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フリーメーソンリー [なんちゃって博物誌]

秘密結社です。
「フリーメーソン」とは会員の呼び方のことです。

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この結社は起源が明確ではなくて、いくつか有力な話があるのですが、
ここでは一番有力視されている説を取ることにいたしましょう。 

名前からして「自由な石工」なので、中世のギルド起源説です。
ヨーロッパ各地に置いて、石工たちは教会、大聖堂、王宮など、主要な建物の
建築に携わりました。そしてその高度な技術や知識を共有し、仲間同士の連帯感を
確固たるものにするために、石工たちの集まりを作ったとするのです。

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当時としては、石工は知識と技術を誇る特別なエリート集団だったわけです。

これが16世紀も終わりごろになると、ギルドの衰退によって、石工以外のメンバーも受け付ける
ようになります。 

もちろん、石工としての技術や知識の保持が大切だったために、会の教義などは
外部には秘密でしたが、石工以外の人々、すなわち、同時代のほかの知識人たちを入会させる
ことで、ほかの知識の共有が始まりました。

貴族、王族、政治家、芸術家、哲学者、科学者、etc・・・

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たとえば、モーツァルトも会員でしたが、『魔笛』の中で教義を多く語りすぎた故に
毒殺されたというのは、結構有名なエピソードです(どうなのでしょうね?)

ベートーベン、スタンダール、コナン・ドイル、ウィンストン・チャーチル、赤十字のアンリ・デュナン。
あ、マッカーサーも。

1717年にイギリスではロンドンにグランド・ロッジが創設されました。
ロッジとは集会所のことで、小さい集会所たちをまとめ上げる総集会所のようなものです。
ここにフリーメーソンリーは、世界平和を目指し、世界政府の樹立を目標とする、
近代メーソンに生まれ変わったようです。
(ちなみに日本のグランド・ロッジは東京タワーの近くだそうです)

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コンパスは天智、精神を、定規は人智や地を表しています。

ローマのカトリック教会は早くからフリーメーソンリーを嫌って、カトリック信者の中に会員がいたら
破門にするよと宣言を出します。
でもフリーメーソンリーのほうがうわて? ヴァチカンにも会員がたくさんいるのですって。

薔薇十字団だった錬金術師の入会によって、カバラやグノーシスの思想が取り入れられ、
3段階しかなかった階級が33段階くらいに複雑化していきます。
だからどういうことなのか?といいますと、すごいのはここからなのです。

a.freemason0.jpg

私たちが歴史で習った大きな出来事のほとんどは、彼ら会員が多くかかわって起こったと言っても
過言ではないのですよ。

たとえばフランス革命。ルイ16世のイトコであったオルレアン公は会員でした。

a.freemason.duc de Chartres, puis duc d'Orleans.jpgオルレアン公。

屋敷を集会所として会員に提供、暴動を大きくするためにお金をばらまいたとか。

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『百科全書』のディドロとダランベールも会員だし、ほかの会員も協力していました。
ラファイエット、ヴォルテール、ミラボー、ボーマルシェ・・・

アメリカ独立。「ボストン茶会事件」も。初代から歴代大統領のほとんどが会員です。
(ニクソンとケネディは違うらしいですね)
ユダヤ系の大富豪たちもそうらしいです。

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クリントンはイルミナティだし。
イルミナティはドイツでできた秘密結社ですが、フリーメーソンリーの会員が多くいたので同じような
組織(より改革的?)でしょうか。

あ、ちなみにアメリカのお札のピラミッドの絵、あれが五芒星を描けるバランスで描かれているというのは、
なるほど、自分の1ドル札を見て納得しましたw
(でも五芒星とか「世界を見渡す目」のデザインはもっと昔から存在しています)
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ロシア革命。ピョートル大帝は会員でした。でもエカテリーナ2世は絶対王政の危機を案じて、
フリーメーソンリー禁止令を。それからロシアはニコライ2世までずっと禁止にしたにもかかわらず、
かなりの会員が増えていて、ついにレーニンによるロシア革命にいたったのです。ゴルバチョフも会員。

そのほかにも、ペレストロイカ、ベルリンの壁崩壊、EC統合などなど・・・
教科書で習うことのほとんどは、この結社が関係していたようですよ。

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日本人では西周が第1号会員ですって。

ちなみに、女子は入会できないのでアメリカで女子の会が別に作られたようです。
イースタン・スターというらしいですね。
こちらは5段階の階級があって、それぞれがスミレ、ユリ、バラなどの花で表されているのですって。
フリーメーソンリーの会員の関係者なら入れるそうです。

まぁ、入会したければ、満20歳以上の健康な男子であること、2名の会員の推薦と会員の投票で
決定されればよいそうですが。
表向きの会は慈善活動などをしているようで、Wikiってみたら入会費と年会費を払うようですねぇ。

あ、健康なだけではなく、なにか特別な知識や技術も必要のようです。
そして最大のポイントは・・・

私利私欲のために大金を得たいとか、そのための人脈が欲しいとか考えてはいけないのです。
あくまでも世界を変える(よい方向に)が目的の結社ですから。

a.freemason6.jpg入会の儀式。

なにぶん、秘密なのでよくわかっていませんが。
自分が会員であることは公言してもよいそうですが、だれそれも会員だと、ほかの人のことを言っては
いけないとか。

『ダ・ヴィンチ・コード』で入会者が殺到したとWikiに書いてありましたが・・・
そんなミーハーな理由はちょっと違うような・・・^^;;;

