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クリスティナ・ロセッティの『うた』。 [和訳のセカイ]

私が死んでも、ねぇ、あなた。

悲しい歌は、歌わないで。


眠る私の枕辺に

バラも、翳りなす糸杉も植えないで。


WaterhouseThe_Soul_of_the_Rose,_aka_My_Sweet_Rose.jpg


青い芝のみを

雨と露とに濡れるがままに。


そしてもしも、覚えていてくれてもいいし、

そしてもしも 忘れてしまってもいいのよ。


私はもはや、影を見ることもなく、

雨を感じることもない。


夜啼き鳥のまるで悲痛に満ちたような

歌声も聴くことはないの。


明けることも暮れることもない、

黄昏の中で夢を見る。


思い出すかもしれないし、

忘れてしまうかもしれないし。



WaterhouseOphelia_1889.jpg



『Song 』(原文) Christina Rossetti

When I am dead, my dearest,
Sing no sad songs for me;
Plant thou no roses at my head,
Nor shady cycress tree:
Be the green grass above me
With showeres and dewdrops wet;
And if thou wilt, remember,
And if thou wilt, forget.

I shall not see the shadows
I shall not feel the rain;
I shall not hear the nightingale
Sing on, as if in pain;
And dreaming through the twilight
That doth not rise nor set,
Haply I may remember,
And haply may forget.


*************************************************************
私の好きな詩です。
クリスティナ・ロセッティはイギリスのヴィクトリア朝の詩人です。
幼いころから肺が悪くて、家にこもりがちでした。
厭世的な詩が多いですが、わざとらしくないところが良いです。

なるべくリズムを意識して訳してみました^^

画像1枚目:ウォーターハウスの『The soul of the Rose,aka My Sweet Rose』
画像2枚目:ウォーターハウスの『Ophelia,1889』


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sig

クリスティナ・ロセッテ・・名前は聞いたことがある程度。でも、この訳詩は感情がとてもよく伝わってきます。
by sig (2011-05-23 15:33) 

詩人の血

訳詩と言うのはこうするのですね!

ロゼッテと同時代のフランスの詩歌集

堀口大学訳「月下の一群」とてもいいですよ!

講談社学芸文庫で購入できます!
by 詩人の血 (2011-08-23 19:27) 

Hirosuke

堀口大学…「月光とピエロ」…
by Hirosuke (2011-09-01 17:56) 

Hirosuke

僕は、たぶん、忘れられています。
僕は忘れずに憶えていても…。

by Hirosuke (2011-09-04 18:29) 

お針子姫

この詩好きです。
死んでしまったら
貴方のことを思い出すかもしれないし、忘れてしまうかもしれないし・・・
っていう最後のところ、自由な人だなぁって♪

英語の詩なのですね。
原文が英語だとそのままでも伝わりやすいですね。
慣れてるからかもですけれど。
英語の詩ってあまり読んでいなかったけれど
原文で読みやすいのよいなぁって・・・気がつきました。
これからヴィクトリア朝の詩も探してみようかしら。
また素敵なのあったらご紹介してくださいね❤
by お針子姫 (2012-02-25 20:20) 

Hirosuke

今、僕が死んでも、誰も悲しまない。

家族でさえも。

僕が病気だから。

みんな僕を忘れてしまった。

みんな僕は憶えているのに。

by Hirosuke (2012-02-27 09:17) 

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