上村松園の『花筐』 [Paintings]
「はながたみ」と読みます。
能の演目の一つです。
室町時代の能楽の大成者・世阿弥が作りました。
ストーリーは、うーん・・・・不思議なラブストーリー。
皇子と恋人同士だった照る日の前という女性(輝くほどの美女ということがこの呼び名からわかります)。
皇子が天皇に即位することが決まり、ふたりはお別れすることになります。
文と花筐(花かご)を送り別れを告げる皇子。花とは、もうお分かりですね? さくらのことです。
照る日の前は悲しみに暮れて里に帰ります。
いつしか紅葉の季節になりました。
天皇が紅葉狩りに出かけたとき、一行は物狂いの女に会います。
それは花筐を持った照る日の前です。
家来が花筐を叩き落とすと、照る日の前は恨みを述べてその花筐の由来を語りだします。
そして悲しみに泣き崩れるのです。
家来がその花筐を拾って天皇に見せると、確かに見覚えのあるものです。
そして二人は再会します。
天皇は照る日の前を都に連れ帰ることにします。
めでたしめでたし・・・・と。
花筐が主役なのに、紅葉の季節。
う~ん、でも一応さくらに関係があるので良しとしますかw
いとしい人にあいたくてあいたくてあいたくて物狂いになった女を、女性画家の上村松園が描きました。
魂が抜けてしまうほどに恋しがることを「あくがれる」といいます。
この絵はそんなあくがれいづる女の恋慕を表現しています。
さすが、女性画家です。
あくがれる が転じて あこがれる、なのかな?
と読み終えたあとにかんじました。
画は手がまたはかなく描かれていますね。
華奢な手じゃないから、こういった表現はわたしには出来ないけどw
by nana_hyr (2012-04-10 05:17)
実物を見た際には、
しばし圧倒される妖艶さがありました。
by かずのこ (2012-04-11 22:22)
愛しい人に、あいたくて会いたくて逢いたくて愛たくて物狂いになった【男】。
それが、僕。
by Hirosuke (2012-04-12 20:27)
「焔」と「花筐」は松園の作品の中でも異彩を放つ作品ですね。そのくらい激しく誰かを愛してみたい願望はありますが、流石にもう無理だろうなぁ
by YUKO (2012-10-15 11:30)