は昼間織った分を、夜になるとほぐすことで、いつまでも織あげることを遅らせ続けたのです。
これが「ペネロペの織物」。
いつもしているのに、物事がなかなか進まないことのたとえとなりました。
こうしてごまかし続けて20年。
トロイア戦争で数々の活躍を果たしたオデュセウスが、やっと故郷に生還します。
でもよこしまな人々に好き勝手にされた国を見て驚いた彼は、こじきに身をやつして様子を見ることに。
不思議なお告げを受けた、いまや立派な青年になった息子とも再会を果たし、妻のペネロペに
求婚する人々の一掃を考えます。
いよいよごまかしのきかなくなったペネロペは、矢を12本すべて、一つの輪の中に射た人と結婚すると
宣言しました。
でもみんな、弓を張ることもできません。
こじきの格好のオデュセウスが試させてくれというと、婚約者たちは彼に雑言を浴びせました。
でもしらばくれた息子が、やらせてみればよいと口添えをします。
誰も張ることができなかった弓を張ったばかりか、彼は矢もすべて輪を射抜きました。
そして自分は戻ってきたこの国の王だと正体をばらします。
かくてペネロペはオデュセウスと再会し、それからは末永く幸せに暮らしました。
今日は対照的に一途にひとりの男性を愛したお話ですね。
by fam-kaninchen (2011-09-25 03:46)
良い話だとは思うんですが、20年も一言もなく待たせちゃダメですよね^^;
by secretariat (2011-09-25 07:54)
「ペネロペ」というタイトルを見て、スペインの女優と勘違いしました。今回の挿話は有名ですね。昔、ドラマ化されたものを観た気がします。
by たいちさん (2011-09-25 10:30)
オデュセウスはとにかくカッコいいですよね。もうどれだけ映画になったでしょうか。ペネロペの元へ帰ってくるまでのお話が、また面白いんですよね。
by sig (2011-09-25 10:45)
戦争に出かけたオデュセウスは、あちこちで恋をしたりして愉しんでいるんですよね。
あーあ、男だなぁ、と微笑ましくなりますが...
オデュセウスの冒険談そのものが妻への言い訳、という学者もいたりして、
その観点から読むと、けっこう笑えます。
by ナツパパ (2011-09-25 11:04)
「ペネロペ」というタイトルを見て、うっかりペネロペ・・・リサとガスパール・・・絵本の話と勘違いしました。勘違い?普通そうですよ!
by hanamura (2011-09-25 18:36)
賢い女性の処世術、けなげな中の逸話ですねぇ。
ペネロペというとあのナイスバデーのレディをわたしも思いだしますが、
今後はこちらのレディも頭に浮かびますね(*^o^*)
(我が家の猫ちゃん、おかげさまで回復傾向にあります^^)
by nana_hyr (2012-06-30 22:08)