☆小悪魔程度で…( *´艸｀)☆

ルシファーとミカエルの戦い。ルーベンスです。

以前、天使のことについて書いたので、今回は悪魔です。

天使と同様に、西洋社会だけでなく、東洋にも登場する悪魔たち。
つまり、人間の二面性の象徴として、天使と悪魔は存在するのですね。

>こちらは天使たち。

人間のよい面が天使、
悪い面が悪魔。

善良なだけの人は存在しないし、善良に生きていてもふと魔がさすこともありますね。
悪とは「悪いもの」と考えるから畏怖するのだろうし、ひそかに憧れてしまうなんてことも( ´艸｀)。

つまり、極端すぎると天使か悪魔だけれど、
そのどちらも併せ持つのが人間ということになるでしょう！！

ユダヤ教にもキリスト教にも、エジプトやギリシア、ローマ、ゾロアスター教やイスラム教、
ヒンドゥー教や仏教に、天国と地獄に当たる場所が存在するようです。

ミケランジェロの『最後の審判』。

ユダヤ教から枝分かれしたキリスト教では、「最後の審判」の考えが生まれてから、
地獄は罰を与えられたり苦しみ続ける場所であり、そこの支配者たちが悪魔であると考えられるようになりました。



なかでもルネッサンスのダンテの『神曲』が、こんにちの地獄のイメージを固めたようです。
すごいですね、ダンテ。

ちなみにダンテによると、特別罪を犯していなくても無為に人生を過ごした人は、
地獄の手前の「全域」というところで、何もない原っぱをさまよいつづけなければならないそうですｗｗｗ



そして、キリスト教徒として洗礼を受けていない人やキリスト教徒でない人は、いくら徳が高くても
一番手前の地獄に行くそうです。迷惑なはなしですね。勝手に決めないでほしいものです＞＿＜

ルシファー。

地獄で人間に罰を与えるのが悪魔だそうですが、悪魔も実は、もともとは天使だったようです。
ルシファーは「明けの明星＝金星）」を意味する名前の悪魔ですが、
この悪魔はもともとは大天使ミカエルの双子の兄だったそうです。

ロレンツォ・ロットの描いたミカエルとルシファーの戦い。

人間に質問をしたり、誘惑したりして信仰心や道徳心を試す役割だったのですが、
自分が神になりかわろうと反乱を起こして敗れ、地底に落とされたそうです。

ルシファー。

サタンと混同視されるそうですが、明確な区別もないようです。

バフォメットはヤギの頭をした悪魔。魔女の集会（＝サバト）の司祭で、黒ミサをつかさどります。
それはそうと、ゴヤの絵は怖いですね。

　『我が子を食らうサトゥルヌス』。
彼自身、病気で九死に一生を得てからは、悪魔や死後の世界に心惹かれていったようです。


ガルグイユ。

あ！！ガルグイユもセーヌ川に棲んで人を襲うと言われた悪魔です。
いまは古い建物の雨どいの飾りで、魔よけの意味があるそうですが。



メフィストフェレスは皮肉屋で冷酷な悪魔。
16世紀の終わりごろに実在したという魔術師で錬金術師であったメフィストフェレスが召喚したといいます。
これをもとに書かれたのがゲーテの『ファウスト』。



メフィストフェレスと契約したファウスト博士が、よぼよぼじいさんから若者に姿を変えて、
この世のあらゆる快楽の限りをつくし、最後は魂を売り渡すという時に、天使が降りてきて天に召される、という話。

都合がいいなぁ、と思っていたら、元の言い伝えでは、ラストがまったく違いました。
24年後に魂を売り渡す約束をした博士は、約束のその日に本当に連れ去られてしまいました。
ある人が博士の部屋を覗くと、部屋は血まみれ、そして博士の姿はなく、二つの目玉と歯が散乱していた・・・・
ぎゃあぁぁ、ｺﾜｲ─(lll-ω-)─。。。。



中世ヨーロッパは暗黒の時代と言われるように、いろいろな後ろ暗い、
死の影がつねに背後にあるような、そんな時代でしたから、悪魔や魔女が本気で信じられていました。

ペストと言う伝染病の流行も、聖職者が発狂しても、修道女たちが集団ヒステリーを起こしても、
家畜が死んでも作物が育たたなくても、ライ麦パンを食べて麦角中毒になっても、
すべては悪魔のせいにされました。

