幸薄きうつくしき亡霊 [l'histoires de femmes]
ヘンリー8世の5番目の王妃は、長女のメアリーよりも3歳若いキャサリン・ハワードでした。
彼女は2番目の妃で処刑されたアン・ブーリンの父方の従妹にあたりました。
家柄は良かったものの幼くして両親と死別し、みなしごになった彼女は、親戚たちの家々をたらいまわしに
されて育ちました。
厄介者扱いされていた幼い女の子はやがて10歳ごろから人々をひきつける魅力を発揮し始めて、
ずるい大人や年長の男たちは、彼女に疑似恋愛を仕掛けてその気にさせるようになります。
両親の愛に飢え、誰かに愛されたかった少女が言い寄る男たちに身を任せることは、何も誰からも
教わっていなかった少女にとっては、自然なことだったのかもしれません。
読み書きも教わることなく、ただただ、娼婦のように男たちに身を任せる、倫理観に欠けた美少女。
必要とされれば、それが愛されていることだと思っていたのかもしれません。
19歳で、ヘンリー8世の4番目の妃・アン・オブ・クレーヴスの侍女になります。
この王妃は、肖像画と実物にあまりの違いがあってヘンリー8世に嫌われたかわいそうな王妃です。
王は嫌った王妃の、若い侍女にひとめぼれしたと言います。
結婚後わずか半年で王妃は田舎へ追いやられ、離婚を言い渡されます。
フランドルからやってきた王妃はヘンリー好みの美女ではありませんでしたが、賢い女性でした。
2番目の王妃のようにない罪を着せられて処刑されたくはなかったので、おとなしく従ったのです。
ちなみに、彼女との政略結婚をまとめた宰相のクロムウェルは、王の怒りを買って処刑されてしまいました。
そして王はキャサリン・ハワードを次の王妃として迎えたのでした。
新しい王妃はたった21歳。王はすでに50歳に近い、ウエストが140cmの肥満体。
キャサリンは若く美しく、ダンスやドレスにしか興味のない、軽薄な女性でした。
それはだれも彼女に、知性や教養を求めなかったから。
彼女の栄華は、そう長くは続きませんでした。
ある男から、自分を王妃の秘書官にするようにと脅迫されました。
その男は、結婚前に彼女の愛人の一人だった男でした。
やがて二人の仲は噂になり、王の耳にも届きます。
王は結婚前の王妃の身持ちの悪さを聞いてショックを受けました。
そして調査団を結成させ、まずはひそかに王妃の過去を洗い始めたのです。
世継ぎがなかなかできないことも、王をいらつかせたのかもしれません。
やがて彼女の過去が洗いだされ、そのうえ、秘書官とは今も関係が続いているという証言を得ると、
王は王妃を捕えさせました。
礼拝堂に続くハンプトン・コート宮の回廊で、彼女はミサに出席していた王に命乞いをしようと駆け出して
取り押さえられたそうです。
死にたくない、こわい、助けて!!! と叫んだと言われます。
しかし、結局はたった21年の生涯を閉じることになってしまいました。
ロンドン塔のグリーンタワー。
かつて血縁のアン・ブーリンが処刑されたように、彼女も首を落とされました。
もはやその時はあきらめていたようで、泣きわめくこともなく静かに死に臨み、あっけなく首を切り落とされた
そうです。
幽霊は、生前に思い入れが一番強かった場所に現れると言われます。
いまでもハンプトン・コート宮の、キャサリン・ハワードが命乞いに向かおうとした回廊には、若く美しいままの
彼女の亡霊が出現すると言われています。
だからこの回廊は、霊の住みつく回廊と呼ばれているそうです。
彼女は2番目の妃で処刑されたアン・ブーリンの父方の従妹にあたりました。
家柄は良かったものの幼くして両親と死別し、みなしごになった彼女は、親戚たちの家々をたらいまわしに
されて育ちました。
厄介者扱いされていた幼い女の子はやがて10歳ごろから人々をひきつける魅力を発揮し始めて、
ずるい大人や年長の男たちは、彼女に疑似恋愛を仕掛けてその気にさせるようになります。
両親の愛に飢え、誰かに愛されたかった少女が言い寄る男たちに身を任せることは、何も誰からも