陰謀説もあるようですが、何分、知らないだけに外部の人がそう言っているだけかもしれません。
まぁ、世界を平和にしてくれるならばそれでよいです。

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まぁちゃん

たまに、特番でフリーメイソンのことをやっている時がありますね。
秘密めいた団体で、私には分からない世界でした。
by まぁちゃん (2012-01-09 05:40) 

トータン

なんだか謎解きゲームのような・・・・こういうの好きなんですよ~ 嘗てはパソコン、プレステ などで あのような文様のなぞを解きながら先へ進むって言うゲームに嵌っていましたよ 見た瞬間心躍りました~(^^
by トータン (2012-01-09 09:35) 

vega

またまた興味深く読ませていただきました。
庶民には手の届かない、どこまでが真実なのか分からない…
幾多の歴史にかかわっている…というところが、興味をかき立てられますね。
庶民の私にとっては、歴史のロマンの一つ…でしょうか。
by vega (2012-01-09 10:12) 

たいちさん

秘密結社と聞けば、「ダヴィンチコード」を思い出しましたね。会員数は大勢いるのでしょうね。
by たいちさん (2012-01-09 11:21) 

sig

こんにちは。
秘密結社という言葉からは、いいイメージは湧きませんね。
日本でも過去に首相級の高名な政治家が会員だったようですね。今は知りませんが。
by sig (2012-01-09 12:15) 

楽しく生きよう

秘密結社はいくつもあると思っていいですか。
by 楽しく生きよう (2012-01-09 14:09) 

nana_hyr

こんなにいろんなメディアに名前を使用される、舞台にされる秘密結社ってなんだかへんなかんじですね^^;
ドル紙幣の目は、あまりいい気分のしないデザインですし^^;
あまりに巨大な組織になると一体感はいかほどですかね~
とはいえ、フリーメーソンという響きは神秘的な魅力が( ̄m ̄ )
by nana_hyr (2012-01-09 14:34) 

まっちゃん

わあー、信じるか信じないかはあなた次第です!のリアル版ですね。
面白いです。
by まっちゃん (2012-01-09 14:47) 

吉之輔

こんにちは、昔「フリーメーソン」という言葉は聞いたことがありますが何も知りませんでした、いい勉強になりました。
お尋ね頂きナイス有難う、此れからも宜しく願います。
by 吉之輔 (2012-01-09 14:53) 

大林 森

映画のフリーメーソンって何か妖しい団体ってだけのイメージでしたが・・・・。秘密結社自体は色々あったりするんでしょうね。(・´з`・)硬軟いろいろあるんでしょうねえ・・・・。ワクワク。
by 大林 森 (2012-01-09 15:28) 

e-g-g

興味深く拝見しました。
といっても、ほとんど知らない世界です。
モーツァルトそして『魔笛』くらししか手がかりがありません。
それしても秘密結社という言葉は、
なんとも誤解を生む言い回しですね。
by e-g-g (2012-01-09 16:05) 

伊閣蝶

温かなコメントを頂戴し、心より御礼申し上げます。
ありがとうございました。
フリーメーソンについては、会員以外は本当のところはよくわからないという気がしています。
組織として政治的な活動をしないということですが、米国の歴代大統領などがメンバーだったり、ナポレオンなどの名前を見ると、完全にそうしたことからフリーであったかはわかりかねます。
モーツァルトの毒殺伝説。意外に伝説ではないのかもしれないと私も思っています。そうは思いたくないのですが、やはり不自然なところも多いような気もしますから。
モーツァルトの臨終に当たって、なぜ聖ペーター寺院の司祭は終油の秘跡を授けてくれなかったのか。
それは、モーツァルトがフリーメーソンであったからなのか、確たるところは藪の中、ということでしょうか。
by 伊閣蝶 (2012-01-09 17:42) 

旅爺さん

1枚目の石工は料理人かと思いました。
by 旅爺さん (2012-01-09 19:56) 

しきみ

世界のフリーメーソンのことを集めたサブカル本を立ち読みしたことがあります(苦笑)
いえ、どんな内容なのかなぁと心引かれたので。
なんていうんでしょうか、自分とは別の世界の出来事として読むには十分面白いんですけどね。
実際にあるんですよね・・・、秘密結社って
by しきみ (2012-01-09 21:33) 

みつひろ

お褒めのお言葉・・
ありがとうございます^^
一人ではしゃいでいただけでしたので
嬉しかったです^^。
by みつひろ (2012-01-09 21:39) 

のん

むかし、上司からフリーメーソンの話を聞いて、驚いたことをよく覚えています。

by のん (2012-01-10 00:48) 

sadafusa

東京タワーの下にフリーメーソンのロッジがあるのは
知ってました・・・・
そして驚いたことも思い出しました・・・。
へんなの~とか思ってて・・・。今でもあるのかな・・・・。
by sadafusa (2012-11-19 10:11) 

fam-kaninchen

まさかそんなことが公に公募されているとは知らず、
wikiで探したこともなかったのですが、随分詳しく書かれてるんですね!

それにしても、秘密結社がネット上で入会金、年会費を公開しているとは、、、。
by fam-kaninchen (2012-11-20 05:08) 

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