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王妃の座を目前にして・・・Gabrielle d'Estrees [l'histoires de femmes]

Gabrielle d'Estrees4.jpg


ガブリエル・デストレは、アンリ4世の有名な寵姫の一人です。

彼の生涯、56人もの愛人たちの中でも、特別な存在であったといえるでしょう。
親同士が決めた結婚だったアンリ2世とカトリーヌ・ド・メディチの娘マルゴとは、決して夫婦として
仲良くできることはありませんでした。それどころかもう、彼らの結婚は初めから波乱を含んでいて、
カトリーヌ・ド・メディチのせいでアンリとマルゴの結婚は、サン・バルテルミーの大虐殺で不吉に彩られ、
最後まで不仲が続きました。

王妃マルゴについてはこちら。 →  http://niki310.blog.so-net.ne.jp/2011-04-27-2


アンリとガブリエルが出会ったのは、ガブリエルが17歳の時、父の城にアンリが訪れたときでした。
実はアンリの部下が彼女の恋人だったのですが、かねてから彼女のことをいろいろと自慢する彼から、
ガブリエルを奪ってやろうとアンリは画策していたのです。

でも、ガブリエルは一国の王子にもなびきませんでした。
これがかえってアンリの心を燃えあがらせたようです。
贈り物とラブレター攻撃が始まり、ついに周りに説得されて、ガブリエルはアンリの寵姫になりました。

Gabrielle d'Estrees1.jpg


恋人になると、ガブリエルは惜しみなくアンリにつくしました。
厭世について行ってはかいがいしくアンリの世話をしました。
お洗濯までしたそうですよ!!

政治や外交文書は彼女が作成して、アンリはサインするだけ。
野営地で3人も子供を産みました。

スペインがふいに責めてきたときは、自分の所持金を提供、募金も募って軍資金を調達します。
天使の名前のこの女性は、美しく聡明なだけでなく、機転もきくのです。
カトリックとプロテスタントの争いのためにパリに入城できなかったアンリに改宗を勧めたのも彼女でした。

Gabrielle d'Estrees2.jpg


王妃がもはや王妃の役割を放棄して、アンリを夫として認めずに遊び狂っているために、
アンリはローマ法王に離婚を申し立てます。
この申請がやっと許可されたとき、ガブリエルは4人目の子を身ごもっていました。

いよいよ結婚式が取り決められました。
花嫁と花婿は、式まで1週間、離れなくてはいけないしきたりがありました。
1週間の別れの時、ガブリエルはとても悲しくなって、突然、アンリにすがって泣き出したそうです。

これは予感だったのでしょうか?

翌日に陣痛が始まり、ひどい難産の中、まる一日苦しみのた打ち回り、その次の日にあっけなく
亡くなってしまったのです。わずか26歳。

Gabrielle d'Estrees5.jpg


毒殺ではないかと言う噂もたちました。

でもこの場合は…死産でしたが、お産が直接の原因だったというのが一般的なようです。

彼女はアンリの計らいで、王妃として王家の墓、サン・ドニ大聖堂に葬られました。
翌年、アンリはイタリアから前の姑の一族・メディチ家より新しい王妃を迎えることになります。

つくしてつくして愛されて・・・王妃の座を目の前にしてあっけなく亡くなった彼女は、幻の王妃と
言えるでしょう。


Gabrielle d'Estrees3.jpg


これは有名なガブリエル・デストレの絵です。
最初ルーヴルで見たとき、首をかしげました。
「????????????これがゲイジュツ?」(理解できない・・・)なんて^^;;;

向かって右がガブリエル。左は妹です。
ガブリエルは左手にアンリからもらった指輪をつまんでいます。
妹がガブリエルの胸をつまんでいるのは、妊娠を表しているといわれています。

・・・なぁるほど?

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くまら

立派な芸術かと^^
by くまら (2011-09-14 08:34) 

PATA

お見舞いコメントありがとうございました。
大分良くなってきましたよ^^
もうすぐ再開できると思います。

芸術って奥が深いですね^^;
by PATA (2011-09-14 12:13) 

toshi

コメント、ありがとうございました。
by toshi (2011-09-14 15:22) 

たいちさん

ルーヴル美術館で、このフォンテーヌブロー派の官能的な絵画を観た時は、驚きましたね。
by たいちさん (2011-09-14 16:16) 

月夜空

こんにちわ^^
私も、はじめてこの絵をみたとき、え(゚○゚)!と思いそのままスルーしてしまいました^^:
芸術ってむずかしいですねぇ^^
by 月夜空 (2011-09-14 16:18) 

ナツパパ

良い人は早死にをするって本当ですねえ。
哀しいなあ。
わたし57歳ですが...なにか?
by ナツパパ (2011-09-14 19:56) 

mebo

コメントありがとうございます!
56人のライバルを退けて、王妃になろうとしていたのに可哀想ですね。
陰謀渦巻く宮廷で、本当の愛を手に入れられたのは、
せめてもの救いでしょうか・・・?
by mebo (2011-09-14 22:46) 

ゆう

この絵に、
そんなストーリーが。。。。
知らなかった。。。よ。。
by ゆう (2011-09-14 22:53) 

youzi

私もこの絵をルーブルで見た時、不思議な絵だと思いました。
最近になって、この絵に隠された秘密みたいなものを
テレビで見たのですが、後ろにいる赤い服を着た人、
産着を縫っているようなのですが、黒い産着だって
言っていたんですよね。
隣にいるのは妹って話もありますが、実は違うって
話もあるようでした。

by youzi (2011-09-21 20:49) 

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