教わっていなかった少女にとっては、自然なことだったのかもしれません。
読み書きも教わることなく、ただただ、娼婦のように男たちに身を任せる、倫理観に欠けた美少女。
必要とされれば、それが愛されていることだと思っていたのかもしれません。
19歳で、ヘンリー8世の4番目の妃・アン・オブ・クレーヴスの侍女になります。
この王妃は、肖像画と実物にあまりの違いがあってヘンリー8世に嫌われたかわいそうな王妃です。
王は嫌った王妃の、若い侍女にひとめぼれしたと言います。
結婚後わずか半年で王妃は田舎へ追いやられ、離婚を言い渡されます。
フランドルからやってきた王妃はヘンリー好みの美女ではありませんでしたが、賢い女性でした。
2番目の王妃のようにない罪を着せられて処刑されたくはなかったので、おとなしく従ったのです。
ちなみに、彼女との政略結婚をまとめた宰相のクロムウェルは、王の怒りを買って処刑されてしまいました。
そして王はキャサリン・ハワードを次の王妃として迎えたのでした。
新しい王妃はたった21歳。王はすでに50歳に近い、ウエストが140cmの肥満体。
キャサリンは若く美しく、ダンスやドレスにしか興味のない、軽薄な女性でした。
それはだれも彼女に、知性や教養を求めなかったから。
彼女の栄華は、そう長くは続きませんでした。
ある男から、自分を王妃の秘書官にするようにと脅迫されました。
その男は、結婚前に彼女の愛人の一人だった男でした。
やがて二人の仲は噂になり、王の耳にも届きます。
王は結婚前の王妃の身持ちの悪さを聞いてショックを受けました。
そして調査団を結成させ、まずはひそかに王妃の過去を洗い始めたのです。
世継ぎがなかなかできないことも、王をいらつかせたのかもしれません。
やがて彼女の過去が洗いだされ、そのうえ、秘書官とは今も関係が続いているという証言を得ると、
王は王妃を捕えさせました。
礼拝堂に続くハンプトン・コート宮の回廊で、彼女はミサに出席していた王に命乞いをしようと駆け出して
取り押さえられたそうです。
死にたくない、こわい、助けて!!! と叫んだと言われます。
しかし、結局はたった21年の生涯を閉じることになってしまいました。
ロンドン塔のグリーンタワー。
かつて血縁のアン・ブーリンが処刑されたように、彼女も首を落とされました。
もはやその時はあきらめていたようで、泣きわめくこともなく静かに死に臨み、あっけなく首を切り落とされた
そうです。
幽霊は、生前に思い入れが一番強かった場所に現れると言われます。
いまでもハンプトン・コート宮の、キャサリン・ハワードが命乞いに向かおうとした回廊には、若く美しいままの
彼女の亡霊が出現すると言われています。
だからこの回廊は、霊の住みつく回廊と呼ばれているそうです。
ロンドン塔、今でもゾッとする感じを覚えていますよ
ロンドンはそんな場所ばかりですよね・・・苦笑
住んでいましたが、あまり近寄らなかったです~
by ukbeat (2012-02-26 08:08)
愛している人に裏切られた王の気持ち…僕には理解できる。
by Hirosuke (2012-02-26 09:03)
イギリスって、
亡霊や幽霊の話が多いですよね。
どうしてでしょうか。
去年、イタリアのアッシジでサンタ・キアーラがなくなったところを見てきましたが、厳かな感じを受けました。
とても質素な教会のとても質素な部屋の片隅に祭壇が置かれているだけのシンプルなものでした。
by ktm (2012-02-26 11:06)
あちゃ~ってお話ですが、興味わきました。
映画にでもしてほしい。^^
by がり (2012-02-26 11:15)
タイトルが気になって訪問させていただきました。
ロンドン塔ってそういうところなのですね。
by imari♪ (2012-02-27 12:41)
なんだか気になって、もう一度読みに来ました…。
簡単には答えが出せない生き様です。
by vega (2012-02-27 21:29)