ブラット・ピットとモーガン・フリーマンの映画『セヴン』。

このころには七つの大罪という考えが生まれました。
傲慢、嫉妬、憤怒、強欲、大食、色欲。

ブレンダン・フレーザーとエリザベス・ハーレイの『BEDAZZLED』。コメディーです。

悪魔は、それらの擬人化されたものとも言えるでしょう。

これが「この世のものはすべて悪だよ！」と考えるグノーシス主義では、天使さえも人間を惑わす悪なので、
七つの大罪の擬人化は天使でなされていますｗｗ



前に紹介したアダムの最初の妻・リリスは、アダムと復縁しなさいという神の命令に背いたら、
悪魔にされてしまいました。ひどい話です。

キリストが踏みつけている悪魔、ぶさカワです。

インドのカーリーはシヴァ神の奥様で、破壊の神であるシヴァ神も手を焼くほどの存在ですが、
慈悲深い面もあるのです。

カーリー。地母神であり、いけにえの女神でもあります。


＊＊＊悪魔のイディオム＊＊＊

devil's advocate・・・・「悪魔の弁護士」とは、へそ曲がりな人のことを言います。
between the devil and the deep sea・・・・「進退窮まった」
devil fish・・・・グロテスクな海の生物のこと。タコ、イカ、アンコウなど。
Speaking of the devil.・・・「噂をすれば影」。

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悪魔はマンガやゲームのキャラクターとしても人気なので、ゲームに詳しい方のほうが
私よりもはるかにご存知のことが多いと思われますｗｗｗ


悪魔のような上司はいやですネ。『プラダを着た悪魔』。

ちなみに、日本では「悪」のイメージと言えば黒ですが、西洋では赤です。



天使も悪魔も人間の持つ性質であって、相反するようで実は裏と表なのです。
どちらも極端にどちらかの要素が多いのはどうかと思うので、ほどほどがよろしいかとｗｗｗｗ

ご自由に14

このテの話や図像など、メチャメチャ好きです（笑）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2011-07-10 01:03) 

ゴヤの絵、めっちゃ怖いです(((ﾞ◇ﾞ)))
by 1969kana (2011-07-10 02:20) 

わたしもですっっ
by pocoApoco (2011-07-10 02:27) 

おはようございます＾＾）毎度のように読み耽ってしまいました。。。
西洋では赤なんですか・・・知りませんでした（汗）
気をつけます。。。
by rtfk (2011-07-10 04:25) 

各国でいろんな善悪の絵を見て来ましたが、よくこんなに沢山集められましたね。　3枚目の絵は左側が天国に上がって行く人で、右側の人達は地獄に落ちて行く絵と聞きました。
by 旅爺さん (2011-07-10 06:06) 

悪魔とか天使とかそういう世界、とっても好きです＾＾
by yoshinonoko (2011-07-10 07:38) 

おはようございます＾＾

ダンテの地獄の絵は、よくみる閻魔大王と地獄の絵とそっくりですね～。

キリストが悪魔を踏みつけている絵が印象的でした。
by 月夜空 (2011-07-10 10:08) 

悪のイメージは赤！！
そうだったんですか、、
そうか、、
だからデビット・リンチ映画の
カーテンは赤、、なるほど！
by ginchanx_5150 (2011-07-10 10:37) 

梅雨あけましたね。
これから猛暑との戦いですね。
体調管理にご留意ください。

by nony (2011-07-10 12:10) 

私はやはり「プラダを着た悪魔」の方が好きです。
by sig (2011-07-10 13:04) 

こういう絵っていいよねー
デビルのハイヒールも魅力的(笑)
by ダイナ (2011-07-10 16:22) 

人間、たしかに二面性があり、そこが面白いと言えば面白いわけで。
．．．白雪姫みたいなココロしかないワタシ．．．と歌ったのは。天知真理さんでした。
当時アイドルに夢中だった、若いわたしも、これにはぶっ飛びましたっけ。
by ナツパパ (2011-07-10 20:26) 

私も「悪魔の辞典」とかを買って読んでいたことが。
天使と悪魔って表裏一体で、なかなか興味深いんですよね(^^)
by MURAMASA-X6 (2011-07-10 23:05) 

今回も興味深く読ませてもらいました。nikiさんは、博学な面を持っていますね。話題がホントに豊富で飽きることがありません。

＞天使も悪魔も人間の持つ性質であって、相反するようで実は裏と表なのです。

このように、表裏一体だと見破る冷静さは常に持ち続けていたいですね。


by t-youha (2011-07-10 23:51)