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The Affair of the Neckless~”V"の烙印を押された悪女~ [l'histoires de femmes]

co.janne2.jpg


男爵家の令嬢として生まれたジャンヌは、不幸にも幼いころに両親を亡くし孤児になり、
修道院で育てられました。
しかし、持って生まれた性質からでしょうか、修道女になることを嫌って、院を飛び出しました。

そして運よく(悪くかも?)、ド・ラモット伯爵と偶然に出会い、結婚しました。

co.nicolas-de-la-motte.jpgド・ラモット伯爵。

このド・ラモット伯は超悪党で、自分の屋敷に貴族や僧侶達を呼び集めてはジャンヌを貸し出し、
彼らの相手をさせて金を稼いでいました。

自分の妻を娼婦にしていたなんて、常人には理解できない性癖です。

それでも伯爵夫人ですから、ヴェルサイユ宮殿にも出入りできるのです。
歴史上有名な詐欺事件は、1785年におこりました。

co.rohan.jpgロアン枢機卿。

当時、王妃マリ-・アントワネットの感心を買いたがっていたロアン枢機卿に、王妃とは懇意にしている
自分が、仲を取り持って差し上げましょうとジャンヌは申し出ます。

でも、そんなのは真っ赤な嘘です。
王妃とは話したことがないどころか、そば近くに侍ったこともなかったのですから。

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アントワネット。


ロアンは昔、オーストリアの宮廷でアントワネットの母のマリア・テレジアに嫌われていました。
彼が女遊びを派手に繰り広げていたためです。

道徳的に厳しく育てられたアントワネットも、その話を聞き知っていたために彼を嫌悪しました。
ロアンはフランスの宰相の座を狙っていましたが、アントワネットに毛嫌いされていたのです。

ジャンヌの計画は、王妃を陥れることでもロアンを陥れることでもなく、ある大物を売りさばいて金儲けし、
大金を手にしてヴァロワ家を復興することにありました。

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ルイ15世。



co.duBarry1.jpg
デュバリ夫人。


アントワネットの舅に当たるルイ15世が、愛人のデュバリ夫人のために生前作らせたネックレス。
540個のダイヤをあしらった途方もなく高価なネックレス。

co1.jpg
これはその複製品です。


完成前にルイ15世が逝去して、デュバリ夫人は宮廷を追い出されたために、ネックレスが行き場を
失っていたことに目をつけていたのです。

宝石商はこのネックレスをアントワネットに見せて、購入を打診します。
でも途方もなく高価なことを理由に、アントワネットは購入を断りました。

本当は、舅の娼婦だった大嫌いなヂュバリー夫人のために作られたものを、いくら彼女が身に
着けていないとはいえ、自分が身に着けるのが嫌だったのかもしれません。

宝石商は困って愚痴をこぼしていました。
それをこのジャンヌが聞き知ったのです。

co2.jpgこれはデザイン画。

彼女はまずロアンに「王妃との仲を取り持って差し上げます」と近づきます。
そして王妃に面影の似ているマリー・ニコル・ルゲイ・デシニーという娼婦を見つけ出してきて、
高価なドレスを着せ、ヴェルサイユの庭園の暗がりに立たせ、王妃だと偽らせてロアンを「謁見」させました。

そしてロアンの信頼を得て、あとは宝石商に、王妃が例のネックレスをほしがっているので、
まず頭金をロアン枢機卿が払い、あとは王妃が分割払いで払うそうですと告げます。

王妃からの文書だと言って、文書偽造もしておきました。

宝石商は喜んで、ジャンヌの言葉を信じました。
そして王妃の代理人だという彼女に、ネックレスを渡してしまうのです。

ジャンヌはすぐにロンドンへ高飛びして、そこでネックレスをばらして売りさばき、大金を手にします。
一方、ロアンはいつまでたっても自分に声をかけてくれないアントワネットを非難します。
大嫌いなロアンから突然わけのわからないことをいわれたアントワネットは激怒します。

そして宝石商からも、アントワネットのもとに請求書が。

co.janne1.jpg
ジャンヌ。


・・・・パリの民衆は、なんと王妃よりもジャンヌを信じました。
それまでの浪費や賭博からアントワネットが疑われるのも無理もない状況になっていました。

裁判が開かれ、アントワネットはもちろんのこと、ロアンも無罪を言い渡されます。
それはそうですね、だまされた被害者ですから。
ジャンヌだけは有罪です(これも当然)。

逃亡していたジャンヌは捕まって牢獄へ送られ、そこで鞭うちの刑に処されました。
そして「V」の烙印を肩に押されました。これはフランス語で「どろぼう」をいみする言葉の頭文字です。

co3.jpg
烙印を押されるジャンヌ。


その後は牢獄で終身刑に処されますが、なんと逃亡してスキャンダル本まで発行します。
転んでもただでは起きないすごい女性です。

あることないことアントワネットについて書き立てて、自分は被害者だと無茶苦茶なことを主張する彼女に、
なんと民衆は同情したと言います。

それだけ、民衆は王制を憎んでいたのです。

やがてその憎しみが、4年後のフランス革命を招くことになるのです。

co4.jpgThe Affair of the Neckless, ヒラリー・スワンクがジャンヌを演じています


彼女はのちに逃亡先のロンドンで35歳の若さで転落死しました。
事故か事件か、あるいは暗殺か。
それは謎です。


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くまら

ジャンヌと聞くと、ジャンヌダルク?と思っちゃいましたが
違うんですね、この映画見てみたいです^^;
by くまら (2011-07-14 08:31) 

rtfk

今の時代はそこまで大胆かつ大掛かりな犯罪をやらかすような
人物がいないですね(^w^)
いても困りますが・・・。
でも騙す相手によると痛快かも。
by rtfk (2011-07-14 09:51) 

旅爺さん

ジャンヌダルクは知ってますが、詐欺師のジャンヌは知りませんでした。
ジャンヌダルクも処刑されましたが、その場所は見て来ました。
マリーアントワネットの部屋やベッドはベルサイユ宮殿で見て来ました。
by 旅爺さん (2011-07-14 11:06) 

太陽の玉子

いつも興味深いお話をありがとうございます。
by 太陽の玉子 (2011-07-14 12:39) 

ナツパパ

ジャンヌの旦那の方はどういう生涯を送ったんでしょうねえ。
なんだか小ずるそうな顔つきをしていますねえ。

そういえば、学生の頃フランス語を習いに「日仏学院」と言うところに行ってました。
フランス共和国の文化施設なので、7月14日は休みでしたっけ。
カトーズ・ユーリエ、というんですがね、最初聞いたとき、どこの加藤さんか、
と思ったことは内緒です(笑)
by ナツパパ (2011-07-14 18:25) 

nakasama

パリ祭、20年くらい前に行きました!
シャンゼリセ通りは盛大な軍事パレードで目の前に戦車...
あー、そんなんだなぁ...とちょっとショックでしたね。
by nakasama (2011-07-14 21:10) 

うみのつばめ

いつも、興味を持って拝見させていただいております。
『ベルばら』の登場人物がいかに実在の人物が多かったことか。
ここを読ませていただくと実感します。
悪名高いジャンヌのことは、映画にもなっていたのですね。


by うみのつばめ (2011-07-14 21:33) 

島酔潜人

こんな、結末があったとは... 知らなかった。
by 島酔潜人 (2011-07-14 22:29) 

niki

くまら様>>>>邦題は『マリー・アントワネットの首飾り』だったと思います^^

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rtfk様>>>>だましが痛快なのはしゃれた映画ですね。コンゲーム?

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旅爺さん様>>>>私はコンシェルジュリでアントワネットの牢獄を見ました。蝋人形がリアルで怖かったです^^;;;

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太陽の玉子様>>>>いつも読んでくださってありがとうございます^^


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ナツパパ様>>>>いつもありがとうございます^^
伯爵ですので、それ相当の暮らしを続けたのでしょうね。でもフランス革命までかもしれないですね。ギロチンで処刑されたかもしれないですね。

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nakasama様>>>>戦車ですかぁ。一晩中花火でお祭り騒ぎとは聞いていたんですが・・・。シャンゼリゼは滑走路にもなるように設計されているので、戦後、軍事パレード化したのでしょうかねぇ。

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うみのつばめ様>>>>恐縮です~^^ そうそう、首飾り事件と言えば、
『ベルばら』でも幼心に焼き付いたエピソードのひとつですね!子供のころは、オスカルも本当にいたのかと思っていました( ´艸`)

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島酔潜人様>>>>お久しぶりです^^


by niki (2011-07-15 01:35) 

su-nya

ヒラリー・スワンク、ビバリーヒルズ青春白書で
ちょい役だったのに化けましたよね~!
こんな悪女役、観てみたいです☆
by su-nya (2012-11-09 11:34) 

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